◆統一地方選挙の前半戦が終われば、動き出すと見ていたのだが、小沢一郎元代表と鳩山由紀夫前首相が、ようやく動き始めた。4月12日、都内で会談し、民主党が統一地方選挙の敗北したことや、菅直人首相の福島第1原発大事故への対応について、菅直人政権を批判する共同声明をまとめる調整、準備に入ったという。
朝日新聞asah.comは4月13日午前5時1分、﹁小沢・鳩山両氏、政権批判の声明準備 党内抗争が再燃﹂とい見出しをつけて、以下ように報じた。
. ﹁民主党の小沢一郎元代表は12日、鳩山由紀夫前首相と都内で会談し、統一地方選の敗北や原発事故の対応について菅政権を批判する共同声明文をまとめる調整に入った。政権批判は執行部内や中間派にも広がりつつあり、東日本大震災で沈静化していた党内抗争が再燃してきた。共同声明文の原案は原発事故に対する初動の遅れを指摘し、﹃菅政権の対応は深刻な惨禍を招きかねない﹄と主張。統一地方選の結果は﹃国民からの警告﹄としている。小沢氏は鳩山氏との会談で原発事故について﹁今さらレベル7とは何事だ﹂と批判。同日夜には都内の自宅に直系議員グループ﹁一新会﹂の議員を招集して今後の対応を協議した。12日の党代議士会では小沢グループの村上史好氏が﹃成績がふるわなければ指導部が代わってチームを立て直すのが普通だ﹄と執行部刷新を要求。木内孝胤氏も﹃公正な組織運営をしないと何も進まない﹄と続いた。岡田克也幹事長は﹃力不足も当然ある。申し訳ない﹄と陳謝したが、﹃大事なことは党がまとまっていること﹄として菅直人首相や自身の辞任は否定した。だが、首相の責任を問う声は収まらない。小沢氏に近い平田健二参院幹事長は会見で﹃一定のけじめをつけなければならない選挙結果だ。誰も責任を取らないとますます国民の信頼を失いかねない﹄と指摘。中間派の小沢鋭仁前環境相も自らのグループの会合で﹃復興に向け政治体制をどう作るかが課題だ﹄と述べ、第1次補正予算成立後の首相退陣を求めた﹂
この記事にも書かれているように、国政選挙であろうと地方選挙であろうと、選挙の現場責任者は、民主党では、岡田克也幹事長である。しかし、統一地方選挙で負けたことについて﹁国政選挙ではないから﹂と言い訳して、責任を取ろうとしていない。それならば、国政選挙の1つである﹁衆院6区補欠選挙﹂に候補者を擁立できないで不戦敗となっている責任は、どうなるのか。岡田克也幹事長は、﹁原理主義者﹂と言われていながら、﹁無責任﹂も原理主義なのであろうか。
12日の民主党代議士会で、出席者から﹁﹃幹事長はいつまでそこに座っているんだ﹄とヤジが飛ぶと、﹃誰だ、今言ったのは、手を挙げて言え﹂と激高する場面もあつた﹂と朝日新聞(13日付け朝刊﹁政治面=5面﹂が伝えている。
民主党は、菅直人政権、岡田克也執行部ともに、いまや、ガタガタでガバナビリティが
急速に崩壊しつきている。
◆これは、いつもの﹁政局﹂云々の話ではない。このまま指導力なき菅直人首相を続投させて、﹁失政﹂による被害者を増やしていいものかどうかが問われている。東日本大震災被災者を1か月も、2か月も、さらにそれ以上も避難先で苦痛を強いていいのかという問題である。被災者の救済もロクに進んでいないにもかかわらず、また、瓦礫撤去などの復旧も遅々とし進展していないのに、菅直人首相は、﹁復興構想会議﹂に都市計画専門家や国土交通省など実務者を排除して、復興からは程遠い有識者を寄せ集めて、議論させようとしている。これまでに、数えるのが煩わしくなるほどの﹁対策本部﹂﹁委員会﹂﹁会議﹂を乱立させて、貴重な時間を空費させているのだ。この時間空費の陰で、被災者が犠牲になり、なかには、命を失う者が出てきている。
◆一体全体、菅直人首相は、なぜかくも多くの﹁対策本部﹂﹁委員会﹂﹁会議﹂を乱立させているのか。答えは、ただ1つ、首相執務室でも﹁孤独﹂に耐えられないからである。多くの人間が、自分を取り囲んで、ワイワイ、ガヤガヤ、エンドレスに議論しているときだけが、楽しく、安心感のある時間を過ごすことができる。﹁対策本部﹂﹁委員会﹂﹁会議﹂は、菅直人首相を孤独から解放してくれる﹁トランキライザー﹂、すなわち精神安定剤となるのである。国民のめではない。菅直人首相ただ1人のためでなのある。
最悪なのは、菅直人首相が﹁対策本部﹂﹁委員会﹂﹁会議﹂を乱立させて、毎日毎日、議論ばかりしていることにより、﹁仕事をしている﹂と自己満足に陥っているところにある。しかも、もつと悪いことは、マスメディアの大半が、﹁こんなときに、政局にうつつを抜かしている暇はない﹂﹁しばらく菅直人首相に震災対策をしてもらった方がよい﹂などと、政権継続を容認している点だ。それでも、4月12日、内閣記者会での記者会見で、記者団のなかから、﹁現実問題として与野党協議しても、最大の障害となっているのは首相の存在であり、後手に回った震災対応でも首相の存在自体が、国民の不安材料になっている。一体、何のために、その地位にしがみとついていらっしゃるのか﹂と鋭い質問をぶっつけた記者がいたのには、感心されられた。勇気ある記者である。おそらく、これは内閣記者会内での﹁空気﹂を代表しているものと思われる。これに対して、菅直人首相は﹁私とあなたの見方はかなり違っているとしか申し上げようがありません﹂といつものように、言い返し、はぐらかし答弁でスルリと逃げていた。しかし、この小ズルい答弁もいつまで続けられるか。もはや時間の問題になってきている。
◆米国のヒラリー・クリントン国務長官は17日、来日する。菅直人政権に対して、本音では見捨てていると言われていながら、米国は、小沢一郎元代表と名古屋市の河村たかし市長の﹁減税日本﹂など地方政党が勢力を拡大してくるのを恐れている。とくに米国最大財閥デイビッド・ロックフェラーの警戒心は、相当に強いと言われている
ヒラリー・クリントン国務長官は、福島第1原発大事故の制圧について、全面協力を約束すると同時に﹁小沢一郎元代表に政権を奪われるな﹂と菅直人首相を引き締める目的で来日する見られている。ヒラリー・クリントン国務長官はデイビッド・ロックフェラーのいわば﹁お使い﹂とも言える。デイビッド・ロックフェラーの側近であるジョゼフ・リバーマン上院議員(コネチカット州選出)の愛人であればこその役割である。
先日、予告いたしました新刊本が出来上がりました。全国一般書店での発売は、来週からになります。
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