日本大百科全書(ニッポニカ) 「太陽」の意味・わかりやすい解説
太陽(天体)
たいよう
sun 英語
soleil フランス語
Sonne ドイツ語
太陽とは
太陽の基本定数
太陽の誕生
成長
誕生したばかりの太陽は現在より活動的であったと考えられている。現在おうし座T型星が示しているように爆発的現象が数多くおこり、強い太陽風が吹いていたようだ。自転速度も、現在は27日で1回転しているが、誕生から約5億年後には、わずか9日で1回転していたと考えられる。自転が速いためダイナモ作用が働いて強い磁場をつくりだし、磁場のエネルギーが解放される激しい活動現象がおこったのかもしれない。あるいは誕生した太陽に向かって、まだ残っているガス雲が落ち込み、その重力エネルギーのために活動現象が生じたかもしれない。このような初期の活動の痕跡(こんせき)が、月の古い岩石や隕石(いんせき)、小惑星中に残されている可能性も考えられるが、現在までみつかっていない。初期の太陽風は非常に強く、太陽の角運動量を持ち去り、そのために自転速度がしだいに遅くなり、現在のような比較的安定した太陽となったと考えられている。
太陽の中心核では、時がたつにしたがって燃料である水素がしだいに少なくなり、燃えかすであるヘリウムがたまってくる。核融合反応で水素4個がヘリウム1個になり、粒子の個数が減るので圧力が減少する傾向になるが、中心核は周りから押しつぶされないように温度が上昇して圧力の減少を防ぐ。中心核が高温になると核融合反応が盛んになり、太陽は全体として明るくなる。いまから50億年後、明るい太陽に照らされる地球は、北極・南極の氷が融(と)け、海面は数十メートル上昇するという説もある。
[日江井榮二郎]
終末
われわれにとっての1年は、地球が太陽の周りを1回公転する時間であり、年齢は公転した回数である。たとえば20歳の青年は、太陽の周りを20回まわったことになる。これとの類似で、太陽が銀河系を1回転するのを太陽にとっての1年=1銀河年とよぶとすると、太陽は誕生以来、23回余り銀河系を回っている。年齢でいえば太陽は23歳の青年に相当する。太陽の寿命は約100億年と考えられ、1回転には約2億年かかるので、50回銀河系を回ると死を迎える。
いまから50億年後には中心核はほとんどヘリウムに変わり、ヘリウムの芯(しん)を囲む殻の水素が燃えて全体が膨張する。明るさはいまの500倍になり、半径は100倍にも膨れ、水星の軌道をのみ込むほどになる。表面温度は4000K(ケルビン)ぐらいに下がり、赤色巨星になる。地球は巨大な太陽に照らされて煮えたぎるであろう。ヘリウムの中心核は重力で収縮し、その結果温度が1億Kの高温になる。するとヘリウムの核融合反応がおこり炭素がつくられ、爆発的に燃え出して、太陽ガスの何割かを宇宙空間に吹き飛ばすようになる。やがてヘリウムが燃え尽きると、次の燃料である炭素に火がつき、さらに核融合反応が続き、酸素や窒素がつくられる。太陽はますます高温になって膨張し、外側大気の多量のガスを放出して惑星状星雲になり、その中心星は白色矮星(わいせい)となる。これもやがては光を失って生涯を閉じる。
[日江井榮二郎]
宇宙における太陽の位置
宇宙には、数千億個の恒星と、星間ガスや星雲塵からなる銀河が、平均200万光年(1光年=9兆4600億キロメートル)の距離を置いて存在していると考えられている。そのなかの一つがわれわれの銀河系である。銀河系は直径約10万光年、厚さは中心部では1万5000光年、端では数千光年という円盤状をしている。銀河系は渦状腕(かじょうわん)(スパイラルアーム)をもっている。太陽は銀河系中心から2.8万光年離れていて、渦状腕に位置している。銀河系は全体として回転し、太陽の位置では秒速220キロメートルの速さで回っている。
[日江井榮二郎]
太陽と他の恒星
