現代では、巨大独占資本家と中小企業の資本家とでは、同じ資本家階級に所属するといっても、社会的役割において大きな差がある。また、かつては、資本家は資本の所有者であるだけでなく、労働過程における資本の指揮・監督の機能の遂行者であったが、現在では、資本の機能は、単なる監督労働者である経営者に任されることになった。こうして、資本家は労働過程から閉め出され、いわゆる有閑階級になるのだが、現在では、資本の所有者でない管理者・経営者も、資本家階級のなかに入れられている。
[河村 望]
『K・マルクス、F・エンゲルス著、長谷部文雄訳『資本論』(1951~54・青木書店)』▽『C・W・ミルズ著、鵜飼信成・綿貫譲治訳『パワー・エリート』(1969・東京大学出版会・UP選書)』▽『サン・シモン著、坂本慶一訳『産業者の教理問答』(1975・中央公論社)』▽『庄司興吉著『管理社会と世界社会』(1989・東京大学出版会)』▽『寿里茂著『現代の社会構造』(1990・日本評論社)』▽『高哲男著『ヴェブレン研究――進化論的経済学の世界』(1991・ミネルヴァ書房)』▽『J・スコット、J・ウェスターガード、渡辺雅男、宮崎犀一著、渡辺景子訳『階級論の現在――イギリスと日本』(1998・青木書店)』▽『橋本健二著『現代日本の階級構造――理論・方法・計量分析』(1999・東信堂)』▽『K・マルクス、F・エンゲルス著、大内兵衛・向坂逸郎訳『共産党宣言』(岩波文庫)』▽『ヴェブレン著、小原敬士訳『有閑階級の理論』(岩波文庫)』
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
※「資本家階級」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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