黒川春村

黒川春村︵くろかわはるむら、寛政11年6月9日︵1799年 7月11日︶ - 慶応2年12月26日︵1867年 1月31日︶︶は、江戸時代末期の江戸の国学者にして歌人。

略歴[編集]

通称は勘吉、治平、次郎左衛門、名は主水。薄斎、芳蘭、葵園など、多数の号を用いた。江戸・浅草田原町の陶器商の子として生まれるが、家業を継がず2世浅草庵に狂歌を学び、3世浅草庵を継いだ。後に和歌に転じて国学へと発展した。狩谷棭斎に国学や考証学を学び、また本居宣長からも影響を受けた。博識で特に音韻、考証学に優れており古美術にも通じていた。伴信友、清水浜臣、岸本由豆流、内藤広前などと交流が深かった。また、信州高井郡の須坂藩主堀直格とも知己の間柄であり、共に学問の考究を補助した。春村は直格の著作に序文を寄せている。慶応2年︵1866年︶没、68歳。四人の実子がいたが、そのいずれも嫁いだり、他家に養子に入ったため、弟子の黒川真頼︵旧姓金子︶を養子に迎えて黒川家を継がせだ。夥しい量の著作を書き上げたが、その内出版されたものはごく僅かであった。主な著書に﹃音韻考証﹄等がある。墓所は浅草の永見寺。

学問[編集]

著書[編集]

●﹃音韻考証﹄ ●黒川春村著ほか﹃並山日記7巻﹄1,江戸末期,写, 国立国会図書館デジタルコレクション ●黒川春村著ほか﹃並山日記7巻﹄2,江戸末期,写, 国立国会図書館デジタルコレクション ●黒川春村著ほか﹃並山日記7巻﹄3,江戸末期,写, 国立国会図書館デジタルコレクション ●黒川春村著ほか﹃並山日記7巻﹄4,江戸末期,写, 国立国会図書館デジタルコレクション ●黒川春村著ほか﹃並山日記7巻﹄5,江戸末期,写, 国立国会図書館デジタルコレクション ●黒川春村著ほか﹃並山日記7巻﹄6,江戸末期,写, 国立国会図書館デジタルコレクション ●黒川春村著ほか﹃並山日記7巻﹄7,江戸末期,写, 国立国会図書館デジタルコレクション嘉永3年︵1850年︶刊行。江戸から甲州道中を旅し甲斐国に至り、身延詣を経て東海道から箱根を経て江戸に帰るまでの紀行文。道中では旧家・古寺社を訪ね文化財の調査も行っており、﹃甲斐国志﹄等の文献を引用した考証を行っているほか、彩色図を数多く掲載している。写本は﹁若尾資料﹂﹁甲州文庫﹂本︵ともに山梨県立博物館所蔵︶など。翻刻は﹃甲斐志料集成﹄︵第3巻、1981︶がある。 ●黒川春村﹃碩鼠漫筆﹄1,写. 国立国会図書館デジタルコレクション ●黒川春村﹃碩鼠漫筆﹄2,写. 国立国会図書館デジタルコレクション ●黒川春村﹃碩鼠漫筆﹄3,写. 国立国会図書館デジタルコレクション ●黒川春村﹃碩鼠漫筆﹄4,写. 国立国会図書館デジタルコレクション ●黒川春村﹃碩鼠漫筆﹄5,写. 国立国会図書館デジタルコレクション ●黒川春村﹃碩鼠漫筆﹄6,写. 国立国会図書館デジタルコレクション ●黒川春村﹃碩鼠漫筆﹄7,写. 国立国会図書館デジタルコレクション

参考文献[編集]

中根粛治編『慶長以来諸家著述目録　和学家之部』（1893年、青山堂支店）^[1]
柳巷名物誌 - 黒川春村／新日本古典籍総合データベース

脚注[編集]

^ 関隆治・編『國学者著述綜覧』森北書店、1943年、88p頁。

[1] 関隆治・編『國学者著述綜覧』森北書店、1943年、88p頁。

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略歴[編集]

学問[編集]

著書[編集]

参考文献[編集]

関連項目[編集]

脚注[編集]