恒星の本当の明るさを比較する目安である絶対等級は、マイナス6等からプラス16等ぐらいに分布しているが、太陽はプラス4.82等で、およそ中くらいの明るさである。恒星の有効温度も高温の4万5000K(ケルビン)から低温の3000Kにわたっているが、太陽は5777Kで中ぐらいである。質量については、他の恒星が太陽の数十分の1から数十倍に分布し、半径は約10分の1から数百倍に分布する。これらの点からみても、太陽は夜空に見える多くの恒星のなかでごく普通の星といえる。
太陽にもっとも近い恒星はケンタウルス座のプロキシマ星で、4.3光年の距離にある。太陽は、多くの恒星とともに銀河回転の運動をしているが、しかし近傍の星に対しては、ヘルクレス座の1点に向かって秒速20キロメートルの速さで、太陽系の天体を引き連れて動いている。太陽の動いていく方向を太陽向点、その逆方向を太陽背点という。
[日江井榮二郎]
太陽系の中心としての太陽
太陽の内部の構造
太陽の内部は見ることができない。しかし日震学や恒星内部構造論の研究により、またニュートリノの観測により、その内部構造を推定することができるようになった。
太陽の中心部には、核融合反応を行っている太陽のエネルギー源があり、中心核とよばれる。中心核は太陽中心から20万キロメートルの範囲であり、その外側に厚さ30万キロメートルの放射層、さらにその外側に厚さ20万キロメートルの対流層、その外側に厚さわずか500キロメートルの光球があり、これの上層には、彩層やコロナが存在している。
[日江井榮二郎]
中心核
太陽は巨大なガスのかたまりであり、全体のガスは強い重力により中心に引きつけられている。太陽の平均密度は1立方センチメートル当り1.41グラムである。太陽の中心はこの物質の重さで押し付けられているので、この重さを支えるために、中心部の圧力は2400億気圧という高圧になっている。中心部の密度は1立方センチメートル当り156グラムで、鉄の20倍であり、温度は1600万K(ケルビン)という高温である。このような高温下においては、原子は原子核と電子とに分かれてしまう。原子は約1億分の1センチメートルという大きさであるが、原子核はそれよりもさらに5万分の1ほど小さく、原子核ばかりを詰め込むと、原子を詰め込むよりも100兆倍も高密度のものがつくられることになる。密度が1立方センチメートル当り156グラムという状態は高密度ではあるが、原子核にとってはまだ自由に飛び回る空間があり、ガスの状態にあるといえる。
[日江井榮二郎]
太陽のエネルギー源
太陽ニュートリノ
中心核での核融合反応の際にニュートリノが放出され、太陽の内部を通り抜けて地球まで直接飛んでくる。毎秒1平方センチメートル当り1300億個のニュートリノが地上に到達している。
太陽ニュートリノは、岐阜県神岡鉱山の地下1000メートルの深さにあるスーパーカミオカンデとよばれる装置で観測されている。これは直径39.3メートル、高さ41.4メートルの円筒形タンクに超純水5万トンを蓄え、1万1129本の大型光電子増倍管を備えたものである。ニュートリノがここに飛び込むと水と反応して荷電粒子が高速でたたきだされ、この粒子が高速で走るときに発生するチェレンコフ光を検出している。ニュートリノは他の物質と反応をおこすことはきわめてまれなので、多量の水が必要となる。
[日江井榮二郎]
放射層
対流層
太陽大気
光球
太陽はガス体であるので、地球表面のようなはっきりした表面があるわけではないし、奥深くは、見通すガスの吸収量が多くなるため、表面から約500キロメートルの深さまでしか見えない。この球殻状の大気を光球という。光球の底では約7000K(ケルビン)であるが、表面の温度は4400Kとなる。太陽面の明るさは中央部に比べて縁はやや暗い。この現象を周辺減光という。縁では大気層を斜めに見るから、より表面に近いところを見る。表面近くの温度の低い層を見るので暗く見えるのである。光球のガスは、中性水素原子や、それが電離した陽子ならびに、電子が飛び回っている。しかし、中性水素に電子が一緒になった負水素イオンも存在する。光球のガスは太陽内部の光を吸収し、そして放射をして光球の輝きを保つ。その役割は負水素が担っているのである。負水素の存在は1929年にベーテによって理論的に予想されていた。
[日江井榮二郎]
彩層
コロナ
太陽の放射
