ハンザ同盟(読み)ハンザドウメイ(英語表記)Hanse

デジタル大辞泉 「ハンザ同盟」の意味・読み・例文・類語

ハンザ‐どうめい【ハンザ同盟】

《〈ドイツ〉Hansaは集団の意》13世紀から16世紀にかけて北欧の商業圏を支配した北ドイツの都市同盟リューベックハンブルクなど北海バルト海沿岸の諸都市が結成。商業上の共同利益の保全、海上交通の安全保障、共同防衛などを目的とし、最盛期の14世紀後半には70を超える都市が参加した。

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精選版 日本国語大辞典 「ハンザ同盟」の意味・読み・例文・類語

ハンザ‐どうめい【ハンザ同盟】

 

(一)( Hansa ) 
 

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改訂新版 世界大百科事典 「ハンザ同盟」の意味・わかりやすい解説

ハンザ同盟 (ハンザどうめい)
Hanse


1317︿︿︿︿131︿︿︿

 貿西貿貿︿1241259313

 14152001370

 貿貿貿貿西貿貿

 15貿14941598退


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百科事典マイペディア 「ハンザ同盟」の意味・わかりやすい解説

ハンザ同盟【ハンザどうめい】

 
1317沿HanseHansa︿12411415200貿15退16
 

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ハンザ同盟」の意味・わかりやすい解説

ハンザ同盟
はんざどうめい


Deutsche Hanse (Hansa)Hanse貿使


商人ハンザ

ロンドンには、すでに11世紀中葉、ケルンの商人が組合の集合所をもっており、12世紀中葉にはハンブルクの商人、リューベックの商人も組合結成を認められ、これら本国都市ごとの組合が合体して、ロンドンにおけるドイツ人ハンザが形成された。この種の商人ハンザの拠点はロンドンに限られなかった。リューベックの建設(1158)に始まる東ドイツ植民運動の進展の結果、バルト海沿岸に多数の商業都市が建設され、バルト海を中心に北欧商業圏が形成されたが、それに伴い、ノブゴロド、ベルゲン、ブリュージュなどにも、商人ハンザの重要拠点が設けられ、ハンザ商館Kontorとよばれた。

 最初北欧商業圏の指導権を握ったのは、ゴトランド島ビスビーを拠点に活躍したゴトランド商人であったが、13世紀末よりリューベックの商人がその地位を奪い、後のハンザ同盟の盟主となる地歩を築いた。

[平城照介]

都市ハンザ

都市ハンザ、つまりハンザ商人たちの本国都市間の同盟としてのハンザ同盟は、この商人ハンザから生まれた。すでに13世紀中葉より、いくつかの都市間に個別的同盟が結ばれる事態が認められたが、1356~58年、ブリュージュの商館を拠点とするハンザ商人と、フランドル地方の在地商人との争いが激化し、ハンザ商人が本国都市に援助を求めてきた事件を契機に、リューベックの提唱によるハンザ諸都市の会議が開かれて(ハンザ総会の起源)、「ドイツ・ハンザの諸都市」の名のもとに対フランドル経済封鎖が宣言され、1366年には、外地における商業特権の享受がドイツ・ハンザ加盟都市の市民に限られることが確認されて、ドイツ・ハンザの都市同盟としての性格が明確となった。

[平城照介]

同盟形態

ハンザ同盟内の結合は比較的緩く、加盟都市の代表で構成されるハンザ総会で重要な決定がなされ、また、のちになると加盟都市の分担金の制度がつくられたが、成文化された同盟規約も、恒常的執行機関も存在せず、加盟都市の公式リストさえ一度も作成されなかったので、加盟都市の範囲すらさだかでない。同盟の中核となったのは約70の都市であり、ほかに130ほどの都市が緩い形でこれに加わっていたといわれる。都市以外にドイツ騎士団も加盟していた。

[平城照介]

消滅

中世末・近世初頭、イギリスはじめ強力化し始めた国民国家が、重商主義的政策をとり始め、とくにオランダの商業資本がバルト海貿易に進出し、指導権を奪った結果、ハンザ同盟は急速に衰退し、加盟都市も激減した。1669年の最後のハンザ総会に出席したのは、リューベック、ハンブルク、ブレーメンのほかは、わずかに三都市(ケルン、ブラウンシュワイクダンツィヒ)を数えるにすぎなかった。リューベック、ハンブルクおよびブレーメンは、すでに1630年以降緊密な相互援助同盟を結成しており、ハンザ同盟消滅後も、19世紀に至るまで、ハンザ都市の伝統を維持し続けた。第二次世界大戦後の「ドイツ連邦共和国」(旧西ドイツ)においても、ハンブルクとブレーメンの二都市は、他の七州(ラント)と同格の連邦構成員となっている。

