デジタル大辞泉 「其の物」の意味・読み・例文・類語 その‐もの【×其の物】 1いま問題になっている事物。当のもの。﹁其の物ずばりの形容﹂ 2 名詞または形容動詞の語幹の下に付けて、上の語の意味を強調する気持ちを表す語。まぎれもなくそのようであること。それ自身。﹁善人其の物﹂﹁元気其の物﹂ 3 取り立てて言うようなもの。 ﹁―ともなけれど、宿り木といふ名、いとあはれなり﹂︿能因本枕・四七﹀ [類語]本に・本当・まことに・実に・真に・全く・まさに・まさしく・ひとえに・切(せつ)・げに・現に・ほとほと・すっかり・つくづく・全く以て・何とも・実以て・真実・真個・真正・正(しょ)真(うしん)・事実・実際・紛れもない・他ならない・有りのまま・現実・神(しん)以て・神(かみ)掛けて・ほんま・正真正銘・いかにも 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「其の物」の意味・読み・例文・類語 その‐もの【其物・其者】 (一)〘 名詞 〙 (二)① そのようなもの。とりたてていうほどのもの。 (一)[初出の実例]﹁そのものとなけれど、やどり木といふ名、いとあはれなり﹂(出典‥枕草子︵10C終︶四〇) (三)② ( 上にくる語の意味を強めるのに用いる ) 他の何ものでもない、まさしくそれ自身。その物自身。その人自身。 (一)[初出の実例]﹁当世堪能の其者なくして、道すたれゆくことをなげく﹂(出典‥五音十体︵1456︶) (四)③ 当面問題になっている、その当のもの。 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例