切手趣味週間
切手趣味週間︵きってしゅみしゅうかん︶とは切手の健全な収集をはかるため、日本の郵政記念日︵旧・逓信記念日︶の4月20日を含む1週間に設定されている週間である。
歴史[編集]
切手趣味の普及を図る目的で1947年に当時の逓信省が﹁切手趣味の週間﹂として設けた[1]。1957年までは11月に行われていたが、1958年より郵政記念日︵旧・逓信記念日︶の4月20日を中心に行われることになった[2]。これを記念する切手も発行されており、最初の年は普通切手を小型シートに収めたものだったが[3]、翌年には初めて切手趣味週間オリジナルの記念切手が発行され、菱川師宣の﹃見返り美人﹄が図案に採用された。この切手は高額印紙用の目打ちを利用して作られたこともあり、翌年に発行された歌川広重の﹃月に雁﹄とともに日本の切手の中では最大のサイズとなった[4]。﹃見返り美人﹄は日本の記念切手の代名詞といわれ、郵便創業120年にあたる1991年にも採用されている[5]。その後、記念切手の発行は一時中断したが、1955年以降は毎年発行している[6]。近年は日本郵趣協会のキャンペーンにより会員が全国各地でミニ切手展を開くなど、実効のある週間となってきている。発行切手一覧[編集]
●1947年‥葛飾北斎﹁山下白雨﹂の富士 普通切手︵第1次新昭和1円切手︶5枚を組み合わせ、小型シートの形で発行[7]。 ●1948年‥菱川師宣﹁見返り美人﹂ ●1949年‥歌川広重﹁月に雁﹂ ●1954年‥法隆寺観音菩薩像 普通切手︵第2次動植物国宝10円切手︶10枚を組み合わせ、小型シートの形で発行[6]。 ●1955年‥喜多川歌麿﹁ビードロを吹く娘﹂ ●1956年‥東洲斎写楽﹁市川蝦蔵﹂ ●1957年‥鈴木春信﹁まりつき﹂ ●1958年‥鳥居清長﹁雨中湯帰り﹂ ●1959年‥細田栄之﹁浮世源氏八景﹂ ●1960年‥三十六歌仙絵巻﹁伊勢﹂ ●1961年‥﹁舞妓図屏風﹂の1曲 ●1962年‥狩野長信﹁花下遊楽図﹂より ●1963年‥﹁本多平八郎姿絵﹂の一部︵通称﹁千姫﹂︶ ●1964年‥源氏物語絵巻﹁宿木﹂ ●1965年‥上村松園﹁序の舞﹂ ●1966年‥藤島武二﹁蝶﹂ ●1967年‥黒田清輝﹁湖畔﹂ ●1968年‥土田麦僊﹁舞妓林泉﹂ ●1969年‥小林古径﹁髪﹂ ●1970年‥岡田三郎助﹁婦人像﹂ ●1971年‥鏑木清方﹁築地明石町﹂ ●1972年‥中村岳陵﹁気球揚る﹂ ●1973年‥岸田劉生﹁住吉詣﹂ ●1974年‥伊東深水﹁指﹂ ●1975年‥﹁松浦屏風﹂ ●1976年‥﹁彦根屏風﹂ ●1977年‥﹁機織図﹂ ●1978年‥﹁寛文美人図﹂ ●1979年‥﹁立美人図﹂ ●1980年‥西川祐信﹁春の野遊図﹂ ●1981年‥鈴木春信﹁見立夕顔﹂ ●1982年‥鳥居清長﹁待乳山の雪見﹂ ●1983年‥喜多川歌麿﹁台所美人﹂ ●1984年‥東洲斎写楽﹁大谷鬼次の奴江戸兵衛﹂﹁岩井半四郎の乳人重の井﹂ ●1985年‥竹久夢二﹁北方の冬﹂﹁朝の光へ﹂ ●1986年‥菊池契月﹁南波照間﹂ ●1987年‥橋口五葉﹁髪梳ける女﹂﹁化粧の女﹂ ●1988年‥鳥居言人﹁長襦袢﹂﹁帯﹂ ●1989年‥北野恒富﹁阿波踊﹂ ●1990年‥太田聴雨﹁星をみる女性﹂ ●1991年‥菱川師宣﹁見返り美人﹂、山川秀峰﹁序の舞﹂ 郵便事業120周年記念切手として発行。 ●1992年‥山口蓬春﹁榻上の花﹂ ●1993年‥堅山南風﹁画室にて﹂ ●1994年‥福田平八郎﹁花菖蒲﹂ ●1995年‥金島桂華﹁画室の客﹂ 阪神・淡路大震災の寄付金︵20円︶付き切手として発行[8]。 ●1996年‥安田靫彦﹁窓﹂ ●1997年‥奥村土牛﹁醍醐﹂ ●1998年‥小林古径﹁罌粟﹂ ●1999年‥堂本印象﹁兎春野に遊ぶ﹂ ●2000年‥橋本雅邦﹁竜虎図﹂ ●2001年‥中村洗石﹁郵便物投函の図﹂ ●2002年‥﹁加茂競馬図屏風﹂ ●2003年‥﹁羊木纈屏風﹂ ●2004年‥森狙仙﹁雨中桜五匹猿図﹂ ●2005年‥伊藤若冲﹁大鶏雌雄図﹂ ●2006年‥円山応挙﹁朝顔狗子図杉戸﹂ ●2007年‥森一鳳﹁猪図﹂ ●2008年‥渡辺省亭﹁花鳥十二ヶ月図﹂﹁葡萄﹂ ●2009年‥于非闇﹁牡丹蜂雀﹂、任伯年﹁牡丹﹂、金島桂華﹁牡丹﹂ 中国・洛陽市で開催された﹁中国2009世界切手展﹂記念として、日中両国の画家による牡丹を題材とする絵画を採用。 ●2010年‥橋本雅邦﹁龍虎図屏風﹂﹁花鳥図﹂、張善孖﹁虎﹂ ●2011年‥豊原国周﹁郵便ノ使音吉﹂、梅堂国政﹁開化幼早学門﹂、三代広重﹁東京開化名所 四日市郵便役所﹂ ﹁切手趣味週間・郵便創業百四十周年﹂の名称で発行。これにちなみ、郵便を題材にしたデザインを採用[9]。 ●2012年‥﹁籬に草花図襖﹂、狩野山楽﹁龍虎図屏風﹂、狩野永納﹁春夏花鳥図屏風﹂[10] ●2013年‥狩野元信﹁四季花鳥図屏風﹂[11] ●2014年‥狩野永叔﹁梅桜小禽図屏風﹂﹁菊ニ鶴図屏風﹂[12][13] ●2015年‥狩野探幽﹁桐鳳凰図屏風﹂[14] ●2016年‥狩野永徳﹁上杉本洛中洛外図屏風﹂[15] ●2017年‥尾形光琳﹁燕子花図屏風﹂[1] ●2018年‥俵屋宗達﹁風神雷神図﹂[16] ●2019年‥鈴木其一﹁朝顔図屏風﹂[17] ●2020年‥尾形光琳﹁紅白梅図屏風﹂[18] ●2021年‥柴田真哉﹁郵便取扱の図﹂、久保田米僊﹁郵便現業絵巻﹂[19] ﹁切手趣味週間・郵便創業150年﹂の名称で発行。 ※図案についてはさくら日本切手カタログよりギャラリー[編集]
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1949年
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1955年
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1957年
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1958年
関連項目[編集]
脚注[編集]
(一)^ ab“特殊切手﹁切手趣味週間﹂の発行︵特殊切手 平成29年度発行一覧︶”. 日本郵便. 2017年4月22日閲覧。
(二)^ 日本郵趣協会 監修﹃ビジュアル日本切手カタログ Vol.1 記念切手編 1894-2000﹄郵趣サービス社、2012年、77頁。
(三)^ 日本郵趣協会 監修﹃ビジュアル日本切手カタログ Vol.1 記念切手編 1894-2000﹄郵趣サービス社、2012年、8頁。
(四)^ 日本郵趣協会 監修﹃ビジュアル日本切手カタログ Vol.1 記念切手編 1894-2000﹄郵趣サービス社、2012年、11,53頁。
(五)^ 日本郵趣協会 監修﹃ビジュアル日本切手カタログ Vol.1 記念切手編 1894-2000﹄郵趣サービス社、2012年、7,238頁。
(六)^ ab日本郵趣協会 監修﹃ビジュアル日本切手カタログ Vol.1 記念切手編 1894-2000﹄郵趣サービス社、2012年、72頁。
(七)^ 日本郵趣協会 監修﹃ビジュアル日本切手カタログ Vol.1 記念切手編 1894-2000﹄郵趣サービス社、2012年、47頁。
(八)^ 日本郵趣協会 監修﹃ビジュアル日本切手カタログ Vol.1 記念切手編 1894-2000﹄郵趣サービス社、2012年、261頁。
(九)^ “特殊切手﹁切手趣味週間・郵便創業百四十周年﹂の発行”. 日本郵便. 2016年8月15日閲覧。
(十)^ “特殊切手﹁切手趣味週間﹂の発行︵特殊切手 平成24年度発行一覧︶”. 日本郵便. 2013年8月31日閲覧。
(11)^ “特殊切手﹁切手趣味週間﹂の発行︵特殊切手 平成25年度発行一覧︶”. 日本郵便. 2013年8月31日閲覧。
(12)^ “特殊切手﹁切手趣味週間﹂の発行︵特殊切手 平成26年度発行一覧︶”. 日本郵便. 2014年3月24日閲覧。
(13)^ “板橋区立美術館の所蔵作品が切手の絵柄になります!︵講座・教室・イベントのご案内︶”. 板橋区立美術館. 2014年9月1日閲覧。
(14)^ “特殊切手﹁切手趣味週間﹂の発行︵特殊切手 平成27年度発行一覧︶”. 日本郵便. 2016年8月15日閲覧。
(15)^ “特殊切手﹁切手趣味週間﹂の発行︵特殊切手 平成28年度発行一覧︶”. 日本郵便. 2016年8月15日閲覧。
(16)^ “特殊切手﹁切手趣味週間﹂の発行︵プレスリリース︶”. 日本郵便. 2018年4月22日閲覧。
(17)^ “特殊切手﹁切手趣味週間﹂の発行︵プレスリリース︶”. 日本郵便. 2019年4月25日閲覧。
(18)^ “特殊切手﹁切手趣味週間﹂の発行︵プレスリリース︶”. 日本郵便. 2020年9月20日閲覧。
(19)^ “特殊切手﹁切手趣味週間・郵便創業150年﹂の発行︵プレスリリース︶”. 日本郵便. 2021年4月20日閲覧。