国有化(読み)こくゆうか(英語表記)nationalization 英語

精選版 日本国語大辞典 「国有化」の意味・読み・例文・類語

こくゆう‐かコクイウクヮ【国有化】

  1. 〘 名詞 〙 国内にある財産を、国家へ移転させること。国際法では特に、外国人の財産に対して行なう強制的な移転をいう。
    1. [初出の実例]「イランの石油国有化を不当と認め」(出典:日本のむこ殿(1955)〈読売新聞社会部〉石油)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「国有化」の意味・わかりやすい解説

国有化
こくゆうか
nationalization 英語
Nationalisierung ドイツ語
национализация/natsionalizatsiya ロシア語

私有財産をはじめとする非国有財産を国家の所有と管理に移すこと。国有企業の新規建設は、この意味での国有化ではないが、産業に占める国有企業の比重を高めるという意味での産業国有化に貢献する。国有化の対象となる財産には、土地、地下埋蔵物、森林、河海湖沼のほか、諸産業部門の企業、金融機関なども含まれる。国有化は資本主義的国有化と社会主義的国有化とに大別できる。

[西村可明]

資本主義的国有化




 

(1)

(2)

(3)

 便

西

社会主義的国有化




 19171918191940

 ()19501968

西

197519771978西1986

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改訂新版 世界大百科事典 「国有化」の意味・わかりやすい解説

国有化 (こくゆうか)
nationalization




 

 ︿西BL

 

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「国有化」の意味・わかりやすい解説

国有化
こくゆうか
nationalization

国が産業を,国により所有され,経営される事業体にすること。国内の企業を国有化する場合と,その国に進出してきている外国企業を国有化する場合がある。 (1) 国有化政策 基幹産業や資源を国有化することによって,国民経済の計画的制御に役立てようとする政策。一般に国有化の進展と社会主義化とは同義であるが,産業の国有化は資本主義の初期段階にもみられる政策であり,現在多くの資本主義諸国は,社会主義的要素もそなえた混合経済体制といえる。したがって国有化の範囲と方法については,多様な立場と見解がある。 (2) 国際企業の国有化 国内にある外国企業ないし外国人財産の国有化に際しては国際法上,国有化する国家は一定の条件に従い,かつ合理的な程度の補償を行う国際責任があるものとされている。

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「国有化」の解説

国有化(こくゆうか)

十月革命で成立したソヴィエト政権は土地の国有化(1917年11月),銀行の国有化(同12月),大規模工業の国有化(18年6月),中小工場の国有化(20年11月)を実施した。第二次世界大戦後には,イギリスなどで社会民主主義政権のもとでも重要産業の国有化がなされた。

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世界大百科事典(旧版)内の国有化の言及

【カントリー・リスク】より

…主として海外投融資や貿易取引に付随するリスクをいうが,その意味内容としては,事業計画の妥当性にかかわるリスク(プロジェクト・リスク),取引相手先の信頼性にかかわるリスク(プライベート・リスク),為替リスクなどに該当しない取引相手国にかかわるリスクの総称として使われている。また,カントリー・リスクは,取引相手先の所属する国の外貨資金繰り悪化から対外債務履行が不可能になるリスク(ソブリン・リスクsovereign risk),投融資相手国政府の政策変更による国有化のリスク,そして相手国における革命,内乱,戦争など非常事態の発生によって通常の企業経営や貿易取引が困難となる非常危険リスクの三つに分類できる。 カントリー・リスクは相手国全体の状況変化から生ずるリスクであるが,相当に異質なリスクの集合概念である。…

※「国有化」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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