[平城照介]

『増田四郎著『独逸中世史の研究』(1951・勁草書房)』『高村象平著『西欧中世都市の研究Ⅱ ハンザの経済史的研究』(1980・筑摩書房)』『高橋理著『ハンザ同盟』(1980・教育社)』

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ハンザ同盟」の意味・わかりやすい解説

ハンザ同盟
ハンザどうめい
Der Hansabund; Die Deutsche Hanse

 
沿11沿貿12 135814貿 (136870) 15貿退 1669  

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「ハンザ同盟」の解説

ハンザ同盟(ハンザどうめい)
Hanse[ドイツ],Hansa[英]


︿Deutsche Hanse100()()1358(70)退17

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旺文社世界史事典 三訂版 「ハンザ同盟」の解説

ハンザ同盟
ハンザどうめい
Deutsche Hansa

 
1213沿
1314100西15退17  

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世界大百科事典(旧版)内のハンザ同盟の言及

【海賊】より

…バイキングの海賊としての脅威は11世紀中に鳴りをひそめ,代わって12世紀にはスラブ人の海賊がバルト海を席巻した。13世紀になってスラブ海賊を追放したのはハンザ同盟である。ハンザ同盟は14世紀から15世紀にかけてその最盛期に入り,加盟都市もバルト海から北海沿岸にまで広がった。…

【毛皮】より

…13~15世紀を通じて,ロシア毛皮はハンザ商人によるバルト海貿易の主たる取引品目であり,ノブゴロドにあるハンザ商館からドイツ諸都市やフランドルに搬出された毛皮(とくにリス毛皮)は毎年数十万枚に達した。ノブゴロドがハンザ同盟との交易の窓口だったのに対し,同時期のモスクワはタナ,カッファ,スダクなど黒海沿岸のイタリア植民都市を通じて地中海地域や東方諸国に輸出した。14~15世紀のモスクワとノブゴロドがドビナやペチョラなど北部地方の支配権をめぐって争ったのは,北部ロシアが当時の最も豊かな毛皮産地だったからである。…

【交通】より

…船はマストの数を増やし,四角や三角の帆を用いた。北海およびバルト海沿岸の交易都市が提携したハンザ同盟のにぎわいも,中世後期のイギリス経済の発展も,ともに航海技術の発達によるところが大きい。サンタ・マリア号によるコロンブスの新大陸発見(1492),バスコ・ダ・ガマによる喜望峰回りのインド洋横断(1497‐99),マゼラン一行による世界周航(1519‐22)によって,大型帆船は大航海時代の主役となった。…

【ゴトランド[島]】より

…ゴトランド商業は,12世紀ザクセンのハインリヒ獅子公(リューベックの建設者)と結び,ノブゴロドに商館をもつことで全盛を迎える。リューベック領域の自由通過権をうることによってドイツ,北海地方,イングランド,ノルウェーとの交易がなされ,他方リューベックをはじめとするハンザ同盟の商人もゴトランドの都市ビスビューを訪れた。12世紀末にはドイツ教会が建設された。…

【商業】より

…市による商業の中心は東方へ移動し,フランクフルト,ネルトリンゲン,リンツなどにおいて盛んとなった。一方,北ヨーロッパにおいては,13,14世紀にハンザ同盟に所属する都市の商人の活動が活発化し,バルト海からフランドル,イングランドへ穀物,木材,毛皮,蠟,ニシンなどを運び,逆に東方へ毛織物,塩,ブドウ酒を輸送した。リューベックがその中心であった。…

【都市】より


()

【バルト海】より

…北欧では東海Østersjønと呼ぶ。北の地中海にあたり,古代バルト文明,中世のバイキング東征やハンザ同盟通商の舞台となった。約1万~1万5000年前にスカンジナビア氷床の縁がこの海域にあり,北の硬い楯状地と南の若い堆積岩の境界部が深く削られてこの海盆ができ,その頃はストックホルムとイェーテボリを結ぶ低地で北海と連なり,カテガット海峡は閉じていた。…

【ベルゲン】より


 10703︿14

【ボストン】より


13貿1545退

【リューベック】より

…造船業など重工業の一中心地。中世にはハンザ同盟の盟主として繁栄し,旧ドイツ帝国内ではケルンと並ぶ大都市であった。ケルンなどローマ時代以来の歴史を有する西方都市とは異なり,中世における東部植民の進展に応じて建設された比較的歴史の浅い都市である。…

※「ハンザ同盟」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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