チアリーダー
スポーツにおける応援を先導するチーム
チアリーダー︵英: cheerleader[1]︶は、スポーツ︵アメリカンフットボールなど︶における応援を先導するチームのことである。
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お祭りで踊る米国の高校生チアリーダーたち
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米国NFLプロボウルで。左からチーム不明、フォーティナイナーズ、 ジャガーズ、バイキングズ、バッカニアーズ。︵2006年︶
日本では一般的にチアガール、男性の場合はチアマンとも言われているが、これらは両者ともに和製英語である。cheer girl や cheer boy という単語は存在するが、スポーツ競技の応援に携わるものという一般的な意味では、英語圏で用いられることはない。
カタカナ語としてのチアリーダーはアメリカの応援を先導するスタイルを行う物を示し、応援の先導の一般的な物を示すものではない。そのため応援団はチアリーダーとは呼ばれない。
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概要
元々応援団はアメリカ合衆国で凱旋将軍の帰還時にそれを歓迎する意味で応援団風にまとめたという説[要出典]、あるいは大学のスポーツチームの応援に際して先導する人物達がいて、それで応援を盛り上げるという説など、起源には様々な憶測が挙げられているが、一般的には女性の応援チームのことを指している。
チアリーダーはアメリカの大学でアメリカンフットボール︵アメフト︶の応援をする男性のチームが発祥とされている。米国大統領のドワイト・D・アイゼンハワー、フランクリン・ルーズベルト、ロナルド・レーガン、ジョージ・H・W・ブッシュやジョージ・W・ブッシュらも学生時代チアリーダーであった。
﹁チアリーダー﹂とは応援を先導 (lead) するチームのことでチームのリーダーという一人のことではない︵ちなみに綴りは共にleader︶。
道具と衣装
派生した関連競技・種目
チアリーディング
詳細は「チアリーディング」を参照
チアリーダーが行うスポーツ競技であり、チアダンス(踊り)の要素に加え、スタンツ(組体操のようなもの)やタンブリング(バック転などアクロバティックな要素)を交えたものである。
2分15秒〜2分30秒程度の演技を16人〜24人(大会によって差異あり)で行う採点競技である。
パフォーマンスチア
チアリーディングから派生したスポーツ競技である。アメリカでは﹁Pom Dance︵ポンダンス ポンポンとダンスを組み合わせた造語︶﹂とも呼ばれる。これはチアリーディングのうち、踊りの部分に特化したもので、競技会の場合は2分30秒の競技時間が設定されており、ポンポンダンス、ラインダンス、ジャズダンス、ヒップホップの4種類を取り入れ、その表現力や完成度を審査する。ダンスチアとも称す。
21世紀以降、競技人口の増加とともに、年齢の幅も広がり、またシニアを対象とした指導などを行う日本シニアチア協会がある。
スポーツ︵アメフット以外︶での応援はこのチアダンスの要素を取り入れる傾向が多いが、読売ジャイアンツやアルビレックス新潟など、フィールドパフォーマンスでチアリーディングの要素である組体操などを組み合わせる場合もある。日本ではバトン部のバトントワラーがチアダンスのチアリーダーを兼任することもある。
ソングリーダー
ソングリーダーとはチアリーディングのスタンツが無い物である。ソングリーディングとも称す。なおチアリーディングにはない、ソングリーディング特有の動きも存在する。
バトンチア
アメリカ合衆国におけるチアリーダー
位置付け
一般にアメリカ合衆国の学校においては、チアリーダーの女子生徒らはちょうどジョックの女子版︵クイーン・ビー︶に相当し、生徒らの中の典型的な﹁人気者集団﹂を形成することがしばしばである。
大衆文化においても、﹁人気者︵ポピュラー︶な女子学生﹂の典型として描かれやすい。いわば﹁花形﹂であるために競争も非常に激しく、チアリーダーになるための英才教育を子供の頃から施されるという女児も多い。
プロは米国ではアメフトNFLの女子チアリーディングチームが有名。
事件
日本におけるチアリーダー
初期
当初は、アメリカのカレッジスポーツやアメリカンフットボールの応援シーンからの見よう見まねの模倣から入ってきたものである。
女性がミニスカートを履いて応援に参加するものは、バトントワリングチームも含めて総称としてチアガールと呼んでいた時期があったが、上記にあるバトンチアを例外とすると、バトントワリングチームとチアリーダーチームとは本来は全く性質が異なる別なものである。
競技専門部
チアダンス(踊り)だけでなく、組体操やアクロバティックな要素も加わり、やがてスポーツ競技として発展し、学校等ではクラブ活動、サークルとして設けられるようになった。
応援指導部
チアリーダーチーム出身の著名人
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その他
テレビにおけるチアリーダー
●1980年11月 - 1981年10月にTBS系列でドラマ﹁GOGO! チアガール﹂が放送された。これが日本で最初のチアリーダードラマである。高校のチアリーディング部を舞台にした青春ドラマで、三原じゅん子︵当時は三原順子︶や島田歌穂、日高のり子ら当時の女性トップアイドルが出演して、プロCheerleaderチームPISCESが指導した。
