腹痛

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腹痛
概要
分類および外部参照情報
ICD-10 R10
ICD-9-CM 789.0
Patient UK 腹痛

[ウィキデータで編集]


abdominal pain


[]


138尿55便530104321[1] [2]











穿Hb



尿尿

()


分類 疾患
食道・胃・腸疾患 虫垂炎小腸大腸の閉塞、ヘルニア嵌頓、消化性潰瘍、胃・腸管の穿孔・破裂、憩室炎とくにメッケル憩室炎、炎症性腸疾患マロリーワイス症候群特発性食道破裂(Boerhaave症候群)、胃炎・腸炎、急性胃炎、結腸垂捻転、上腸間膜動脈症候群上腸間膜動脈血栓症悪性腫瘍
肝臓・脾臓・胆道系疾患 急性胆嚢炎、急性胆道炎、肝膿瘍、肝腫瘍の破裂、脾破裂、脾梗塞、急性肝炎
膵臓疾患 急性膵炎
腎・尿路系疾患 腎結石・尿管結石、急性腎盂腎炎、腎梗塞、急性膀胱炎
産科・婦人科疾患 子宮外妊娠(異所性妊娠)、卵巣茎捻転、卵巣嚢胞の破裂 (卵巣出血)、急性卵管炎、子宮内膜症月経困難症(月経痛・生理痛)、Fitz-Hugh-Curtis 症候群
呼吸器系疾患 肺炎(下葉の異常)、胸膜炎
血管系疾患 虚血性心疾患(狭心症心筋梗塞を胃痛として訴えることがある)、大動脈瘤破裂・腹部大動脈解離虚血性大腸炎腸間膜動脈・静脈への血栓塞栓
腹膜疾患 腹腔内膿瘍、(一次性の)腹膜炎、結核性腹膜炎
後腹膜腔の異常 後腹膜腔出血
精神・神経系疾患 過敏性腸症候群身体化障害心身症
その他 詐病仮病

診断アプローチ[編集]


調LQQTSFAXPAX18G使使使

(便)













穿







便








[]


穿穿CT



LQQTSFAAlvarado
項目 内容 点数
Migration of pain 心窩部、臍周囲部から右下腹への移動 1
Anorexia 食思不振 1
Nausea 嘔気、嘔吐 1
Tenderness of RLQ 右下腹部圧痛 1
Rebound tenderness 反跳痛 2
Elevated temperature 発熱>37.3℃ 1
Leukocytosis WBC>10000/ul 2
Shift of WBC count 白血球の左方移動 1

7点以上で虫垂炎が疑わしいとされている。画像診断では造影CTが望ましいとされている。外科のcope's early diagnosis of the acute abdomenによると急性虫垂炎は食思不振からはじまり、徐々に心窩部あるいは臍周囲の痛みが出現し、悪心、嘔吐が出現する。食思不振が高頻度(95%)に先行するため悪心、嘔吐は程度が軽い場合が多く、嘔吐はあっても数回程度である。その後右下腹部痛が出現し、微熱を伴い白血球の増加が起こるとしている。この順序で出現しなければ虫垂炎以外の疾患を考慮する必要があるとされているが非典型例も多い。

腹部症状との関係[編集]

悪心・嘔吐[編集]

悪心・嘔吐を起こす疾患[編集]

悪心嘔吐延髄にある嘔吐中枢によって制御されている。消化器、心臓、前庭、脳実質の障害によって嘔吐は誘発される。中枢神経系の障害による嘔吐は悪心を伴わないのが一つの特徴である。消化器の異常が最も多いがそれ以外の疾患も数多い。特に急性冠症候群が悪心、嘔吐のみしか認められないことがあり注意が必要である。診断学上は下痢といった下部消化器症状の有無が重要である。下部消化器症状が認められる場合は中毒(特に薬物ではジゴキシンテオフィリンが有名)によるもの以外は消化器疾患である可能性が高い。特に見逃すと重篤な疾患としては脳内病変としては脳出血や髄膜炎があげられる。無痛性心筋梗塞は糖尿病患者や高齢者で多いとされている。糖尿病性ケトアシドーシス(DKA)、アルコール性ケトアシドーシス(AKA)、腎盂腎炎妊娠、敗血症、絞扼性イレウス、急性胆嚢炎、急性膵炎などが重要である。これらの疾患は下痢といった下部消化器症状を伴わないことが多い。

