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葉は'''枇杷葉'''︵びわよう︶、種子は'''枇杷核'''︵びわかく︶とよばれる生薬である{{sfn|貝津好孝|1995|p=65}}。
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﹁大薬王樹﹂と呼ばれ、[[民間薬|民間療薬]]として親しまれてもいる。なお、以下の利用方法・治療方法は特記しない場合、過去の歴史的な治療法であり、科学的に効果が証明されたものであることを示すものではない。
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﹁大薬王樹﹂と呼ばれ、[[民間薬|民間療薬]]として親しまれてもいる。なお、以下の利用方法・治療方法は特記しない場合、過去の歴史的な治療法であり、科学的に効果が証明されたものであることを示すものではない。
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葉には[[収斂]]︵しゅうれん︶作用がある[[タンニン]]のほか、[[鎮咳]]︵ちんがい︶作用がある[[アミグダリン]]<!--や[[クエン酸]]-->などを多く含み{{sfn|田中孝治|1995|p=158}}、乾燥させて'''ビワ茶'''とされる他、直接患部に貼るなど生薬として用いられる。
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葉には[[収斂]]︵しゅうれん︶作用がある[[タンニン]]のほか、[[鎮咳]]︵ちんがい︶作用がある[[アミグダリン]]<!--や[[クエン酸]]-->などを多く含み{{sfn|田中孝治|1995|p=158}}、乾燥させて'''ビワ茶'''とされる他、直接患部に貼るなど生薬として用いられる。
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枇杷葉は、9月上旬頃に採取して葉の裏側の毛をブラシで取り除き、日干しにしたものである{{sfn|田中孝治|1995|p=158}}。この枇杷葉5 - 20[[グラム]]を600 [[立方センチメートル|cc]]の水で煮出した煮汁を、1日3回に分けて茶のように飲むと、咳、[[胃炎]]、[[悪心]]、嘔吐、[[下痢]]止めに効果があるとされる{{sfn|貝津好孝|1995|p=65}}{{sfn|田中孝治|1995|p=158}}ほか、[[糖尿病]]予防、[[高血圧]]改善、[[アレルギー]]改善に役立つされている{{sfn|川原勝征|2015|p=122}}。また、あせもや湿疹には、煎じ汁の冷めたもので患部を洗うか、浴湯料として用いられる{{sfn|貝津好孝|1995|p=65}}{{sfn|田中孝治|1995|p=158}}。江戸時代には、夏の暑気あたりを防止する枇杷葉湯に人気があったといわれており、葉に含まれるアミグダリンが分解して生じた[[ベンズアルデヒド]]によって、清涼飲料的効果が生み出されるといわれている{{sfn|田中孝治|1995|p=158}}。
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種子は、5個ほど砕いたものを400 ccの水で煎じて服用すると、咳、吐血、鼻血に効果があるとされる{{sfn|貝津好孝|1995|p=65}}。種子を焼酎に漬けて、[[果実酒]]にもできる{{sfn|川原勝征|2015|p=122}}。
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種子は、5個ほど砕いたものを400 ccの水で煎じて服用すると、咳、吐血、鼻血に効果があるとされる{{sfn|貝津好孝|1995|p=65}}。種子を焼酎に漬けて、[[果実酒]]にもできる{{sfn|川原勝征|2015|p=122}}。
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2021年6月21日 (月) 10:51時点における版
ビワ | |||||||||||||||||||||||||||
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ビワ | |||||||||||||||||||||||||||
分類(APG III) | |||||||||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||||||||
Eriobotrya japonica (Thunb.) Lindl.[1] | |||||||||||||||||||||||||||
和名 | |||||||||||||||||||||||||||