●2004年4月放送の日本テレビの特番ドラマ﹁天国への応援歌 チアーズ〜チアリーディングにかけた青春〜︵番組サイト︶﹂︵主演:石原さとみ︶は、大阪府の箕面自由学園高等学校のチアリーディング部をモデルにした物語だった。読売テレビが製作したドキュメンタリー﹃天国への応援歌 〜めざせ!日本一のチアリーダー﹄ が原案で、同校の先輩部員が交通事故で夭折したことをきっかけに、一致団結した後輩チアリーディング部員の活躍を描いたものである。その時演技指導したのは桜美林大学のチアリーディング部であった。
●2004年10月 - 2005年3月放送のNHK連続テレビ小説﹁わかば﹂で、ヒロイン・高原若葉︵原田夏希︶は学生編で大学のチアリーディング部に入って活動している。NHKの番組宣伝用ポスターでもチアガールになった若葉の写真がデザインされたヴァージョンがある。防火週間啓発ポスターにも同様のものが使用された。大学のチアリーディング部の部員は日本文理大学チアリーディング部の部員︵当時︶が演じている。
●フジテレビで放送されていた水10!の第1部﹁ワンナイR&R﹂において、ゴリが演じるキャラクターの一人﹁松浦ゴリエ﹂が、CDのプロモーションビデオでチアダンスを披露している。2005年秋から2006年にかけて、一般視聴者を対象とした ゴリエ杯チアダンス選手権 を開催し、入賞チームはゴリエとプロモーション活動ができる特典があった。また、2005年末のNHK紅白歌合戦にも紅組のメンバーとして出演した。
●2005年12月放送のフジテレビ系﹁カスペ!・部活﹂と題した芸能人のスポーツや文化活動のチームのドキュメンタリー番組で、ソニン、西村知美、保田圭、神取忍らによって結成された芸能人のチアガールチーム﹁お台場レインボーチアーズ﹂が取り上げられた。
プロスポーツとの関係
●サッカーJリーグでは、球団専属の公式チアリーディングチームとして札幌のコンサドールズ、仙台のベガルタチアリーダーズ、千葉のジェット・スフィーン、横浜FMのトリコロールマーメイズ、カターレ富山のLeap-Blue︵リープ ブルー︶、清水のORANGE WAVE、G大阪のガンバ大阪チアダンスチーム、徳島のBLUE SPIRIT、鳥栖のサガンティーナがあり、Jリーグ球団以外のチームのチアも掛け持つ川崎のフロンタールズ、新潟のアルビレックスチアリーダーズがある。これらの他にもキッズのチアリーディングチームが公式に活動している球団もある。
●プロ野球 (NPB) 12球団中、広島を除く11球団にチアリーディングチームがある︵参照︶。北海道日本ハムファイターズのチアリーダー﹁ファイターズガール﹂に2004年︵札幌移転初年度︶、当時地元放送局・北海道放送のアナウンサーだった邑田みさきが、また2005年に新規加盟を果たした東北楽天ゴールデンイーグルスのオフィシャルチアリーダーに地元在住の44歳︵オーディション開催時︶の主婦がそれぞれ合格し話題を集めた。
●プロバスケットボールbjリーグでは、2007-08シーズンよりチアリーダーを対象とした﹁ベストパフォーマンス賞﹂が設けられ、初代ベストパフォーマンス賞には埼玉ブロンコスのブロンコスチアリーダーズ&PONYS GREENが輝いた。ブロンコスチアリーダーズには地元出身の舞台女優である新田千尋が所属している。
●北米メジャースポーツのひとつメジャーリーグベースボールは、NFL・NBAに比べてチアリーディング応援は定着していないが、近年はマイアミ・マーリンズなどチアリーダーを結成する球団も現れている。
●また、ヨーロッパではドイツサッカー・ブンデスリーガでチアリーダーを持つクラブが存在する。
●NFLのオークランド・レイダースのチアリーダーが起こした訴訟によると、拘束時間が長い割に報酬は低額であり、時給換算すると5ドルに満たず、ユニフォームや小道具、化粧、美容院などの代金はすべて自腹となっている[3]。
●2017年、アメリカ合衆国を中心に、#MeToo運動によりセクシャルハラスメントの告発が相次ぐと、フットボールやバスケットボールチームのチアリーディング関係者からも内部告発などが行われた。NFLのニューオーリンズ・セインツとマイアミ・ドルフィンズの元チアリーダーらが、チームなどを相手取り、差別的な扱いを受けたとして訴訟を起こしたほか、2018年5月には、ワシントン・レッドスキンズのチアリーダーらが、リゾート地での写真撮影や男性のエスコートを行っていたことが報道された[4]。こうした流れの中で、同月、NBAのサンアントニオ・スパーズは、チアリーディングチームを解散させ、新たに男女混合エンターテインメント集団を起用する方針を発表している[5]。
チアリーダーを題材にした作品
映画
- Cheerfu11y(ユニバーサル ミュージック、2011年)
- 「チアーズ」シリーズ
- チア☆ダン〜女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話〜
ドラマ
漫画・アニメ
脚注
出典
(一)^ アメリカ英語発音‥[ˈtʃɪrli(ː)dər]
(二)^ ﹃USAスポーツ狂騒曲 アメリカは今日もステロイドを打つ﹄ P.24 町山智浩 ISBN 9784087805161
(三)^ 出崎敦史 (2013年11月15日). “︻出崎敦史のスポーツ言いたい放題︼同情するなら金をくれ、訴訟でわかった米チアリーダー貧乏物語”. 産経新聞 2013年11月15日閲覧。[1][リンク切れ]
(四)^ “アメフト、チアリーダーの扱いめぐり非難殺到 トップレス撮影も強要か”. AFP (2018年5月4日). 2018年5月22日閲覧。
(五)^ “スパーズがチアチーム解散、NBA初の決定でダンサーに衝撃”. AFP (2018年5月22日). 2018年5月22日閲覧。