悪心、嘔吐を起こす疾患としては具体的には以下のような疾患が考えられる。

分類 疾患
閉塞性消化器疾患 イレウス幽門狭窄便秘
非閉塞性消化器疾患 急性胃炎、急性胃腸炎、急性膵炎、消化管穿孔、急性胆嚢炎
感染症 敗血症など
眼科疾患 緑内障など
耳鼻咽喉疾患 良性発作性頭位めまい症乗り物酔いなど
心血管疾患 急性冠症候群、急性大動脈解離など
神経疾患 脳血管障害髄膜炎頭蓋内圧亢進症など
代謝内分泌疾患 尿毒症糖尿病性ケトアシドーシスアルコール性ケトアシドーシス
泌尿器疾患 腎炎
産科疾患 妊娠性悪阻
薬物 ジゴキシンテオフィリンカルバマゼピン
中毒 きのこ中毒
アレルギー疾患 消化管アレルギーアナフィラキシー
精神疾患 拒食症過食症など

悪心・嘔吐のマネジメント[編集]


24便便尿AKA

DKACT穿

X便CT尿250mg/dlDKA尿XCTCT

[]


PCING尿5-HT4

GERDH2PPI
疾患分類 用いる制吐薬
片頭痛 5-HT1B/1D受容体作動薬
前庭系・心因性 抗ヒスタミン薬+抗不安薬
機能性ディスペプシア 5-HT4受容体作動薬
便秘 瀉下薬
抗がん剤によるacute emesis 5-HT3受容体拮抗薬やステロイド


[]


25mg50ml30

[]


24200g便便

便23使便

O157尿(HUS)使O157E.coli O157:H7Campylobacter spp.Vibro parahemolyticus使Vibrio vulnificusVibrio vulnificus使RR150mg335500mg6353便

CD

便

[]


便便
名称 原因
吐血 上部消化管出血
メレナ 別名タール便、ほとんどが上部消化管出血
下血 下部消化管出血、

上部消化管出血の原因疾患を以下にまとめる。

病態 疾患
上部消化管出血 消化性潰瘍
マロリーワイス症候群
胃食道静脈瘤
動脈瘤や急性大動脈解離と消化管とのfistula
Hemobilia
炎症性腸疾患(上部消化管のクローン病など)
AVM
脳血管疾患や心血管疾患の合併症による上部消化管出血、

頻度としては消化性潰瘍、マロリーワイス症候群、胃食道静脈瘤の3つが圧倒的に多い。脳血管疾患や心血管疾患の合併症としては脳出血後のクッシング潰瘍や熱傷受傷後のカーリング潰瘍が有名である。意識障害や認知症がある場合は重要である。上部消化管出血にはrule of fiveという法則がある。これは上部消化管出血量と症候を対応させたものである。

出血量 症候
5ml 便潜血陽性
50ml メレナ
500ml 鮮血の下血

便

[]


coffee-ground emesis尿
喀血 吐血
出血状態 咳に伴う 嘔吐に伴う
性状 泡沫を伴う 食物残渣混入
pH(テステープ) 中性 酸性
随伴症状 胸痛、呼吸困難など 腹痛、嘔吐、嘔気、下血など

NGSB]2010便調NSAIDsSSRI使調NG

[]


便SCT


















[]


調便[3]

調

14532調使



60

便

便134便126便10014303210068

出典[編集]

  1. ^ “Studies of the symptom abdominal pain--a systematic review and meta-analysis”. Family Practice 31 (5): 517–29. (October 2014). doi:10.1093/fampra/cmu036. PMID 24987023. 
  2. ^ “Abdominal emergencies in the geriatric patient”. International Journal of Emergency Medicine 7: 43. (2014). doi:10.1186/s12245-014-0043-2. PMC 4306086. PMID 25635203. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4306086/. 
  3. ^ 本当に明日から使える漢方薬―7時間速習入門コース p73-106 ISBN 9784880027067

参考文献[編集]

関連項目[編集]