ビワ | |||||||||||||||||||||||||||
英名 | |||||||||||||||||||||||||||
(Japanese) Loquat |
枇杷 | |||||||||||
繁体字 | 枇杷 | ||||||||||
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簡体字 | 枇杷 | ||||||||||
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蘆橘 | |||||||||||
繁体字 | 蘆橘 | ||||||||||
簡体字 | 芦橘 | ||||||||||
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ビワ︵枇杷、学名: Eriobotrya japonica︶は、バラ科ビワ属の常緑高木および食用となるその実。
原産は中国南西部で、日本では四国、九州に自生する。果樹としては九州、四国のほか和歌山県、千葉県︵房総半島︶[2]、静岡県[3]などで栽培される。葉は濃い緑色で大きく、長い楕円形をしており、表面にはつやがあり、裏には産毛がある。その大きな葉陰に楽器の琵琶に似た形をした一口大の多くの甘い実がなり、黄橙色に熟す。
名称
和名ビワの語源は、葉の形や実の形が楽器の琵琶に似ているからとされる。中国語でも﹁枇杷﹂︵拼音: pípá; 粤拼: pei4 paa4︶と表記するほか[1]、﹁蘆橘﹂︵拼音: lú jú; 粤拼: lou4 gwat1︶とも呼ばれ、英語の﹁loquat﹂は後者の広東語発音に由来する。分布・生育地
中国南西部の原産で、日本には古代に持ち込まれたと考えられており[4]、主に本州の関東地方・東海地方の沿岸、石川県以西の日本海側、四国、九州北部に自然分布する[5]。またインドなどにも広がり、ビワを用いた様々な療法が生まれた。中国系移民がハワイに持ち込んだ他、日本からイスラエルやブラジルに広まった。トルコやレバノン、ギリシャ、イタリア南部、スペイン、フランス南部、アフリカ北部などでも栽培される。植物学的特徴
常緑小高木で、高さは5 - 10メートル (m) ほどになる[6][4]。枝葉は春・夏・秋と年に3度伸長する。若枝は、淡褐色の細かい毛に覆われている[6]。 葉は互生し、葉柄は短い[4]。葉の形は、長さ15 - 20センチメートル (cm) 前後の広倒被針形・長楕円形・狭倒卵形で先端は尖り、基部は次第に狭くなって葉柄に続いていく[5]。葉身は厚くて堅く、表面が凸凹しており葉脈ごとに波打つ[4]。葉縁には波状の鋸歯がある[6]。葉の表面は初めは毛があるが、生育するにつれて毛はなくなり光沢が出てくる[6]。葉の裏面は、淡褐色の綿毛に覆われたままである[6]。 花芽は主に春枝の先端に着く。花芽は純正花芽。花期は晩秋から冬︵11 - 2月︶で、甘い芳香がある地味な白い5弁の花を群がりつける[6][4]。葯には毛が密に生えている。 自家受粉が可能で、果実ははじめ緑色で、初夏︵5 - 6月︶に黄橙色に熟す[6][7]。果実は花托が肥厚した偽果で、直径3 - 4 cm、長さは6 cm前後の球形から卵形、広楕円形になり、全体が薄い産毛に覆われている[4][5]。果実の中には大きな赤褐色の種子が数個あり、可食できる甘い果肉部分は全体の約3割ほどである[6][8]。 長崎県、千葉県、鹿児島県などの温暖な地域での栽培が多いものの若干の耐寒性を持ち、寒冷地でも冬期の最低気温-10℃程度であれば生育・結実可能である。-
果実の断面。中央に大きな褐色の種子が数個あり、可食部となる果肉部は3割ほどである。
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ビワの果実。形が楽器の琵琶に似る。甘い芳香があり、表面に産毛がある。
-
花と蕾。冬の間に新しい枝先に群がって咲く。
-
新緑のビワ
栽培
やや日陰にも耐え、気温が比較的暖かいところで生育する[5]。土壌は砂壌土がよく、根は深く張る[7]。果実を目的に栽培されるが、庭木などの植栽にもされ、葉が濃く茂るため目隠しとしたり、あるいは使い方によっては異国風の庭を演出することもできる[7]。実生苗の結実には7〜8年の歳月を要する。自家結実性のため、他品種を混植する必要はない。殖やし方は実生、接木であるが挿し木も可能。植栽適期は3月下旬、6 - 7月上旬、9中旬 - 10月中旬とされ、新植は可能だが移植することは不可である[7][5]。剪定は3月下旬 - 4月、9月に行う[7]。露地栽培の場合、摘房・摘蕾を10月、開花は11月〜2月、摘果を3月下旬〜4月上旬、袋かけを摘果と同時に行う。果実が大きくなるとモモチョッキリ︵ゾウムシの仲間︶の食害を受ける。
品種
