幼（読み）ヨウ

デジタル大辞泉 「幼」の意味・読み・例文・類語

よう〔エウ〕【幼】

おさないこと。また、おさない人。「幼にして学に親しむ」
[類語]幼少・幼弱・幼時・幼年・若齢・若年・弱小・弱冠・年少・年若としわか・年弱としよわ・ヤング・若い・幼い・稚いとけない・うら若い・若若しい・若やか・若やぐ・若気・ういういしい・みずみずしい・青臭い・溌剌・子供らしい・青い・乳臭い・未熟・幼稚・稚気・童心・子供っぽい・幼心おさなごころ・子供心・嘴くちばしが黄色い・頑是ない・子供じみる・大人気ない
 

よう︻幼︼﹇漢字項目﹈

 
﹇音﹈ヨウ︵エウ︶︵慣︶　﹇訓﹈おさない　いとけない
﹇学習漢字﹈6年
1 まだ年がいかない。おさない。﹁幼魚・幼君・幼児・幼時・幼弱・幼少・幼稚・幼虫・幼年﹂
2 おさない子。﹁長幼・童幼・老幼﹂
﹇名のり﹈わか  
 

いと︻▽幼︼

 
﹇名﹈︽近世上方語︾幼児。男女の区別なく用いたが、後期には女児をさすようになった。
﹁お生まれなされた―様︵＝男児︶の﹂︿浄・布引滝﹀
﹁向かひの嬶(かか)や隣の―︵＝女児︶なぞ対(あひ)手(て)にして﹂︿滑・浮世風呂・四﹀
﹇接頭﹈名詞に付いて、おさない、いとけない、の意を表す。
﹁―姫君二つ三つばかりにておはしませば﹂︿栄花・初花﹀  

おさ‐な〔をさ‐〕【幼】

形容詞「幼し」の語幹。

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精選版 日本国語大辞典 「幼」の意味・読み・例文・類語

おさ‐なをさ‥【幼】

 

(一)[1] ( 形容詞﹁おさなし﹂の語幹 )
(一)(イ) 感動詞﹁あな﹂を伴ったりして感動文を作り、﹁幼いことよ﹂﹁子供子供していることよ﹂の意を表わす。
(一)[初出の実例]﹁なににかおぼしいるる。あなおさな﹂(出典‥宇津保物語︵970‐999頃︶俊蔭)
 (二)(ロ) 下に﹁の﹂を添えて連体修飾語を作る。幼いこと。幼いさま。
(一)[初出の実例]﹁げにあが君や、をさなの御物言ひやな﹂(出典‥源氏物語︵1001‐14頃︶宿木)
 (三)(ハ) 名詞の上に付いて、複合語を作り、﹁幼いこと、幼い時﹂の意を添える。﹁幼遊び﹂﹁幼顔﹂﹁幼心﹂﹁幼友達﹂﹁幼馴染﹂
 (二)[2] 〘 名詞 〙
(一)① ﹁おさなな︵幼名︶﹂の略。
(一)[初出の実例]﹁文の末へおさなを書くよふになると、むづかしいね﹂(出典‥黄表紙・江戸生艷気樺焼︵1785︶上)
 (二)② ＝おさなご︵幼子︶
(一)[初出の実例]﹁此おさな、仏の守りし給ひけん﹂(出典‥俳諧・おらが春︵1819︶)
  
 

ようエウ︻幼︼

 

(一)〘 名詞 〙 ( 形動 ) おさないとき。また、おさない者やおさないさま。
(一)[初出の実例]﹁神叡法師。幼而卓絶﹂(出典‥続日本紀‐養老三年︵719︶一一月乙卯)
 (二)﹁幼(ヨウ)より習はさざりし恨(うらみ)も今更なり﹂(出典‥歌謡・松の葉︵1703︶跋)
 (三)[その他の文献]︹礼記‐曲礼上︺
  
 

おさなくをさなく︻幼︼

 

(一)〘 名詞 〙 ( 形容詞﹁おさない﹂の連用形が名詞化したもの ) 幼い時。
(一)[初出の実例]﹁姉なる人、子産みて亡くなりぬ。よその事だに、をさなくより、いみじくあはれと思ひわたるに、ましていはむ方なく、あはれに悲しと思ひ嘆かる﹂(出典‥更級日記︵1059頃︶)
  

おさ‐なしをさ‥【幼】

  1. 〘 形容詞シク活用 〙 ＝おさない（幼）
    1. [初出の実例]「Vosanaxij(ヲサナシイ) コトヲ ユウ」(出典：日葡辞書（1603‐04）)

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