オロノ (メイン州)
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オロノ︵Orono︶は、アメリカ合衆国メイン州のペノブスコット郡にある町。州中央部の主要都市バンゴーの北東12kmに位置する。人口は1万1183人︵2020年︶[1] 。町はメイン大学がキャンパスを構える学園都市である。町名は周辺一帯のネイティブ・アメリカン、ペノブスコット族の首長であったジョセフ・オロノ︵Joseph Orono︶にちなんでいる。
1806年3月12日にはオロノは正式な町になった。1808年頃、スコットランド出身のジョン・ベノック︵John Bennoch︶とアンドリュー・ウェブスター︵Andrew Webster︶はこの一帯に有していた広大な土地を利用し、現在の町域にあたる地域にプランテーションを創った。このプランテーションはスティルウォーター︵Stillwater︶と名付けられた。やがてこの近辺に住んでいたネイティブ・アメリカンのペノブスコット族の首長で、独立戦争において目覚しい活躍をしたジェセフ・オロノにちなんでオロノと改名された。1820年にはメイン州がマサチューセッツ州から分離して州に昇格した。この頃のオロノは農業によって支えられていた。 やがて1862年、南北戦争の最中に当時の大統領エイブラハム・リンカーンはオロノに州立のランドグラント大学の創設を決定した。3年後の1865年にはメイン州初の州立大学、私立を含めても4校目の大学としてメイン農業・機械大学︵Maine College of Agriculture and the Mechanic Arts︶が創設された。キャンパスは当時の町の中心から1.6km離れたマーシュ島に創られた。創立から3年後の1868年9月21日に大学は開校した。この大学は1897年に現在のメイン大学に改称された。大学ができたことにより若者がこの町に集まるようになり、1870年には人口2,888人を数えた。オロノの位置
オロノは北緯44度53分59秒 西経68度40分28秒 / 北緯44.89972度 西経68.67444度に位置している。バンゴーの北東郊12km、ポートランドの北東約220km、ボストンの北東約390kmに位置している。
アメリカ合衆国統計局によると、オロノ町は総面積51.2km²︵19.8mi²︶である。そのうち47.2km²︵18.2mi²︶が陸地で4.1km²︵1.6mi²︶が水域である。総面積の7.94%が水域である。
町はペノブスコット川の西岸に位置し、支流であるスティルウォーター川︵Stillwater River︶で分かたれている。ダウンタウンはペノブスコット川とスティルウォーター川に囲まれた中州のマーシュ島と本土側の両方に広がっている。メイン大学はマーシュ島側に立地している。町の北約8km、マーシュ島の北端にはオールドタウンの市営空港であるデウィット・フィールド︵Dewitt Field︶がある。同空港はゼネラル・アビエーションと呼ばれる、自家用機およびチャーター機が主に離着陸する空港であり、旅客機の定期便はない。
オロノの気候は典型的なニューイングランドの気候で、涼しく雨の多い夏と寒さの厳しい冬に特徴付けられる。夏の平均気温は摂氏20度ほどである。冬は平均でも氷点下8度ほどで、氷点下10度を下回ることも珍しくない。降水量は1年を通じてほぼ一定で、年間1,000mm程度である。冬の降雪量は月間50cmにも達する。
ライル・E・リトルフィールド観賞植物実験園内で咲く花
また、メイン大学はキャンパス内にある3つの植物園でも知られている。1934年に開園したフェイ・ハイランド植物学プランテーション︵Fay Hyland Botanical Plantation︶はスティルウォーター川の河岸に約40,000m²の敷地を有し、メイン州自生のものをはじめ、世界中の木本植物が植えられている。ライル・E・リトルフィールド観賞植物実験園︵Lyle E. Littlefield Ornamentals Trial Garden︶は植物園と研究所に分かれ、約65,000m²の敷地を有している。草本・木本合わせて2,500種の植物が栽培されており、特にリンゴ︵210種︶、ライラック︵180種︶、ツツジ︵150種︶、マグノリア[要曖昧さ回避]︵30種︶のサンプルが豊富である。その近くには1,400m²の温室、ロジャー・クラップ温室群︵Roger Clapp Greenhouses︶が建っている。初期は3棟の温室からなり、それぞれ1924年、1928年、1932年に建てられた。1977年には改装され、温室が7棟になった。1980年には同校の園芸学教授を長年務めた教授、ロジャー・クラップの名がつけられた。この温室では世界中の熱帯植物や砂漠植物が栽培され、特にバナナやサボテン、多肉植物のサンプルが豊富である。これら3つの植物園は、メイン大学の研究・教育のために使われている部分を除いて、一般に公開されている。
メイン大学はオロノにおける文化面でも重要な位置を占めている。1986年に開館したメイン芸術センター︵Maine Center for the Arts︶はキャンパス内に立地するコンサートホールである。同館ではメイン大学の学生などによる各種演技芸術のほか、全米最古のコミュニティ・オーケストラであるバンゴー・シンフォニー・オーケストラ︵Bangor Symphony Orchestra︶の公演も行なわれている。同館内にはハドソン博物館︵Hudson Museum︶もある。ハドソン博物館はネイティブ・アメリカンの歴史や芸術に関する展示物を揃えている。
