高橋みずほ
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髙橋 みずほ︵たかはし みずほ、1957年2月12日 - ︶は歌人。祖父は歌人の髙橋俊人、父は植物育種学者の髙橋成人、夫は歌人の吉野裕之。
経歴[編集]
宮城県仙台市生まれ。仙台市立上杉山中学校、聖ウルスラ学院高等学校を経て、東北学院大学文学部史学科卒業。多賀城跡調査研究所、東北大学工学部附属材料強度研究施設に勤務[1]。 1987年、歌誌﹁個性﹂に入会し、加藤克巳[2]に師事︵2004年、﹁個性﹂終刊︶。1994年、第一歌集﹃凸﹄を刊行。2002年、今井恵子、吉野裕之と短歌ユニット﹇BLEND﹈を始動。雑誌﹇BLEND﹈を第10号まで発行し、2007年、解散。その後、結社や同人誌などに拠らず、無所属で活動。 横浜歌人会運営委員[3]を務めている。作風[編集]
﹁塊を広げつつもちつき虫は木立の夕日を突きにゆく﹂︵﹃フルヘッヘンド﹄所収︶、﹁田の空の向こうの端をバスがゆくひと掻きふた掻き水すまし﹂︵﹃㐭﹄︵㐭は亠に回‥りん︶所収︶、﹁とおくの森から鳴くように山鳩の胸深いふくらみ﹂︵﹃しろうるり﹄所収︶など、五七五七七とは異なる独特の音数律の作品が特徴[4]。著書[編集]
単書[編集]
- 歌集『凸』(序:加藤克巳) 沖積舎、1994年
- 選集『セレクション歌人18 髙橋みずほ集』(解説:谷岡亜紀) 邑書林、2006年
- 歌集『フルヘッヘンド』(栞:針生一郎) 砂子屋書房、2006年
- 歌集『㐭』(㐭は亠に回:りん) 砂子屋書房、2007年
- 歌集『しろうるり』 邑書林、2008年
- 歌集『春の輪』 沖積舎、2012年
- 歌集『坂となる道』 沖積舎、2013年
- 歌集『ゆめの種』 沖積舎、2015年
- 歌集『白い田』 六花書林、2018年
- 選集『高橋みずほ歌集 現代短歌文庫』 砂子屋書房、2019年
- 歌集『ひとふりの尾に立てる』 砂子屋書房、2020年
- 歌集『野にある』 現代短歌社、2022年
共著[編集]
- 『加藤克巳作品研究』 風心社、2003年
アンソロジー[編集]
- 『〔同時代〕としての女性短歌』 河出書房新社、1992年
- 『現代短歌の新しい風』 ながらみ書房、1995年
- 『横浜歌枕集成・新版』 短歌新聞社、2000年
- 『横浜の歌人たちⅢ』 横浜歌人会、2005年
- 『アンソロジー横浜2009』 六花書林、2009年
脚注[編集]
(一)^ 東北学院同窓会報 vol.22
(二)^ 加藤克巳は旧制浦和中学校在学中に、髙橋の祖父で、歌誌﹁菁藻﹂を主宰していた髙橋俊人のもとで短歌を作り始める︵髙橋みずほ ﹁壁の﹁だるま﹂-少年克巳の手紙から﹂﹃合歓﹄第42号、2008年10月。︶。つまり、自身の祖父の孫弟子になる。
(三)^ “会員&役員”. 横浜歌人会. 2015年2月3日閲覧。
(四)^ たとえば、谷岡亜紀は﹁個々の作品に流れる均一な時間を分断し再編し、文体自体に一回性の手触りを与える作業と捉えられる﹂と述べ、﹁一回性の文体で一回性の現実を掬い取ろうとするところに、作者のねらいがあるだろう﹂と述べている︵谷岡亜紀 ﹁認識論としての歌﹂﹃セレクション歌人18髙橋みずほ集﹄ 邑書林、2006年。︶。また、髙橋自身は、﹁定型という器に人をかたどる言葉の無限を追求している﹂と語っている︵﹁プロフィール﹂﹃蓑虫の揺れ﹄︶。