太陽スペクトル
太陽定数
1天文単位の距離(太陽と地球との平均距離)のところで、太陽光線に垂直に置いた面が受ける太陽の放射エネルギー量を太陽定数という。これは1平方メートル当り1.37キロワットであり、また毎分1平方センチメートル当り1.96カロリーに相当する。この値から、太陽が宇宙空間に放出している放射エネルギー(太陽総放射量)は3.84×1026Wとなる。太陽定数は、太陽活動極大期と極小期で変わり、極大期には極小期の値より0.14%だけ大きい。太陽定数の変動の原因についての定説はないが、太陽磁場が熱の伝達を遅らせている、白斑(はくはん)が影響するなどの説がある。
[日江井榮二郎]
化学組成
恒星としての太陽
自転
磁場
太陽のさまざまな活動現象はすべて磁場が関係している。磁場がどのようにしてつくられ、どのようにして消えるのか、プラズマと磁場との相互作用は、天体物理学が究明すべき大きなテーマである。
太陽磁場は、内部にある磁力線が、対流運動や微分回転によってねじ曲げられ変形作用を受けることによって、そのエネルギーが拡大されると考えられている。この作用はダイナモ作用とよばれる。これにより強められ束のようになった磁束管は太陽表面に浮上し、黒点として見えてくる。そしてこれは時間がたつと拡散して弱まる。太陽内部で働くダイナモ作用により、太陽では11年周期の磁場振動現象がおこると考えられている。
太陽磁場は、科学衛星に搭載された磁場観測装置により、全面の磁場が測定されている。これによると磁場はほぼ太陽全面に出現するが、黒点では約2000ガウス(日本での地磁気は約0.3ガウス)、活動領域では数百~1000ガウス、極域でも1000ガウスという強い磁場のある場所が観測されている。正負の磁極領域が太陽表面で小さくまとまっているところや、正磁極だけ(あるいは負磁極だけ)の領域が大きく広がって、あたかも単極領域のようにみえるものもある。コロナ・ホールはこのような領域上にみられ、太陽風の発生場所でもある。
[日江井榮二郎]
日震学
太陽電波
太陽電波は、太陽の静穏な領域から放射される電波と、磁場の強い活動領域から放射される電波とに分けられる。前者は、彩層から放射されるマイクロ波(ミリ波~センチ波)電波やコロナからの超短波域(波長1メートルから10メートル)の電波である。これらの電波は彩層やコロナの電子密度や温度を調べるのに役だつ。磁場の強いところから放射される電波は、静穏領域からのものよりも数百~数千倍も強い。継続時間は数秒のパルス状のものから、数日という長いものもあり、バーストとよばれる。電波による太陽像をみると、太陽半径ほども離れている二つの活動領域をバーストが移動している現象が観測され、磁力線は、太陽大気を大きく結び付けていることがわかる。フレアが発生すると強いバーストが観測される。電波観測は薄雲でも観測ができるし、また時間変動の激しい現象も観測可能であるので、X線や極紫外線、可視域での観測とあわせて貴重なデータを提供する。干渉計を使うことにより、電波で見た太陽像が得られる。
[日江井榮二郎]
太陽面現象
粒状斑
光球面はけっして一様な明るさではなく、一面に粒々した模様が見られる。地上から見ると視角にして1秒角(100メートル先にある0.5ミリメートルの砂粒を見る角度)以下という小さなものであるので、太陽像の揺らぎの少ない地球大気圏外での観測が役だつ。太陽面上では数百キロメートルの大きさのものであり、光球に上昇してきた対流渦の頭部が粒状斑として見えている。内部の高熱を効率よく光球に運んでいるものである。
[日江井榮二郎]
超粒状斑
直径約3万キロメートルもある大規模な対流によるセル状の模様であり、セルの中央部から上昇したガスは、太陽表面に平行な水平の流れとなり秒速約500メートルの速さで境界に向かう。より大きな熱対流であり、このガスの流れにのって、磁力線も流され、超粒状斑の境界に磁場が集められる。境界近くでは秒速100メートルの下降運動が観測されている。境界は網目模様のように見え、ここにスピキュール(針状のガス)が集中している。
[日江井榮二郎]
黒点
