竜馬がゆく
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竜馬がゆく (りょうまがゆく) | ||
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著者 | 司馬遼太郎 | |
発行日 | 1963年(昭和38年)-1966年(昭和41年) | |
発行元 | 文藝春秋 | |
ジャンル | 時代小説 | |
国 | 日本 | |
形態 | 上製本、文庫本、電子書籍 | |
公式サイト | bunshun.jp | |
コード |
ISBN 978-4-16-710567-9 ISBN 978-4-16-710568-6 ISBN 978-4-16-710569-3 ISBN 978-4-16-710570-9 ISBN 978-4-16-710571-6 ISBN 978-4-16-710572-3 ISBN 978-4-16-710573-0 ISBN 978-4-16-710574-7 | |
ウィキポータル 文学 | ||
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﹃竜馬がゆく﹄︵りょうまがゆく︶は、司馬遼太郎の長編時代小説︵フィクション︶。幕末維新を先導した坂本竜馬を主人公とする。
﹁産経新聞﹂夕刊に1962年6月21日から1966年5月19日まで連載し、1963年から1966年にかけ、文藝春秋全5巻で刊行された。1974年に文春文庫創刊に伴い全8巻で刊行、単行・文庫本ともに改版されている。
司馬の代表作であり、世間一般でイメージされる坂本龍馬像は、この歴史小説の影響が大きいとされている[注 1]。
これまでに、大河ドラマの他に、民放各局でも何度かテレビドラマ化されている。とりわけ萬屋錦之介は中村錦之助時代から、この作品の﹁竜馬像﹂に惚れ込み、中村玉緒や弟の中村嘉葎雄等とも、初版刊行まもない時期に舞台公演をしており、司馬自身の﹁楽屋訪問﹂や﹁打ち上げ﹂での写真もある。
主な登場人物[編集]
坂本竜馬 土佐脱藩の志士。18歳で剣術修行のために出府した際に黒船来航に直面し、衝撃を受ける。勝海舟に師事し、軍艦を手に入れようと奔走する。子供のような一面を持ちつつ、つかみどころのない性格をしている。本作では名前は﹁竜馬﹂と表記される。 勝海舟 幕臣。竜馬の唯一の師匠。 陸奥陽之助 のちに宗光と改名。紀州藩出身。藩の勢力争いに絡み、父親が失脚したことに反発して、若くして脱藩。海援隊に参加し、竜馬の右腕として活躍する。才気煥発に過ぎ、朋輩の受けは今一つである。 おりょう 竜馬の妻。身寄りのない所を竜馬が保護し、寺田屋に住まわせた。初対面の人がはっとするほどの美人だが、思考が自己中心的でいわゆる﹁空気を読まない﹂発言もしばしばある。竜馬の女性関係に過敏で、姉の乙女の話題にすら反応する。 寝待ノ藤兵衛 元盗賊。竜馬の人柄にほれてその使用人のような存在となる。特技を生かし、諜報活動などを行う。 乙女 竜馬の姉。男勝りの性格で、竜馬に与えた影響は計り知れない。のちにおりょうを引き取るが、うまが合わなかったようである。 お登勢 伏見の船宿寺田屋の女主人。面倒見がよく、頭の良い女性。竜馬にほれているが、それを表に出さない。身寄りのないおりょうを養女とする。 お田鶴 土佐藩家老福岡家の娘。坂本家は福岡家預り郷士である。のちに三条実美に仕える。身分の差を越えて竜馬を愛している。平井収二郎の妹で西山志澄の妻となる平井加尾がモデルとされる。 千葉さな子 千葉重太郎の妹。女性ながら、北辰一刀流免許皆伝。竜馬に告白し、閉口した竜馬のあいまいな返事を承諾と受け取った。竜馬の婚約者として、生涯独身を貫いた。 後藤象二郎 土佐藩士。吉田東洋の縁者。竜馬の船中八策を受け入れ、山内容堂に大政奉還を進言する。 武市半平太 土佐藩士。竜馬と並ぶ郷士の頭目的存在。土佐勤王党を結成するが、吉田東洋暗殺、藩政壟断の罪に問われ切腹。 吉田東洋 土佐藩の元参政。土佐勤王党員に暗殺される。書誌情報[編集]
