新しい地下鉄﹁クロスレール﹂の建設や再開発が進む英国ロンドン。新しい街をつくるため掘られた地下から、歴史を物語る遺物が次々と見つかっている。 文=ロフ・スミス/写真=サイモン・ノーフォーク ロンドンのように歴史のある大都市では、舗道の敷石の下からも、実にさまざまなものが出てくる。紀元1世紀のフレスコ画から、中世のアイススケート靴、さらにはゾウの歯まで見つかっている。 ロンドンはヨーロッパでも最古の都の一つで、いつの時代にも絶え間なく多くの人々が行き交い、暮らしてきた。ローマ人、アングロサクソン人、ノルマン人の都となり、チューダー朝やジョージ朝が繁栄した。そして上流階級の道楽者が町を闊歩する摂政時代を経て、ビクトリア朝を迎えた。 時代が変わるたびに、考古学的に貴重な遺物が積み重なり、深いところでは9メートルに達する地層ができた。現代のロンドンはそうした歴史の上に発展しているのだ。 建設ラッシ
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