太陽表面に見える黒い斑点を黒点という。周囲との対照で暗く見えるが、実際は約4000K(ケルビン)で光っている。黒点は、太陽内部の磁束管が浮上した部分である。太陽内部のガスは高温のため電離し、電気の良導体であるので、磁場がガスの運動に影響を与え、磁力線の方向には動けるが、それを横切ることはむずかしい。黒点の磁束管では、ガスの上昇運動はできるが、磁力線を横切って下降できず、結局対流が止められてしまう。一方、黒点のない場所では粒状斑が見られるように、自由に対流がおこり、対流によって内部のエネルギーが光球に伝達される。黒点では、対流がおさえられるため対流によるエネルギーの伝達が少なく、黒点は周りより暗くなる。
太陽面に出現する黒点の数は時間とともに変わる。黒点の数は、世界中の観測を統一するため、黒点群の数を10倍し、それに黒点の総数を加えた数をもとにし、この数に対して、各観測者ごとに定められた定数を掛けた数値を使う。これを相対黒点数という。相対黒点数はほぼ11年ごとに変動を繰り返している。黒点数の極大となる年を挟む数年間を太陽活動極大期とよび、極小のときを極小期とよぶ。
[日江井榮二郎]
白斑
白斑は太陽面の中央部では見えにくいが、縁近くでは白い斑点として見える。白斑には磁場があり、そのために周りの光球面より少しくぼんでいる。このくぼみにより、太陽縁では数百度高い白斑の壁が見えるようになる。寿命は数十分、大きさは数百キロメートルである。極域にも白斑が見え、これを極域白斑という。赤道帯近くの白斑は太陽活動極大期に多いが、極域白斑は極小期に多く出現する。活動極大期に低緯度で出現した磁場が緯度方向の流れに乗って極域に移動して、極域白斑の現象となるという説がある。
[日江井榮二郎]
プラージュ
フレア
プロミネンス
高温のコロナ中に、雲のように浮かんで見えるもの。水素のHα線(波長656.3ナノメートル)の光を強く放射しているので赤く見える。紅炎ともいう。皆既日食のときに、太陽の縁に赤い雲のように見える。Hα単色像でみると、彩層を背景に暗くて長い筋が見える。暗条(あんじょう)というが、これは、太陽の縁に見えていたプロミネンスが、太陽面上に移動してきたものであり、背景の光球が明るいので、プロミネンスは暗く見える。
プロミネンスの温度は約7000K(ケルビン)。その周りを100万~200万Kの高温のコロナに取り囲まれているにもかかわらず暖められないのは、紅炎の中に筋金のように入っている磁場が、コロナからの高温粒子の侵入を防いでいるためである。プラージュ領域には、活動の激しいプロミネンスが観測され、これを活動型プロミネンスという。これに対し、形の変化が少なく、数日~数か月の寿命のあるものを静穏型プロミネンスという。
[日江井榮二郎]
スピキュール
彩層からコロナに向けて針状のガスがのびている。これをスピキュールという。寿命は約10分間であり、高さ数千~1万キロメートルにまで上昇する。超粒状斑の縁に沿った場所に発生する。太陽全面に見られるスピキュールの数は約30万個である。上昇速度は毎秒20~30キロメートルでコロナの中に突き進み、そのまま消えるものや、ふたたび下降するものがある。スピキュールの根元が高温になるため、あるいは根元の磁力線がなんらかの影響を受けて、電磁流体的運動をおこすためであろうと考えられている。
[日江井榮二郎]
コロナ・ホール
太陽風
コロナ・ホールでは、磁力線が太陽面から垂直の方向に伸びているので、コロナのプラズマが磁力線に沿って惑星間空間に流出する。どこかで流れを推し進める加速が働くが、そのメカニズムは不明である。このようにしてコロナのガス流が太陽風となる。太陽風は、地球付近では毎秒300~800キロメートルであるが、粒子の密度は1立方センチメートル当り1~10個程度ときわめて希薄である。彗星(すいせい)の尾や地球磁気圏は太陽風に吹き付けられ、太陽と反対側に伸びている。コロナ中のプラズマは磁力線の周りに巻き付く性質があるので、プラズマが動くと磁力線も動いてしまう。そのために太陽風(プラズマの流れ)はコロナ中の磁場を持ち出し、地球を取り巻き、またさらに遠くまで吹き抜けて太陽圏を形成している。太陽圏の境界領域をヘリオポーズといい、そこで銀河系内の他の恒星の風とぶつかり、せき止められている。太陽圏の大きさは約150億キロメートルと推定されている。
