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道化師 (オペラ)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
道化師
ルッジェーロ・レオンカヴァッロ作曲のヴェリズモ・オペラ
題名原語表記I Pagliacci
劇作家ルッジェーロ・レオンカヴァッロ
初演1892年5月21日 (1892-05-21)
ミラノテアトロ・ダル・ヴェルメ
音楽・音声外部リンク
「道化師」全曲を試聴
Leoncavallo: I Pagliacci(プレイリスト)
Universal Music提供のYouTubeアートトラック
カルロ・ベルゴンツィ(カニオ/パリアッチョ)、ジョーン・カーライル英語版(ネッダ/コロンビーナ)ジュゼッペ・タッデイ(トニオ/タッデーオ)、ウーゴ・ベネッリ英語版(ベッペ/アルレッキーノ)、ロランド・パネライ(シルヴィオ)
ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮ミラノ・スカラ座管弦楽団・合唱団

: Pagliacci18922

[ 1]"Cav and Pag"

[]


189018655

8La Femme de Tabarin, 1887Un Drama Nuevo, 1867

[ 2][1][ 3]

"Il Pagliaccio""I Pagliacci"

主な登場人物[編集]

人物名(役どころ) 劇中劇での役名 声域
カニオ(旅回り一座の座長) パリアッチョ テノール
ネッダ(女優でカニオの妻) コロンビーナ ソプラノ
トニオ(せむしの道化役者) タッデーオ バリトン
ベッペ(色男役者) アルレッキーノ テノール
シルヴィオ(村の青年)  - バリトン
合唱

あらすじ[編集]

前奏曲とプロローグ[編集]

力強い前奏曲に続いて、まだ下りた幕間から舞台で用いる仮面を付けたトニオが登場。舞台の上では道化を演じる我々役者もまた血肉をもち、愛憎を重ねる人間であり、それを想った作曲者は涙してこの曲を作ったのだ、云々との前口上(プロローグ)を述べる[注釈 4]

第1幕[編集]

祭日ということで着飾った村人たちが待ち焦がれる旅回りの一座が、座長カニオを先頭にやってくる。カニオは「今晩23時から![注釈 5] 忘れずに芝居を観に来てくれ」と宣伝し、団員のベッペや村の男たちと居酒屋に繰り出す。他の村人たちは教会の礼拝に向かう中、カニオの妻・ネッダは独り残って自由な生活への憧憬を歌う。彼女に思いを寄せていたせむしの道化役者トニオは、物陰から現れて言い寄るが、手ひどく鞭で打たれ、逃げ出す。入れ違いに村の青年シルヴィオが現れる。実はネッダとシルヴィオは相思相愛の仲で、一座がこの村に寄るたび、逢瀬を重ねていた。2人は駆け落ちの相談を始める。それを発見したトニオは、仕返しの好機とばかりにカニオを呼んでくる。ネッダがシルヴィオに「今夜からずっと、あたしはあんたのもの」と言うのを聞いてカニオはついに逆上、シルヴィオは慌てて逃げ出し、ネッダは情夫の名をカニオに明かすのを拒む。大騒ぎを聞きつけてベッペも戻ってきてカニオを鎮め、芝居の仕度を促す。カニオは、怒りも悲しみも隠して道化芝居を演じ、客を笑わせなければならない役者の悲しみを歌う。

第2幕[編集]

美しい間奏曲の後、村人がお待ちかねの芝居が始まる。ネッダ扮するコロンビーナが恋人アルレッキーノを待ちわびているところへ、下男タッデーオが現れ言い寄るが、あっけなく蹴り飛ばされ退場する。アルレッキーノとコロンビーナがやっと逢引を始めるところに、タッデーオが「パリアッチョが帰ってきた!」と急を告げる。パリアッチョを演ずるカニオは、コロンビーナが逃げ出すアルレッキーノに向かって「今夜からずっと、あたしはあんたのもの」と言うのを聞いて、それが先ほどの現実世界と同じ台詞であることに混乱し、芝居と現実との見境がつかなくなっていく。「情夫の名を言え。おれはもう道化師ではない」と叫ぶカニオの迫真の演技に、村人は拍手喝采する。ネッダは危険を悟り逃げ出そうとするが、カニオは彼女を刺殺し、ネッダを助けようと舞台に上がってきたシルヴィオもまたカニオに殺される。村人たちが大混乱の中、カニオは「芝居はこれでおしまいです」とつぶやき、終幕となる[注釈 6]

ギャラリー[編集]