やさしいライオン
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﹃やさしいライオン﹄は、やなせたかしによる幼児向け絵本。また、基になったラジオドラマや当作を原作としたアニメ映画などの派生作品。
概要
ライオンのブルブルと、ブルブルを育てた犬のムクムクの親子の絆を描いている[1]。全国学校図書館協議会選定図書。日本図書館協会選定図書。厚生省中央児童福祉審議会推薦。 ﹁ドイツの動物園で犬がライオンを育てた﹂という話にアイデアを得たやなせが、当初はコントとしてストーリーを創造。これが紆余曲折を得て、1967年に文化放送にてラジオドラマとして放送される。その評判がよかったことから、1969年に﹁トッパンのおはなしえほん﹂シリーズ︵後に﹁キンダーおはなしえほん﹂シリーズ︶の一冊としてフレーベル館より絵本が刊行された[2]。1975年以降は改訂版が刊行されているほか、紙芝居も作られた。 やなせは本作が絵本作家デビュー作となった。また、本作のヒットがきっかけでやなせは子ども向け絵本の仕事が増加したという[2]。 ラジオドラマ放送時に磯部俶作曲、ボニージャックス歌唱による楽曲が製作され、後に映画でも使用された。 やなせ本人は後年、本作について以下のように語っている。 ﹁やさしいライオン﹂がなければアンパンマンも絵本化されなかったと思う。﹁やなせさんの作品のなかでは、やさしいライオンがいちばんいいですね﹂といわれることが多い。 今見ると絵が下手くそではずかしいが、技術的に未熟な欠点を超えて多くの人に愛されてきたことは作者としてはうれしい限りである。 絵本、ステージ、紙芝居、CD-ROMと﹁やさしいライオン﹂は今も走り続けていて、すっかり古典のスタンダードになってしまった。 望外のことである。 — やなせたかし[3]あらすじ
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映画
やさしいライオン | |
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脚本 | やなせたかし |
原作 | やなせたかし |
製作 | 手塚治虫 |
音楽 | 磯部俶 |
撮影 | 森昭彦 |
編集 | 松浦典良 |
製作会社 | 虫プロダクション |
配給 | 東宝 |
公開 | 1970年3月21日 |
上映時間 | 24分41秒 |
製作国 |
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言語 | 日本語 |
1970年春、東宝チャンピオンまつりの一作として公開。第12回児童福祉文化奨励賞や第24回毎日映画コンクールの大藤信郎賞を受賞[4]。上映会用に16mmフィルムが生産されたほか、1983年にはVHSソフトも発売された[5]。
1998年には﹁乞食﹂や﹁啞﹂など一部の台詞を変更し、新たな声優を起用して音声を録り直したリニューアル版が製作された。現在、メディア化され市場で流通しているのはこちらである。
製作経緯
大人向けアニメーションを目指した劇場用映画﹃千夜一夜物語﹄の製作総指揮をとっていた手塚治虫は、当時大人向け漫画を手がけていたやなせに︵絵柄も気に入ったことから︶美術とキャラクターデザインを直接依頼。映画は1969年に公開されヒット作となった。これをやなせの功績と考えた手塚は、ヒットの御礼としてやなせに﹁やなせさんの好きな映画、うちのスタッフを使って何でも作ってください。お金は全部ぼくが出します﹂と発言。こうして完成したのが本作である[6]。 製作は、手塚が立ち上げた虫プロダクションが行った。当初、社内の役員会議では﹁そんな実験映画に予算は付けられない﹂と反対意見もあったが、最終的に﹁手塚先生のポケットマネーでやる﹂ことになり製作されたという[7]。声の出演
※オリジナル版 ●久里千春[8] ●増山えい子[8] ※リニューアル版 ●かないみか ●千々松幸子スタッフ
●製作: 手塚治虫 ●原作・演出・美術: やなせたかし ●製作担当: 富岡厚司 ●補佐: 下崎潤 ●企画協力: 西北プロダクション ●原動画: 赤堀幹治、中村和子、上口照人、金山明博、松山マヤ、渡辺佳子、内海武雄、山守博昭 ●背景: 阿土延子、西村邦子、田辺めぐみ ●トレス: 島野昌子 ●彩色: 阿部マリ子 ●ブラシ: 橋爪朋二 ●撮影: 森昭彦 ●編集: 松浦典良 ●現像: 東洋現像所 ●作曲: 磯部俶 ●作詞: やなせたかし ●編曲: 寺島尚彦 ●演奏: 寺島尚彦とリズムシャンソネット+ストリングス ●歌: ボニー・ジャックス、久里千春︵ブルブルの子守歌︶ ●音響: 田代敦巳︵TAC︶ ●効果: 石田サウンドグループ ●録音: 東京スタジオセンター ※リニューアル版のみ- 音響: 本吉伊都子
- 調整: 飯塚秀保
- 音響制作: グロービジョン、乾宏雄
脚注
(一)^ “やなせたかし最初の絵本﹃やさしいライオン﹄親子の固い絆を描く”. ブックオフオンラインコラム. 2021年6月29日閲覧。
(二)^ ab“絵本作家インタビュー vol.24 絵本作家 やなせたかしさん︵前編︶”. ミーテ 絵本子育てサイト. 公文教育研究会. 2021年6月29日閲覧。
(三)^ “やさしいライオン”. やなせスタジオ. 2021年6月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年11月8日閲覧。
(四)^ “過去の児童福祉文化賞受賞作品一覧”. 児童健全育成推進財団. 2021年6月29日閲覧。
(五)^ ﹁アニメファンのための実用講座・第3弾﹂﹃月刊OUT﹄、みのり書房、1983年1月号。
(六)^ “その7人生はわからん - やなせたかし×糸井重里”. ほぼ日刊イトイ新聞 (2013年8月14日). 2021年6月29日閲覧。
(七)^ “やさしいライオン”. gooブログ. 2021年6月29日閲覧。
(八)^ abラジオドラマでも同じ役を担当。
外部リンク
絵本
映画