江戸時代末期に日本に導入され、明治時代から、茂木︵もぎ︶や田中などの果樹としての品種がいくつかある。現在ではその他に大房、瑞穂、クイーン長崎︵福原︶、白茂木、麗月、陽玉、涼風、長生早生、室戸早生、森尾早生、長崎早生、楠、なつたよりなど多くの品種がある。中国ビワとして冠玉や大五星などがある。2006年、種なしビワである希房が品種登録された。
古代に渡来して野生化した物と考えられる自生木もあるが、種が大きく果肉が薄いため果樹としての価値はほとんど無い。
産地
日本では全国でビワの実が3,240トン︵2012年産、農林水産省統計︶収穫され、長崎県、千葉県、和歌山県、香川県、愛媛県、鹿児島県など温暖な気候の土地で栽培されている。特に長崎県は、全国の3分の1近くを産する日本一の産地となっている[9]。近年は食の多様化や種子を取り出すなど食べにくさに加え、農家の高齢化、寒波に弱く収穫が安定しないなどの問題もあり、収穫量は2003年は9,240トン、2008年は7,110トン、そして2015年は5,290トンと減少傾向にある。近年ではビニールハウスによる促成栽培も行われている。
日本国内の主な産地
寒さに弱いため産地は温暖な地域に限られ、九州、四国、和歌山、房総半島で栽培が盛ん。また、寒波の影響を受けやすいため、生産量が乱高下しやすい︵2012年と2016年は凶作となっている︶。
●千葉県 …生産量国内2位で、長崎に次ぐ国内の主産地。房州びわとして知られ、﹁田中﹂が主流であったが、近年は食味に優れる﹁大房﹂が7割弱を占める。南房総市のほか館山市でも栽培が行われている[10]。
●南房総市…富浦は皇室献上の歴史を持つ主産地。県産びわの大半を占める[10]。
●静岡県
●伊豆市 …白びわと呼ばれる稀少品種の産地。甘く美味だが、酸化しやすいため、ビワ狩り観光客を含めた地元での消費が中心。明治時代に静岡県令が中国・洞庭湖地方から持ち帰った白ビワの種を県内13ヵ所に植えたところ、順調に育ったのが土肥だけだったことが始まり[3]。伊勢湾台風の影響で産地は壊滅するが、昭和50年代に﹁土肥びわ研究会﹂の結成により、産地を復活させた経緯がある[11]。
●三重県
●松阪市…島田びわの産地。無農薬栽培に取り組み、付加価値を付けて出荷販売をしている。[12]
●兵庫県 …生産量6〜9位。淡路島が主産地で、北淡の野島地区と南淡の灘地区に産地がある。﹁田中﹂が主流であったが、食味に優れる他品種への転換が進んでいる。
●淡路市…野島地区が中心。野島轟木地区辺りに観光農園が多い。その一方で、轟びわとしてブランド販売もしている。[13]
●南あわじ市︵旧南淡町︶…灘びわとして知られるブランド産地。野島に対し、市場出荷中心[14]。
●和歌山県 …生産量4〜6位。JAながみねに属する海南市藤白、同市下津町引尾と湯浅町田地区で大半を占める。古くからの産地で日本一にもなったことがあったが、みかん畑に転換され縮小。その後、みかんの価格下落に伴って再度びわ栽培を復活、再生させた経緯がある[15]。
●海南市…全国有数の産地で、下津びわとして全国に出荷を行っている[15]。
●湯浅町…田村みかんで知られる田村地区にて、田村びわとして出荷[16]。
●広島県
●東広島市[17]
●香川県…生産量4〜5位。産地は高松市、三豊市、善通寺市など[18]。
●高松市…全国に先駆けてハウスびわ栽培を行っている[19]。
●三豊市 [20]
●愛媛県…生産量3〜5位。産地に松山市、伊予市、宇和島市︵平浦びわ︶、八幡浜市など。
●松山市…興居島でビワ栽培が行われる[21]。
●伊予市…唐川びわとして知られるブランド産地[22]。
●高知県…生産量9〜10位。
●室戸市…露地栽培としては全国で最も早い産地の一つで、黒耳︵くろみ︶びわを特産[23]。
●福岡県
●岡垣町…高倉びわを特産[24]。
●佐賀県
●多久市納所︵のうそ︶地区と小城市牛津地区が主産地[25]。地域名から佐城びわとも。
●長崎県…生産量国内1位。生産量は全国の約20%。新品種開発も盛んで﹁茂木﹂﹁長崎早生﹂の他に﹁長崎甘香﹂﹁涼風﹂﹁なつたより﹂などがある。長崎半島が主産地で、そのほか南島原市、西海市などにも産地がある[26]。
●長崎市…国内最大の産地で橘湾沿岸の茂木地区、三和地区などで栽培が盛ん。
●熊本県 …生産量8〜10位。かつては長崎を凌ぐ産地だったことがある。ハウス栽培が盛ん。産地に天草市、苓北町など。
●天草市[27]
●大分県 …生産量7〜9位。大分市が主産地[28]。
●大分市 …田ノ浦地区で盛んで、田ノ浦びわとしてブランド化[29]。
●鹿児島県 …生産量3位〜4位。全国で最も早く出荷される。主産地に垂水市、鹿児島市桜島、指宿市のほか小規模ながら奄美大島など島嶼部でも栽培される[30]。桜島の降灰や鳥からの食害から守るため、果実は袋掛けされていることが多い[4]。
●垂水市
●鹿児島市
など
利用
