多国籍企業(読み)タコクセキキギョウ(英語表記)multinational enterprise (corporation)

デジタル大辞泉 「多国籍企業」の意味・読み・例文・類語

たこくせき‐きぎょう〔‐キゲフ〕【多国籍企業】

2か国以上の国に生産・販売拠点を所有または支配して、世界的規模で活動する巨大企業。

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精選版 日本国語大辞典 「多国籍企業」の意味・読み・例文・類語

たこくせき‐きぎょう‥キゲフ【多国籍企業】

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] multinational enterprise (corporation) の訳語 ) 複数の外国に生産・販売の拠点をもち、巨大な資本を投じて世界的な規模で活動する大型国際企業。多国籍会社。
    1. [初出の実例]「わが吉里吉里国は無税国だ。そこへ多国籍企業のひとつであるITTが目ばつけたのだ」(出典:吉里吉里人(1981)〈井上ひさし〉一二)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「多国籍企業」の意味・わかりやすい解説

多国籍企業
たこくせききぎょう
multinational enterprise (corporation)

1950年代後半以降、アメリカ対外直接投資が急増し、アメリカ巨大企業のほとんどが単にその製品を海外で販売するだけでなく、いくつかの外国に生産拠点をもち、かなりの比率の在外生産を行うようになったが、多国籍企業問題が脚光を浴びるようになったのは、そのような状況を背景としていた。

[佐藤定幸]

多国籍企業の誕生


TVAD調1963420

 


アメリカ企業の多国籍化


19461231930152()195019461231960445197096519852303194619708193010919557319703.51192914.8196034.0197041.3192942.2196042.6197035.8192918.0195014.8196021.0197031.3198545.7

 1957ECEC1967159


国際経済関係の緊密化


退貿

 1950西西西1960西西1970西


日本企業の多国籍化


1950196019701970

 貿

 EU貿貿22GNP


多国籍企業化の現段階


19701980西1989

 1990


国際金融危機と多国籍企業


200815841002021西

 ()()20094113()

多国籍企業の規制




 19531973ITT()()1974553197212183016

 便multinational enterprisetransnational enterprise



1984CP19711976RR19751972貿

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改訂新版 世界大百科事典 「多国籍企業」の意味・わかりやすい解説

多国籍企業 (たこくせききぎょう)
multi-national corporation
trans-national corporation


MNCTNC︿1972461IBM1960D.H.使

219502

 

 

退調code of conducts

 調2

1960198085ASEAN

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百科事典マイペディア 「多国籍企業」の意味・わかりやすい解説

多国籍企業【たこくせききぎょう】

 
IBM
NGO貿  

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「多国籍企業」の意味・わかりやすい解説

多国籍企業
たこくせききぎょう
multinational corporation; MNC

多数の国家に生産のための現地法人を設立し,世界的な事業活動を展開する巨大企業。超国家企業 transnational corporation TNC,世界企業 world enterpriseともいう。資本自由化とともに日本に対する多国籍企業の進出がみられる反面,日本企業の多国籍化も進んでいる。 1974年に設立された国連多国籍企業委員会では,「本拠のある国以外で生産またはサービスの設備を所有もしくは支配している企業」を多国籍企業とした。また,日本生産性本部は多国籍企業の目安として,(1) 売上規模で全世界上位 500社以内に入る,(2) 海外生産子会社を5社以上もつ,の2点をあげている。多国籍企業の海外直接投資は,投資国,被投資国間の利害紛争の一因となっている。

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知恵蔵 「多国籍企業」の解説

多国籍企業

複数の国家にまたがって、製品市場、工場、研究開発(R&D)部門などを持ち、世界的視野で意思決定を行う企業のこと。単なる貿易ではなく、事業そのものの拠点を海外に持つ。管理の面からは2種類ある。1つは海外の子会社に自主的な経営権を与え、分権的管理を行うもの。もう1つは、各国の事業部門の子会社の経営についても、本社が世界的視野の下で統一的に統制し経営意思を決定するもの。コスト的に最も有利な場所で原材料を調達し、生産を行い、高く売れる所で販売し、優秀な研究者の多い国で研究開発する。

(高橋宏幸 中央大学教授 / 2007年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

山川 世界史小辞典 改訂新版 「多国籍企業」の解説

多国籍企業(たこくせききぎょう)
multinational corporations

複数の国家に工場や研究開発(R&D)拠点を持ち,世界的規模で生産・販売活動,技術開発などを展開し,世界的視野で意思決定を行う企業。国際的企業は決して新しいものではないが,大規模な資本投資を行い,複数の国々で事業活動を展開し,国際社会に影響を及ぼす国際的行為主体として認知されるようになったのは1960年代以降のことである。

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世界大百科事典(旧版)内の多国籍企業の言及

【ILO】より

…いうまでもなく三者構成の仕組みは,労働組合と使用者団体が政府から真に独立した存在であることが前提になるからである。多国籍企業問題を60年代にいちはやく取り上げたILOが〈多国籍企業と社会政策に関する原則の三者宣言〉(1977)は出したものの,肝心の条約化にまで進められない理由はこの点にある。またこの新しい事態に対応するため63年の総会は機構改革に着手したが,いまだに審議中である。…

【グローバリゼーション】より


 198024()()1()

【国際政治学】より


 (MNC)33(IGO)(MNC)(INGO)

【植民地】より

… しかしながらその一方では,政治的独立後も旧本国との経済的従属関係を持続している〈新植民地〉も多数存在している。このことは,もはや現在の世界システムにおいては,植民地化という政治的従属関係は,周辺部側の抵抗力の増大もあって維持しにくくなったこと,多国籍企業に代表されるように経済的従属関係のほうがより重要な意味をもつようになったことを意味する。もっとも,近年の中東,中米やカリブ海諸国(とりわけ1983年のアメリカのグレナダ侵攻)においてみられるように,直接的な軍事力の行使という支配手段もけっして古典的となったわけではない。…

【タックス・ヘイブン】より


 

【直接投資】より


()direct foreign investment︿︿1960

【トランスナショナリズム】より


貿貿() (︿)︿︿

※「多国籍企業」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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