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研究内容・業績[編集]
●1960年代よりハンス・ケルゼン研究、カール・シュミット研究、および日本憲法学史研究に取り組む。1982年から2年間は佐藤誠三郎の勧めでアメリカに赴き、第二次世界大戦期から占領期にかけての対日政策を研究[2]。その他、マックス・ウェーバー、トマス・ホッブズや、諸子百家等の古代中国思想にも造詣が深い[5]。
●哲学の本質を﹁無知の知を自覚する者による知の探究﹂と捉え、それゆえ法哲学に関しても、実定法学に迎合せず、その前提に問答を仕掛けて﹁無知の知﹂に引き戻すことこそが任務であるとする。
家族・親族[編集]
●父‥長尾郡太。京都帝国大学の右翼団体猶興学会の幹事長、満州国協和会のメンバー[6]。
●妻は工業技術史学者の長尾克子︵1939-2003︶。
受賞・栄典[編集]
●1982年‥サントリー学芸賞︵﹃日本国家思想史研究﹄による︶
●﹃ケルゼンの周辺﹄︵木鐸社、1980年︶
●﹃日本法思想史研究﹄︵創文社、1981年︶
●﹃思想史斜断﹄︵木鐸社、1981年︶
●﹃遠景の法学﹄︵木鐸社、1982年︶
●﹃法哲学入門﹄︵日本評論社、1982年/講談社学術文庫、2007年︶
●﹃日本国家思想史研究﹄︵創文社、1982年︶
●﹃アメリカ知的冒険旅行﹄︵日本評論社、1984年︶
●﹃アメリカ知識人と極東――ラティモアとその時代﹄︵東京大学出版会、1985年︶
●新訂版﹃オーウェン・ラティモア伝﹄︵信山社出版、2000年︶
●﹃大道廃れて――権力と人間に関する諸省察﹄︵木鐸社、1985年︶
●﹃カール・シュミットの死﹄︵木鐸社、1987年︶
●﹃政治的殺人――テロリズムの周辺﹄︵弘文堂、1989年︶
●﹃神と国家と人間と﹄︵弘文堂、1991年︶
●﹃法学に遊ぶ――落語から法哲学へ﹄︵日本評論社、1992年/新版、慈学社、2009年︶
●﹃リヴァイアサン――近代国家の思想と歴史﹄︵講談社学術文庫、1994年︶
●﹃日本憲法思想史﹄︵講談社学術文庫、1996年︶
●﹃思想としての日本憲法史﹄︵信山社出版、1997年︶
●﹃憲法問題入門﹄︵筑摩書房﹇ちくま新書﹈、1997年︶
●﹃法学ことはじめ﹄︵信山社出版、1998年︶
●﹃西洋思想家のアジア﹄︵信山社出版、1998年︶
●﹃文学の中の法﹄︵日本評論社、1998年/新版、慈学社、2006年︶
●﹃争う神々﹄︵信山社出版、1998年︶
●﹃純粋雑学﹄︵信山社出版、1998年︶
●﹃されど、アメリカ﹄︵信山社出版、1999年︶
●﹃法哲学批判﹄︵信山社出版、1999年︶
●﹃ケルゼン研究﹄︵信山社出版、1999年︶
●﹃古代中国思想ノート﹄︵信山社出版、1999年/新版、慈学社、2006年︶
●﹃ケルゼン研究Ⅱ﹄︵信山社出版、2005年︶
●﹃ケルゼン研究Ⅲ﹄︵慈学社、2013年︶
●﹃現代の法哲学者たち﹄︵日本評論社、1987年︶
●﹃穂積八束集﹄︵信山社出版、2001年︶
●編集﹃探求の生涯―長尾克子の軌跡(1939‐2003) ﹄日刊工業出版プロダクション 2004
●﹃カール・シュミット著作集︵1・2︶﹄︵慈学社、2007年︶
共編著[編集]
●︵鵜飼信成︶﹃ハンス・ケルゼン﹄︵東京大学出版会、1974年︶
●︵新正幸・高橋広次︶﹃新ケルゼン研究――ケルゼン生誕百年記念論集﹄︵木鐸社、1981年︶
●︵田中成明︶﹃現代法哲学︵全3巻︶﹄︵東京大学出版会、1983年︶
●︵樺山紘一︶﹃ライブラリ相関社会科学︵1︶ヨーロッパのアイデンティティ﹄︵サイエンス社、1993年︶
●︵河上倫逸︶﹃開かれた社会の哲学――カール・ポパーと現代﹄︵未來社、1994年︶
●︵大石眞・高見勝利︶﹃憲法史の面白さ――対談集﹄︵信山社出版、1998年︶
●カール・シュミット﹃リヴァイアサン――近代国家の生成と挫折﹄︵福村出版、1972年︶
●カール・シュミット﹃現代帝国主義論﹄︵福村出版、1972年︶
●ハンス・ケルゼン﹃自然法論と法実証主義﹄︵木鐸社、1973年︶
●ハンス・ケルゼン﹃ヤハウェとゼウスの正義――古代宗教の法哲学﹄︵木鐸社、1975年︶
●ハンス・ケルゼン﹃社会主義と国家――マルクス主義政治理論の一研究﹄︵木鐸社、1976年︶
●ハンス・ケルゼン﹃法学論﹄︵木鐸社、1977年︶
●ハンス・ケルゼン﹃プラトニック・ラヴ﹄︵木鐸社、1979年︶
●カール・シュミット﹃政治神学再論﹄︵福村出版、1980年︶
●ハンス・ケルゼン﹃ハンス・ケルゼン自伝﹄︵慈学社、2007年︶
●ハンス・ケルゼン﹃純粋法学﹄第二版︵岩波書店、2014年︶
●ハンス・ケルゼン﹃民主主義の本質と価値 他一篇﹄植田俊太郎共訳 岩波文庫 2015
●﹁穗積憲法学雑記﹂﹃法哲学年報︵1969︶﹄︵1970年︶
●﹁西周における人間と社会﹂﹃法哲学年報︵1978︶﹄︵1979年︶
●﹁穂積法理学ノート﹂﹃法哲学年報︵1979︶﹄︵1980年︶
●﹁竹下賢編﹃実践地平の法理論﹄︵昭和堂、一九八四年︶﹂﹃法哲学年報︵1984︶﹄︵1985年︶
●﹁水波朗﹃ホッブズにおける法と国家﹄﹂﹃法哲学年報︵1988︶﹄︵1989年︶
関連人物[編集]
●上原行雄︵兄弟子︶
●菅野喜八郎
●佐藤幸治 (憲法学者)
●純丘曜彰
- ^ 慈学社『法学ことはじめ 新版』あとがき
- ^ a b 講談社学術文庫1801『法哲学入門』あとがき
- ^ 信山社『純粋雑学』あとがき
- ^ 慈学社『法学に遊ぶ 新版』あとがき
- ^ 慈学社『ケルゼン研究Ⅲ』あとがき、『古代中国思想ノート 新版』
- ^ 立花隆の『天皇と東大』(文藝春秋、2005年)による
外部リンク[編集]