果実は甘く、生食や缶詰にされる。茶色い種子は、生薬の杏仁の代用として利用される。果樹であるが、葉は薬用として重宝されてきており、ビワ茶にしたり浴湯料にする[7]。食用
果肉は甘く、生食されるほかに缶詰などに加工されるが、種子が大きく廃棄率が30%以上である。生食する場合の可食率は65〜70%でバナナとほぼ同等である。ゼリーなどの菓子、ジャム等にも加工される。果実は咳、嘔吐、喉の渇きなどに対して効能を発揮する[31]。 未熟なビワの実やビワの種子には高濃度のシアン化合物が含まれる場合があり、これが体内で分解されると猛毒である青酸を発生させるため、未熟なビワの実やビワの種だけを一気に何十個も食べると健康に害を及ぼす可能性が有る。通常は問題にならないものの、﹁健康に良い﹂などとして販売されているビワの種の粉末に関しては一気に大量に摂取してしまう可能性があり、2017年に高濃度のシアン化合物が含まれたビワの種子の粉末が発見されたことにより、2017年11月に農林水産省による﹁シアン化合物を含有する食品﹂の一覧にビワ種が加えられ、農林水産省より﹁ビワの種子の粉末は食べないようにしましょう﹂との勧告が出された[32]。ビワ種による健康被害はまだ報告されていないものの、海外では同じくシアン化合物を含有するアンズの種子を大量に食べたことによる死亡例が報告されている。薬用
葉は枇杷葉︵びわよう︶、種子は枇杷核︵びわかく︶とよばれる生薬である[2]。 ﹁大薬王樹﹂と呼ばれ、民間療薬として親しまれてもいる。なお、以下の利用方法・治療方法は特記しない場合、過去の歴史的な治療法であり、科学的に効果が証明されたものであることを示すものではない。 葉には収斂︵しゅうれん︶作用があるタンニンのほか、鎮咳︵ちんがい︶作用があるアミグダリンなどを多く含み[6]、乾燥させてビワ茶とされる他、直接患部に貼るなど生薬として用いられる。 枇杷葉は、9月上旬頃に採取して葉の裏側の毛をブラシで取り除き、日干しにしたものである[6]。この枇杷葉5 - 20グラムを600 ccの水で煮出した煮汁を、1日3回に分けて茶のように飲むと、咳、胃炎、悪心、嘔吐、下痢止めに効果があるとされる[2][6]ほか、糖尿病予防、高血圧改善、アレルギー改善に役立つされている[4]。また、あせもや湿疹には、煎じ汁の冷めたもので患部を洗うか、浴湯料として用いられる[2][6]。江戸時代には、夏の暑気あたりを防止する枇杷葉湯に人気があったといわれており、葉に含まれるアミグダリンが分解して生じたベンズアルデヒドによって、清涼飲料的効果が生み出されるといわれている[6]。 種子は、5個ほど砕いたものを400 ccの水で煎じて服用すると、咳、吐血、鼻血に効果があるとされる[2]。種子を焼酎に漬けて、果実酒にもできる[4]。 葉の上にお灸を乗せる︵温圧療法︶とアミグダリンの鎮痛作用により神経痛に効果があるとされる。 ただし、アミグダリンは胃腸で分解されると猛毒である青酸を発生する。そのため、葉などアミグダリンが多く含まれる部位を経口摂取する際は、取り扱いを間違えると健康を害し、最悪の場合は命を落とす危険性がある。詳細は「アミグダリン」を参照
果実酒
氷砂糖とホワイトリカーだけでも作れるが、ビワは酸味が非常に少ないので、果実のほかに皮むきレモンの輪切りを加えて漬け込むとよい[6]。
また、果肉を用いずにビワの種子のみを使ったビワ種酒は、杏仁に共通する芳香を持ち、通の間で好まれる。ビワ酒には、食欲増進、疲労回復に効果があるといわれている[6]。
木材
乾燥させると非常に硬い上に粘りが強く、昔から杖の材料として利用されていた。現在でも上記の薬用効果にあやかり、乾燥させて磨いた物を縁起物の﹁長寿杖﹂と称して利用されている。激しく打ち合わせても折れることがないことから、剣道・剣術用の高級な木刀として利用されている。文化
文学
日本においては梅雨の頃に実がなるため、﹁枇杷﹂及び﹁枇杷の実﹂は仲夏︵芒種︹6月6日頃︺から小暑の前日︹7月6日頃︺まで︶の季語とされている[33]。また冬には、枝先にやや黄色味を帯びた白い五弁の小花を咲かせる。目立たない花ではあるけれどもかぐわしい香りを持ち、﹁枇杷の花﹂や﹁花枇杷﹂あるいは﹁枇杷咲く﹂などは初冬︵はつふゆ‥立冬︹11月8日ごろ︺から大雪の前日12月7日ごろ︺まで︶の季語となっている[34]。ビワにまつわる言葉等
- ビワの木は広く根を張るので家が倒れるなど、いくつか言い伝えがある。
脚注
注釈
出典
- ^ a b 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Eriobotrya japonica (Thunb.) Lindl.”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2020年6月8日閲覧。
- ^ a b c d e 貝津好孝 1995, p. 65.