単行本 ●﹃竜馬がゆく﹄ 全5巻(1立志篇,2 風雲篇,3 狂瀾篇,4 怒涛篇,5 回天篇)、文藝春秋、1986年︵原著1963年 - 1966年︶。ISBN 4-16-360065-5, 4-16-360075-2, 4-16-360085-X, 4-16-360095-7, 4-16-360105-8。 ●﹃竜馬がゆく﹄ 全5巻(1立志篇,2 風雲篇,3 狂瀾篇,4 怒涛篇,5 回天篇)︵新装版︶、文藝春秋、1988年。ISBN 978-4-16-362160-9, 978-4-16-362170-8, 978-4-16-362180-7, 978-4-16-362190-6, 978-4-16-362200-2。 愛蔵版 ●﹃竜馬がゆく﹄ 全8巻、文藝春秋、1981年-1982年。ISBN 978-4-16-363010-6, 978-4-16-363020-5, 978-4-16-363030-4, 978-4-16-363040-3, 978-4-16-363050-2, 978-4-16-363060-1, 978-4-16-363070-0, 978-4-16-363080-9。 文庫版 ●﹃竜馬がゆく﹄ 全8巻、文藝春秋︿文春文庫﹀、1983年︵原著1974年-1975年︶。ISBN 978-4-16-710509-9, 978-4-16-710510-5, 978-4-16-710511-2, 978-4-16-710512-9, 978-4-16-710513-6, 978-4-16-710514-3, 978-4-16-710515-0, 978-4-16-710516-7。 ●﹃竜馬がゆく﹄ 全8巻︵新装版︶、文藝春秋︿文春文庫﹀、1998年。ISBN 978-4-16-710567-9, 978-4-16-710568-6, 978-4-16-710569-3, 978-4-16-710570-9, 978-4-16-710571-6, 978-4-16-710572-3, 978-4-16-710573-0, 978-4-16-710574-7。 全集 ●﹃司馬遼太郎全集 3・4・5﹄ 竜馬がゆく 1・2・3、文藝春秋、1981年︵原著1972年︶。ISBN 978-4-16-510030-0, 978-4-16-510040-9, 978-4-16-510050-8。逸話[編集]
本作品は司馬の代表作の一つで同時に維新の英傑として、今日に至る竜馬像を確立した作品である。﹃司馬遼太郎 歴史のなかの邂逅︵5︶﹄︵中公文庫、2011年︶に作品随想を収録している。 ﹃竜馬がゆく﹄の執筆のきっかけは産経新聞時代の後輩にあたる高知県出身の渡辺司郎︵元産経新聞社常務大阪代表、元大阪市教育委員会委員長︶が遊びに来て ﹁これは仕事で言ってるのではなくて、自分の国の土佐には坂本竜馬という男がいる。竜馬を書いてくれ﹂と依頼されたことがきっかけになっている[1]。依頼された当初は、司馬自身その気がなかったが、後日他の小説の資料あつめをしていると不思議と坂本竜馬が出てきて親しみを覚え、本格的に坂本竜馬を調べてみようと思うようになったと述べている。 当時坂本龍馬の誕生日には諸説あったが、この作品で11月15日を使用したため11月15日に龍馬の誕生日が確立したという逸話がある。 俳優で海援隊のボーカルでもある歌手の武田鉄矢は、高校生の頃にこの﹃竜馬がゆく﹄を読んで、熱烈な龍馬のファンになった。 サザンオールスターズの原由子も産休中に﹃竜馬がゆく﹄を読んだことがきっかけで、龍馬ファンになっている[2]。 司馬は本作品の執筆にあたり、神田神保町の神田古書店街の複数店に依頼し、ワゴン車1台分の当時1400万円相当の古書・古文書を集め購入したという。ちょうりんぼう事件[編集]
1983年9月、京都新聞の広告に、被差別部落民の賤称である﹁ちょうりんぼう﹂という差別語が使われ、部落解放同盟がこれに抗議した。京都新聞社は﹃竜馬がゆく﹄に使われていた言葉を借用したと釈明したため、解放同盟は司馬を糾弾。同年12月に京都部落解放センターの差別確認会の席へ司馬を出席させた。この席で司馬は﹁"長吏"と人間の尊厳について﹂という釈明文を朗読した。ヤジなどで騒然としていた会場は司馬の部落差別に対する批判と明晰な文章によってすぐに静まりかえり、その後糾弾がエスカレートすることはなくなったという。なお司馬は執筆当時、﹁ちょうりんぼう﹂が差別語である事は知らず、古い土佐弁で﹁馬鹿﹂を意味する罵倒語の一種であるとしか認識してなかったと語っており、差別語の指摘を受け出版社へすぐに該当箇所の削除を申し出ている。
テレビドラマ[編集]
1965年版[編集]
1965年4月19日〜1965年11月22日の21:00〜21:30にMBSで放送された。主役‥中野誠也。「竜馬がゆく (1965年のテレビドラマ)」を参照
1968年版[編集]
「竜馬がゆく (NHK大河ドラマ)」を参照
1982年版[編集]
1982年1月2日の12:00~23:53にテレビ東京の12時間超ワイドドラマで放送された。主演は萬屋錦之介。各話タイトル[編集]
●第1部﹁さらば土佐よ・運命を変えた巨人勝海舟﹂ ●第2部﹁勤王佐幕の対決・志なかばに倒る半平太﹂ ●第3部﹁京の動乱・池田屋を襲う近藤勇の新選組﹂ ●第4部﹁寺田屋騒動・西郷と桂、盟約の夜の遭難﹂ ●第5部﹁竜馬暗殺﹂スタッフ[編集]
●原作‥司馬遼太郎 ●脚本‥下飯阪菊馬、沢島正継、岡本育子、武末勝 ●監督‥大洲斎、松島稔 ●音楽‥佐藤勝キャスト[編集]
