珍しい（読み）メズラシイ

デジタル大辞泉 「珍しい」の意味・読み・例文・類語

めずらし・い〔めづらしい〕【珍しい】

 
﹇形﹈﹇文﹈めづら・し﹇シク﹈︽動詞﹁愛(め)ず﹂から派生した語︾
1 見聞きすることがまれである。普通とは違っていて目新しい。めったになくて貴重である。﹁―・い鳥を飼う﹂﹁―・く早起きする﹂﹁最近の彼には―・く機嫌がいい﹂﹁都会には―・い純朴な青年﹂
2 賞美する価値がある。すばらしい。
﹁難波人葦(あし)火(ひ)焚く屋のすしてあれど己が妻こそ常(とこ)―・しき﹂︿万・二六五一﹀
[派生]めずらしがる﹇動ラ五﹈めずらしげ﹇形動﹈めずらしさ﹇名﹈
[類語]︵1︶珍(めずら)か・稀(まれ)・稀(け)有(う)・異例・珍(ちん)・珍(ちん)稀(き)・珍貴・珍奇・偶(たま)・得難い・貴重・珍重・貴い・高貴・大切・重要・異彩・奇跡的・奇しくも・期せずして・まぐれ・偶(たま)・未曽有・空前絶後・前代未聞・不可思議・変則的・変則・変格・破格・イレギュラー・異常・特異・異状・非常・別条・異様・奇警・法外・理不尽・非理・不条理・不合理・非合理・逸(そ)れる・脱線・狂い・踏み外す・逸脱・ずれる・ずれ・型破り・例外・例外的・風変わり・格外  

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精選版 日本国語大辞典 「珍しい」の意味・読み・例文・類語

めずらし・いめづらしい【珍】

 

(一)〘 形容詞口語形活用 〙 
[ 文語形 ]めづらし 〘 形容詞シク活用 〙 ( 動詞﹁めでる︵愛︶﹂から派生 )
 (二)① 賞美する価値がある。珍重に価する。好ましい。すばらしい。結構である。
(一)[初出の実例]﹁人毎に折りかざしつつ遊べどもいや米豆良之岐(メヅラシキ)梅の花かも﹂(出典‥万葉集︵8Ｃ後︶五・八二八)
 (二)﹁めづらしき世語りになむ人々もし侍なる﹂(出典‥源氏物語︵1001‐14頃︶常夏)
 (三)② 見ることがまれである。めったにない。
(一)(イ) あまり例がない。見なれない。
(一)[初出の実例]﹁大宮の内にも外にも米都良之久(メヅラシク)降れる大雪な踏みそねをし﹂(出典‥万葉集︵8Ｃ後︶一九・四二八五)
 (二)﹁大きなる木のいとあらあらしきに寄りゐていみじう泣く。めづらしきことにも侍かな﹂(出典‥源氏物語︵1001‐14頃︶手習)
 (二)(ロ) 風変わりである。珍奇である。
(一)[初出の実例]﹁人にもあらぬ身の上まで書き日記して、めづらしきさまにもありなむ﹂(出典‥蜻蛉日記︵974頃︶上)
 (三)(ハ) 目新しい。新鮮である。新奇である。
(一)[初出の実例]﹁かくすれば、きこしめす人のかぎり、いとめづらしう興ありとおぼす﹂(出典‥宇津保物語︵970‐999頃︶春日詣)
 (四)(ニ) 久しぶりである。長い間見ることがない。
(一)[初出の実例]﹁十月ばかり、斎宮をもわたし奉り給はんとて、本院をもいらせ給べきよし御消息あれば、めづらしくて御幸あり﹂(出典‥増鏡︵1368‐76頃︶九)

珍しいの派生語

めずらし‐が・る
(一)〘 自動詞 ラ行五︵四︶ 〙

珍しいの派生語

めずらし‐げ
(一)〘 形容動詞ナリ活用 〙

珍しいの派生語

めずらし‐さ
(一)〘 名詞 〙
  

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