デジタル大辞泉 「環太平洋火山帯」の意味・読み・例文・類語 かんたいへいよう‐かざんたい〔クワンタイヘイヤウクワザンタイ〕【環太平洋火山帯】 環太平洋に分布する火山の密集地域。活火山の半数以上が属し、地殻が不安定で、地震帯や新しい造山帯と一致する。 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「環太平洋火山帯」の意味・読み・例文・類語 かんたいへいよう‐かざんたいクヮンタイヘイヤウクヮザンタイ【環太平洋火山帯】 環太平洋地帯に位置し、新生代第三紀以後の火山の多い地帯。環太平洋地震帯および環太平洋造山帯とほぼ一致し、世界最大の火山帯となっている。 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「環太平洋火山帯」の意味・わかりやすい解説 環太平洋火山帯かんたいへいようかざんたい 太平洋を馬蹄形に取り囲む火山の帯状の連なり。広大な海盆のへりをなすプレート境界にほぼ平行し,地震や火山噴火が多発する。全長約4万km。大半がトンガやバヌアツ︵ニューヘブリディーズ︶,インドネシア,フィリピン,日本列島,千島列島,アリューシャン列島などの島弧︵弧状列島︶,および北アメリカの西海岸や南アメリカのアンデス山脈のように大陸上に弧を描くように連なる山脈︵陸弧︶からなる。火山はすべての地域にわたって存在し,このため環太平洋火山帯は﹁リング・オブ・ファイア﹂Ring of Fireとも呼ばれる。火山帯に沿う太平洋海域には海溝やトラフがあり,それらの背後には陸地がある。世界で発生する最大規模の地震のほとんどがこの火山帯で起こり,世界の火山の約 75%はこの火山帯にある。環太平洋火山帯は,広大な太平洋プレートをはじめ,それよりも小さいフィリピン海プレート,ファンデフーカプレート,ココスプレート,ナスカプレートなどの海洋プレートを取り巻いている。海洋プレートの多くは隣接する大陸プレートの下に沈み込むが,北アメリカの西海岸では太平洋プレートがトランスフォーム断層のサンアンドレアス断層に沿って,大陸プレートの北アメリカプレートとすれ違っている。1800年以降,環太平洋火山帯で噴火したおもな火山は,インドネシアのタンボラ山︵1815︶とクラカトア火山︵1883︶,アメリカ合衆国のノバルプタ火山︵1912。→カトマイ山︶とセントヘレンズ山︵1980︶,コロンビアのネバドデルルイス山︵1985︶,フィリピンのピナツボ山︵1991︶。また,1960年にチリ地震,1964年にアラスカ地震,2010年にチリ地震,2011年に東北地方太平洋沖地震が発生し,2004年にはスマトラ島沖地震に伴うインド洋大津波が世界各地に壊滅的被害をもたらした。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
日本大百科全書(ニッポニカ) 「環太平洋火山帯」の意味・わかりやすい解説 環太平洋火山帯かんたいへいようかざんたい 太平洋を取り囲む世界最大の新生代第四紀︵過去約258万年間︶の火山帯の総称。太平洋に面する大陸の縁に沿い、日本列島などの弧状列島上に分布する火山が多い。伊豆‐マリアナ弧やスコシア島弧の火山帯が含まれ、地球上の広義の活火山の約6割がこの火山帯に属する。広義には、大西洋に臨む西インド諸島や、インド洋に臨む大・小スンダ列島の火山帯をも含み、活火山の世界総数の8割近くを抱える。太平洋の﹁火の環(わ)﹂と称される。成層火山が多く、噴火は概して爆発型で、火山体の大部分が火山砕屑物(さいせつぶつ)からなるのが普通である。岩石は玄武岩、安山岩、石英安山岩、流紋岩からなり、とくにカルク・アルカリ岩系の安山岩が多い。 ﹇諏訪 彰﹈ [参照項目] | 火山帯 | 環太平洋山系 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
百科事典マイペディア 「環太平洋火山帯」の意味・わかりやすい解説 環太平洋火山帯【かんたいへいようかざんたい】 太平洋の周囲に沿い帯状に分布する火山の密集する地域。地球上の半分以上の火山が集中している。千島弧,本州弧,伊豆・マリアナ弧等のように弧状列島をつくる部分と,北米,南米のように大陸の縁に沿う部分もある。地震帯,新しい変動帯と一致し地殻変動の激しい地域である。 →関連項目アレウト﹇列島﹈|アンデス﹇山脈﹈|火山帯|環太平洋造山帯 出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報