その他の藩 幕閣・幕臣
その他 |
映像媒体[編集]
●竜馬がゆく DVDBOX 発売日‥2001年12月21日‥2010年3月12日 ●竜馬がゆく 第1巻 発売日‥2001年12月21日 ●竜馬がゆく 第2巻 発売日‥2001年12月21日 ●竜馬がゆく 第3巻 発売日‥2001年12月21日 ●竜馬がゆく 第4巻 発売日‥2001年12月21日 ●竜馬がゆく 第5巻 発売日‥2001年12月21日1997年版[編集]
1997年1月1日18‥00〜23‥09にTBSで放送された︵TBS大型時代劇スペシャル枠︶。 第一部 ﹁立志﹂、第二部 ﹁黎明﹂、全2部構成。スタッフ[編集]
●監督‥脇田時三 ●脚本‥長坂秀佳 ●音楽‥篠原敬介 ●語り‥林美雄 ●主題歌‥沢田知可子&KATSUMI﹁生きる歓び﹂ ●製作‥TBS、テレパックキャスト[編集]
土佐藩 長州藩 |
薩摩藩 その他 |
映像媒体[編集]
- 竜馬がゆく 発売日:2004年11月26日
2004年版[編集]
スタッフ[編集]
- 脚本:長坂秀佳
- 音楽:川崎真弘
- 主題歌:ASKA「心に花の咲く方へ」
- ナレーター:山寺宏一
- 殺陣:宇仁貫三
- 制作:島川哲雄(テレビ東京)、野田助嗣(松竹)
- プロデューサー補:三好英明(松竹)
- チーフプロデューサー:小川治(テレビ東京)
- プロデューサー:只野研治(テレビ東京)、武田功(松竹)、佐々木淳一(松竹)
- 企画協力:C.A.L
- 監督:松原信吾、奥村正彦
- 製作:テレビ東京、松竹株式会社
キャスト[編集]
※1997年版と同じ長坂秀佳の脚本だが、放映時間が伸びたことで場面、登場人物が追加された他、97年版と同じ場面でもかなり改稿が加えられ、新しい仕上がりの作品となっている。
映像媒体[編集]
- 竜馬がゆく DVDBOX 発売日:2004年9月25日
漫画[編集]
- 「竜馬がゆく」(作画:鈴ノ木ユウ、週刊文春2022年5月5日・12日合併号[4][5] - 2023年5月4日・11日号、9月28日号[6](文春オンライン6月22日[7] - 9月7日)-、既刊8巻)
- 2022年8月23日発売、ISBN 978-4-16-090130-8
- 2022年11月24日発売、ISBN 978-4-16-090140-7
- 2023年2月21日発売、ISBN 978-4-16-090143-8
- 2023年5月29日発売、ISBN 978-4-16-090145-2
- 2023年8月24日発売、ISBN 978-4-16-090150-6
- 2023年11月30日発売、ISBN 978-4-16-090154-4
- 2024年2月20日発売、ISBN 978-4-16-090162-9
- 2024年5月23日発売、ISBN 978-4-16-090171-1
脚注[編集]
注釈[編集]
- ^ 例えば、「坂本龍馬=土佐弁」のイメージが定着したのは、この小説によるとの研究がある。:田中ゆかり『「方言コスプレ」の時代 ニセ関西弁から龍馬語まで』(岩波書店)ISBN 978-4-00-024870-9
出典[編集]
(一)^ 司馬遼太郎が語る日本 週刊朝日 11-20増刊 1996年 時代を超えた竜馬の魅力 P57
(二)^ 原由子﹃あじわい夕日新聞~夢をアリガトウ~﹄P56 - 57、朝日新聞出版、2013年
(三)^ 番組エピソード 大河ドラマ﹃竜馬がゆく﹄ -NHKアーカイブス
(四)^ “司馬遼太郎の歴史小説﹃竜馬がゆく﹄が初の漫画化! コミカライズを手掛けるのは﹃コウノドリ﹄の鈴ノ木ユウ。4月28日から連載スタート”. ファミ通.com. (2022年4月2日) 2022年4月3日閲覧。
(五)^ “﹁コウノドリ﹂鈴ノ木ユウ、司馬遼太郎の﹁竜馬がゆく﹂を初のコミカライズ”. コミックナタリー. (2022年4月2日) 2022年4月3日閲覧。
(六)^ “﹁週刊文春﹂に漫画﹁竜馬がゆく﹂の連載が復活!”. PR TIMES (2023年9月21日). 2023年9月21日閲覧。
(七)^ “︻新連載︼﹁たった一人で天下を変貌させる﹂坂本竜馬、“日本を変えた”旅の始まりと終わり︻平日毎日連載︼”. 文春オンライン. 文藝春秋社 (2023年4月11日). 2023年4月28日閲覧。
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
- 新春ワイド時代劇「竜馬がゆく」公式サイト
- 漫画『竜馬がゆく』公式@週刊文春 (@ryoma_bunshun) - X(旧Twitter)
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