歴史[編集]
オロノの歴史は1774年にさかのぼることができる。その年、ジェレミア・コルバーン︵Jeremiah Colburn︶とジョシュア・アイヤーズ︵Joshua Ayers︶の2人はこの地に入植地を建設した。当時はマサチューセッツ州の管轄下にあった。次いでジョン・マーシュ︵John March︶はコルバーンとアイヤーズの入植地の近くを流れるペノブスコット川︵Penobscot River︶の中州に入植した。このことから、この中州はマーシュ島︵Marsh Island︶と名付けられた。1806年3月12日にはオロノは正式な町になった。1808年頃、スコットランド出身のジョン・ベノック︵John Bennoch︶とアンドリュー・ウェブスター︵Andrew Webster︶はこの一帯に有していた広大な土地を利用し、現在の町域にあたる地域にプランテーションを創った。このプランテーションはスティルウォーター︵Stillwater︶と名付けられた。やがてこの近辺に住んでいたネイティブ・アメリカンのペノブスコット族の首長で、独立戦争において目覚しい活躍をしたジェセフ・オロノにちなんでオロノと改名された。1820年にはメイン州がマサチューセッツ州から分離して州に昇格した。この頃のオロノは農業によって支えられていた。 やがて1862年、南北戦争の最中に当時の大統領エイブラハム・リンカーンはオロノに州立のランドグラント大学の創設を決定した。3年後の1865年にはメイン州初の州立大学、私立を含めても4校目の大学としてメイン農業・機械大学︵Maine College of Agriculture and the Mechanic Arts︶が創設された。キャンパスは当時の町の中心から1.6km離れたマーシュ島に創られた。創立から3年後の1868年9月21日に大学は開校した。この大学は1897年に現在のメイン大学に改称された。大学ができたことにより若者がこの町に集まるようになり、1870年には人口2,888人を数えた。
地理[編集]
メイン大学[編集]
オロノはメイン大学がキャンパスを構える大学町である。メイン州ではベイツ大学、ボウディン大学、コルビー大学の私立3校がよく知られているが、これら3校が少数精鋭制を採り、教養に力を入れるリベラルアーツ・カレッジであるのに対し、このメイン大学は約11,000人の学生を抱える州立の中規模総合大学で、実学に力を入れている。特に創立以来からの伝統である工学の分野に強く、経営学や森林学の分野でも知られている。州きっての州立総合大学ということもあり、学生のほとんどはメイン州出身である。人口動態[編集]
以下は2000年の国勢調査における人口統計データである。 基礎データ ●人口: 9,112人 ●世帯数: 2,691世帯 ●家族数: 1,291家族 ●人口密度: 193.2人/km²︵500.3人/mi²︶ ●住居数: 2,899軒 ●住居密度: 61.5軒/km²︵159.2軒/mi²︶ 人種別人口構成 ●白人: 93.54% ●アフリカン・アメリカン: 1.38% ●ネイティブ・アメリカン: 0.95% ●アジア人: 2.39% ●太平洋諸島系: 0.07% ●その他の人種: 0.52% ●混血: 1.15% ●ヒスパニック・ラテン系: 1.21% 年齢別人口構成 ●18歳未満: 11.9% ●18-24歳: 47.9% ●25-44歳: 17.1% ●45-64歳: 13.8% ●65歳以上: 9.3% ●年齢の中央値: 22歳 ●性比︵女性100人あたり男性の人口︶ ●総人口: 102.5 ●18歳以上: 102.1 世帯と家族︵対世帯数︶ ●18歳未満の子供がいる: 21.7% ●結婚・同居している夫婦: 36.6% ●未婚・離婚・死別女性が世帯主: 8.5% ●非家族世帯: 52.0% ●単身世帯: 31.5% ●65歳以上の老人1人暮らし: 10.0% ●平均構成人数 ●世帯: 2.23人 ●家族: 2.81人 収入と家計- 収入の中央値
- 世帯: 30,619米ドル
- 家族: 52,714米ドル
- 性別
- 男性: 35,923米ドル
- 女性: 24,943米ドル
- 人口1人あたり収入: 14,813米ドル
- 貧困線以下
- 対人口: 25.0%
- 対家族数: 10.3%
- 18歳未満: 21.8%
- 65歳以上: 6.2%
参考文献[編集]
- A Gazetteer of the State of Maine. Geo. J. Varney. B. B. Russell. Boston, MA. 1886. [1]
脚注[編集]
- ^ “Quickfacts.census.gov”. 2023年11月24日閲覧。
外部リンク[編集]
- Town of Orono Official Website(英語版)
- History of Orono, Maine(英語版) - A Gazetteer of the State of Maineに記されたオロノの歴史
- University of Maine(英語版)
- City-Data.com - Orono, Maine(英語版)
- Orono, ME(Yahoo!Map地図)