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﹃血に飢えた悪鬼﹄︵ちにうえたあっき、原題‥The Hungry Goblin[1]︶は、ジョン・ディクスン・カーの最後の長編小説。
ヴィクトリア朝のイギリスを舞台にして描かれる、歴史ミステリである。主人公は青年キット・ファレルだが、探偵は﹃月長石﹄の作者ウィルキー・コリンズ。プロットの中に、現実にはありえない設定がある。
あらすじ[編集]
1869年のロンドン。数年ぶりにアメリカから帰ってきたキット・ファレルは、旧友ナイジェルから相談を受ける。
自分の妻ミュリエルは、自分が探検旅行に出かける前に結婚した女性とは、どうも別人のような気がするという。
そんな中、何者かによってナイジェルは撃たれるが、犯人の姿は現場には存在しなかった。
犯人消失の謎、そして被害者の夫人の真偽に作家ウィルキー・コリンズが挑む。
登場人物[編集]
●キット︵クリストファー︶・ファレル - 主人公。英国に九年ぶりに帰国した青年。伯父の遺産を相続する予定。
●パット︵パトリシア︶・デンビー - 主人公が想いをよせる女性。
●ハーベイ・トライフォード - パットの従兄弟。
●ジム︵ジェイムズ︶・カーヴァー少佐 - 主人公の友人。
●ナイジェル・シーグレイヴ - 同じく主人公の友人。探検家だが、冒険中に消息を絶ち行方不明になっていた。
●ミュリエル・シーグレイヴ - ナイジェルの妻。
●ジョージ・ボウエン - フリーの作家。
●スーザン・クラバリング - ジョージの恋人。
●ロレンス・ウェストコット - 医師。
●ヘレン・オーベル - 未亡人。
●ゴブ警部 - ロンドン警視庁の刑事。
●エドモンド・ヘンダスン卿 - 主人公と家族ぐるみで付き合いのある知人。英国警察庁の警視総監。
●ウィルキー・コリンズ - ﹃月長石﹄や﹃白衣の女﹄で知られる推理作家。本作の探偵役を務める。
提示される謎[編集]
●準密室︵犯人の消失︶と人物入れ替わり。
●犯行現場に皆がかけつけると、撃たれた被害者だけで犯人の姿がない。現場にくる途中でも誰も犯人らしき不審者と出会っていない。
特記事項[編集]
●キット・ファレルという名前の人物はカーター・ディクスン名義の長編﹃青銅ランプの呪﹄にも登場する。
●本作の悪鬼︵ゴブリン︶伝説は、1794年に出版されたアン・ラドクリフの長編小説﹃ユードルフォの秘密﹄が下敷きになっている[2]。
- ^ ゴブリン(英: goblin)は、悪意をもった精霊で主にヨーロッパの伝承やフィクション作品に登場する架空の生物。
- ^ 東京創元社『血に飢えた悪鬼』解説(戸川安宣)
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長編・中編小説 |
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短編集 |
カー短編全集 |
- 1.不可能犯罪捜査課(マーチ大佐シリーズを含む)
- 2.妖魔の森の家(ギデオン・フェル、ヘンリー・メリヴェール・シリーズを含む)
- 3.パリから来た紳士(マーチ大佐、ギデオン・フェル、ヘンリー・メリヴェール・シリーズを含む)
- 4.幽霊射手
- 5.黒い塔の恐怖
- 6.ヴァンパイアの塔
- グラン・ギニョール(アンリ・バンコラン・シリーズと重複)
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エイドリアン・コナン・ドイルとの合作短編集 |
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アンソロジー |
- 世界短編傑作集5(マーチ大佐シリーズ「見知らぬ部屋の犯罪」を収録)
- 51番目の密室 世界短篇傑作集(ヘンリー・メリヴェール・シリーズ「魔の森の家」を収録)
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その他 |
ラジオ・ドラマ集 |
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評伝 |
- コナン・ドイル(原題:The Life of Sir Arthur Conan Doyle)
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カテゴリ |
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