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アメリカの理論経済学者。ニューヨークに生まれ,ニューヨーク市立大学,コロンビア大学卒(1951年同大Ph.D.)。シカゴ大学,スタンフォード大学,ハーバード大学を経て,1979年以降スタンフォード大学教授。一般均衡理論,資源配分機構と組織の経済学,社会的選択理論,危険・不確実性および情報の経済学,オペレーションズリサーチ,非線形計画理論,公共投資の理論など,数多くの領域において膨大かつ本質的な業績を上げている。競争的一般均衡の存在・安定・最適性,民主的な社会的選択機構の一般的存在不可能性などに関する重要な研究に対してノーベル経済学賞受賞(1972)。主著として,《社会的選択と個人的評価》(1951),《一般均衡分析》(F.H. ハーンとの共著,1971),《組織の限界》(1974)がある。
執筆者:鈴村 興太郎
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…ところでこのルールは,各個人が矛盾のない判断を表明していても,それらを集計した社会的判断が循環的矛盾を生むという〈投票のパラドックス〉の可能性を含むという事実が,古くフランスの啓蒙思想家M.J.A.N.deコンドルセにより発見された。社会的選択理論における古典的成果とされるK.J.アローの一般可能性定理general possibility theoremは,このようなパラドックスは単純多数決ルールにのみ固有の欠陥ではなく,実は民主的な集計ルール一般が避けえない難点であるということを論証したものである。さらにまた,いかなる集計ルールであれ,個人による虚偽の判断表明によりその個人の利益になるように操作される可能性をつねに潜めているという事実も,一般的な論証を受けている。…
※「アロー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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