ある市場あるいは産業において、新たな企業が生産設備を建設し、その市場または産業に生産量の新規の拡大をもたらすこと。新企業が、既存の企業から生産設備を取得して操業する場合、つまり、現存する生産設備の所有権がただ変更される場合は参入とはよばない。参入の対語は退出exitである。
正常利潤(経営者としての職能や危険の負担などに対する報酬として受け取る企業家の利潤)以上の利潤、つまり超過利潤をもたらすような価格が成立していると、その産業への新企業の参入がみられる。参入に対してまったく障壁がないケースを自由参入free entryといい、完全競争の世界でみられる。しかし、現実には参入障壁barriers to entryがなんらかの理由で存在するのが普通であり、寡占においてはとくにそうである。
[内島敏之]
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