デジタル大辞泉 「アセアン地域フォーラム」の意味・読み・例文・類語 アセアン‐ちいきフォーラム〔‐チヰキ‐〕【アセアン地域フォーラム/ASEAN地域フォーラム】 ⇒エー‐アール‐エフ(ARF) 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
日本大百科全書(ニッポニカ) 「アセアン地域フォーラム」の意味・わかりやすい解説 ASEAN地域フォーラムあせあんちいきふぉーらむASEAN Regional Forum 略称ARF。アジア地域の安全保障問題を討議するためASEANがよびかけた会議で1994年7月25日、バンコクで第1回会議を開催。ASEAN10か国にアメリカ、日本、中国、ロシア、インドなど26か国とEU︵ヨーロッパ連合︶が参加している︵2008年5月時点︶。南シナ海の西沙・南沙諸島をめぐる領有権争いや朝鮮半島情勢の緊張など、冷戦後も軍事衝突が懸念されている同地域の安全保障対話の枠組みとして、毎年開催される。1998年7月のマニラでの第5回会合ではインド・パキスタンの核実験に﹁重大懸念と強い遺憾﹂の意を表明。1999年7月のシンガポール会合はテポドン発射など北朝鮮のミサイル開発に懸念を表明したほか、コソボ紛争などが取り上げられたが、中台関係の緊張については中国への配慮から議論されず、ARFの限界も示した。2000年から北朝鮮、2004年からパキスタンがARFに参加している。2002年以降、国際テロ、核拡散防止、朝鮮半島情勢などが議論されている。2007年8月の第14回会合では北朝鮮の日本人拉致(らち)問題をめぐり、日本と北朝鮮の間で批判の応酬があった。 ﹇大井 誠﹈ [参照項目] | ASEAN | 集団安全保障 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アセアン地域フォーラム」の意味・わかりやすい解説 アセアン地域フォーラムアセアンちいきフォーラムASEAN Regional Forum; ARF アジア太平洋地域の安全保障問題を初めて多国間で話し合う場として,1994年7月にバンコクで第1回会合を開いた協議体。冷戦の終結によりアメリカの軍事的影響力が低下したのを受け,93年7月の ASEAN外相会議で設置が決定されたもので,ASEAN6ヵ国と域外対話国と呼ばれるアメリカ,カナダ,日本,韓国,オーストラリア,ニュージーランド,EUの7ヵ国・機構に加え,中国,ロシア,ベトナム,ラオス,パプアニューギニアの計18ヵ国・機構が参加。第1回会合後に発表された議長声明は,ARFについて,(1) 地域の信頼醸成と予防外交に貢献する,(2) 東南アジア友好協力条約 (バリ条約) を行動規範とする,(3) 会合は毎年開く,などと規定した。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
知恵蔵 「アセアン地域フォーラム」の解説 ASEAN地域フォーラム 設置は1994年。フィリピンの米軍基地が返還(92年)され、中国が海洋法を改正して南沙諸島や西沙諸島の領有権を主張し始めた頃と時期的に重なる。ARFにはASAEN諸国に加えて米国、中国、韓国、日本をはじめ、インド、モンゴル、北朝鮮なども参加している。参加国間で、東アジア・東南アジアにおける安全保障に関する信頼醸成を深め、予防外交や紛争の平和的処理にまで発展させることを目指している。対話を重ねて脅威や課題に協調して対応するという﹁協調的安全保障﹂の考え方に立つ。通常、ASEAN拡大外相会議と前後して開かれる。 (片山裕 神戸大学教授 / 2008年) 出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報
百科事典マイペディア 「アセアン地域フォーラム」の意味・わかりやすい解説 ASEAN地域フォーラム【アセアンちいきフォーラム】 →東南アジア諸国連合 出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報