衣冠束帯
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衣冠束帯︵いかんそくたい、古音‥いくわんそくたい︶とは、平安時代後期に生まれた日本の衣裳の名称の一つで、公家の正装をいう[1][2][3]。
概要[編集]
衣冠︵いかん、古音‥いくわん︶と束帯︵そくたい︶の複合語で、2つの違いが意識されなくなった江戸時代中期に[3][* 1]民間で呼ばれ始めた[1]というのが定説である。 しかし、歴史学者・鈴木敬三による1979年︵昭和54年︶の説によれば[4]、平安時代末期以降、宮中での束帯の着用機会が減少し、衣冠や直衣︵のうし、なおし、古訓‥なほし︶の着用が拡大した結果、参内︵※さんだい。内裏に参上すること︶するにあたって束帯の代用とする衣冠を指して﹁衣冠束帯︵いくわんのそくたい、現代語音‥いかんのそくたい︶﹂、束帯の代用とする直衣を指して﹁直衣束帯︵なほしのそくたい、現代語音‥なおしのそくたい︶﹂というようになったことに始まるという[4]。もっとも、鈴木が論拠とする﹃明月記﹄︵治承4年-嘉禎元年︿1180年-1235年﹀︶等の公家の日記にみられる﹁衣冠束帯﹂および﹁直衣束帯﹂の表記は、丁寧に解釈すると、それぞれに﹁衣冠や束帯︵を着た者がいる︶﹂﹁直衣や束帯︵を着た者がいる︶﹂という意味で用いられている場合もあるため、上記の説については厳密な検証が必要との、[誰?]による反論もある。脚注[編集]
注釈[編集]
- ^ 変化の起きた時期について、他の2つの出典のうち『精選版 日本国語大辞典』は「近世」、『デジタル大辞泉』は「江戸時代」としている。
出典[編集]
外部リンク[編集]
●斉藤雅夫︵元宮内庁書陵部職員、國學院大学非常勤講師︶﹃天皇家の装束と神職の装束 <ページが見つかりませんでした>﹄︵PDF︶東京お茶の水ロータリークラブ。2019年8月9日閲覧。[リンク切れ]
●孟瑜﹁平安貴族の勤仕の﹁場﹂と装束 : 着替えを中心に﹂﹃広島大学大学院教育学研究科紀要. 第二部文化教育開発関連領域﹄第65巻、広島大学大学院教育学研究科、2016年12月、89-98頁、CRID 1390290699833924224、doi:10.15027/41617、ISSN 13465554、NAID 120005947258、2023年10月4日閲覧。