- ^ a b 【現場から地方創生】伊豆市土肥の白ビワ、商品化相次ぐ 地名度向上に知恵『日本経済新聞』電子版2019年5月28日(2020年2月3日閲覧)
- ^ a b c d e f g h i 川原勝征 2015, p. 122.
- ^ a b c d e 山﨑誠子 2019, p. 72.
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o 田中孝治 1995, p. 158.
- ^ a b c d e f 正木覚 2012, p. 94.
- ^ 川原正勝 2015, p. 122.
- ^ 作況調査 平成24年産 (PDF) 農林水産省 2013年7月19日閲覧
- ^ a b 旬鮮図鑑 びわ 千葉県
- ^ ふじのくに静岡県公式ホームページ > 地域の特産物 > 土肥白びわ(2020年2月3日閲覧)
- ^ 三重県あぐり(農業)ニュース 島田ビワ出荷スタート【JA一志東部】 JA三重中央会
- ^ ビワ初出荷 大玉で高品質 JA淡路日の出 2011年6月
- ^ 甘みたっぷり「灘のビワ」 今シーズン初出荷 兵庫・淡路 産経WEST 2013.6.11
- ^ a b わかやま新報 ビワたっぷりの菓子作り 海南下津高で講座 わかやま新報 2017年06月16日
- ^ 大阪放送局ブログ びわの収穫始まる~和歌山・湯浅町~
- ^ 安芸津のビワ ひろしま文化大百科
- ^ びわ JA香川県
- ^ ビワ 高松産ごじまん品ひろば
- ^ 三豊のくだもの びわ 香川県三豊市
- ^ ビワ(果樹部会) JA松山市
- ^ えひめ中央農業協同組合 唐川びわ えひめの食財ファイル
- ^ 特産品を買う・味わう びわ 室戸市観光協会
- ^ 高倉びわ出荷始まる 毎日新聞
- ^ 佐賀の農畜産物 JAさが
- ^ 農畜産物 長崎びわ 長崎県
- ^ 農産物(県産品) びわ 熊本県
- ^ 大分市のあらまし ビワ 大分市
- ^ おはようサンデー 安元佳奈のもっと教えて!農業 OBSラジオ
- ^ 果物 びわ JA鹿児島県経済連
- ^ 池上保子『おいしくてクスリになる食べもの栄養事典』(日本文芸社・日文実用PLUS) 95ページ
- ^ 農林水産省による注意喚起の記事 農林水産省 平成29年12月28日更新
- ^ "きごさい時記「枇杷(びわ)」".(NPO法人季語と歳時記の会, 2011/02/16). 2015年12月17日閲覧
- ^ "きごさい時記「枇杷の花(びわのはな)」".(NPO法人季語と歳時記の会, 2011/04/21). 2015年12月17日閲覧
参考文献
●貝津好孝﹃日本の薬草﹄小学館︿小学館のフィールド・ガイドシリーズ﹀、1995年7月20日、65頁。ISBN 4-09-208016-6。 ●川原勝征﹃食べる野草と薬草﹄南方新社、2015年11月10日、121頁。ISBN 978-4-86124-327-1。 ●田中孝治﹃効きめと使い方がひと目でわかる 薬草健康法﹄講談社︿ベストライフ﹀、1995年2月15日、158頁。ISBN 4-06-195372-9。 ●正木覚﹃ナチュラルガーデン樹木図鑑﹄講談社、2012年4月26日、94頁。ISBN 978-4-06-217528-9。 ●山﨑誠子﹃植栽大図鑑﹇改訂版﹈﹄エクスナレッジ、2019年6月7日、72 - 73頁。ISBN 978-4-7678-2625-7。関連項目
外部リンク
- ビワ(枇杷) - 素材情報データベース<有効性情報>(国立健康・栄養研究所)