[日江井榮二郎]
太陽と地球
見かけの動き
日照
太陽は季節によって天球上を動く道筋が異なる。日本では、夏至には東から北に30度ずれたところから日の出となり、午前8時には、真東方向で高度はすでに40度ぐらいに昇っている。真南にくると、高度は77度にも達する。冬至には、真東より南に30度ずれたところから日の出となり、真南にきても高度はわずか31度にすぎない。
真南の太陽の高度は、目から30センチメートル離して物差しを垂直に置き、物差しの0センチメートルを目と同じ高さにして知ることができる。冬至では18センチメートルのところ、1月20日、11月20日ごろでは20センチメートル、2月20日、10月20日ごろには28センチメートルのところに太陽がある(北緯36度のとき)。南側の家の屋根がこれより低いと日が差し込むことになる。
[日江井榮二郎]
マウンダー極小期
太陽エネルギーの利用
太陽エネルギー利用の歩み
太陽エネルギーの直接的・効率的利用
熱利用
太陽熱温水器
太陽熱暖房・給湯(太陽熱利用システム)
太陽熱淡水化
たとえば前述の真空管型集熱器を用いて汚れた水や海水を蒸発させ、これを冷却凝縮させ真水をつくるシステムであり、日本の離島や中近東各国で開発が進められている。
[谷 辰夫]
産業用ソーラーシステム
太陽熱を産業に利用するもので、前述の高温高効率の真空管型集熱器を工場などの屋根に設置し、太陽熱を産業用熱源に利用する。日本では農産物を保存する定温倉庫や、さまざまな工程で異なる温度の熱源を必要とする染色工場などを対象に技術開発が進められ、外国ではクリーニングや食品・缶詰工場などで実用化されている。
[谷 辰夫]
太陽熱発電
海水温度差発電
太陽熱で暖められた海面と深層海水との温度差を利用し、その間の熱エネルギーを電力に変えるシステム。ナウル島で100キロワット、ハワイで50キロワットなどの発電実験に成功した。
[谷 辰夫]
ソーラーポンド(太陽池)
池の水に無機塩を溶かし、池の上部と底部との間に濃度差をつけると熱の対流がおこりにくくなる。そのため、池に降り注ぐ太陽熱を底部に効率よく蓄えることができる。ソーラーポンドは、この熱を取り出して海水淡水化や工場の温水洗浄、発電などに利用する技術で、イスラエルなどで古くから利用されている。
[谷 辰夫]
波力発電
波のエネルギーで空気タービン・発電機などを駆動して発電する方法である。日本では1000キロワット級の波力発電実験プラントによる研究開発が進められ、イギリスでも研究が進められている。
[谷 辰夫]
風力発電
風のエネルギーで風車を回転させて発電する。理論的には風のもつエネルギーの約60%を取り出すことができる。世界各国で風力発電の実用化が進み、現在1500万キロワットの風力発電による電気が利用されている。日本においても電力系統と連系した風力発電システムの設置が進み、2003年度(平成15)末で46万キロワットが利用されている。2010年度までの目標値は300万キロワットである。単機当りの容量が大型化する傾向にあり、1500キロワットを超すものが設置されている。また、日本は国土が狭く複雑な地形を有しているため、比較的小容量の分散型電源としての導入も有効と考えられている。一方、各国では風況条件の良い陸上のみならず、遠浅の洋上に設置する洋上風力発電も進められている。
[谷 辰夫]
光利用
太陽光発電
人工光合成
光合成(炭酸同化作用)のメカニズムを解明し、これを人工的に構築して、常温で水を分解して水素をつくったり(水の光分解という)、短期間に炭水化物をつくる基礎研究が進められている。
[谷 辰夫]
将来の太陽エネルギー利用
太陽神話・伝説
太陽と月
太陽の運行
太陽崇拝
信仰と伝説
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