スコットランド
- スコットランド
- Scotland(英語、スコットランド語)
Alba(スコットランド・ゲール語) -
(国旗) (国章) - 国の標語:In My Defens God Me Defend(スコットランド語)
(和訳例)神の守りが我が守り - 国歌:スコットランドの花(事実上)
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公用語 英語(主な方言としてスコットランド英語およびイギリス英語)、スコットランド・ゲール語、スコットランド語、イギリス手話 首都 エディンバラ 最大の都市 グラスゴー 建国 841年、ケネス1世即位年 通貨 UKポンド(GBP) 時間帯 UTC0 (DST:+1 UTC) ISO 3166-1 GB (GB-SCT) ccTLD .scot 国際電話番号 44
概要[編集]
843年に成立し1707年5月1日にグレートブリテン王国の一部となった、ヨーロッパ中世初期に独立した主権国家としてのスコットランド (スコットランド王国) に由来するスコットランド政府が管轄する地域。 特有の様々な衣装︵スタイル︶、称号、その他の象徴︵王室ゆかりのシンボル︶が存続しているだけでなく、法制度も独立していて公法・私法ともに管轄権を有する[5]。 法律、教育、宗教、その他の機関が他のカンパニーと異なる形で存在し続け、独自の文化と国民性を継続させた[6]。 1999年、スコットランド議会が再設置︵議員129名の一院制︶され、国内政策の多くの分野で権限を持っている[7]。 首長は首相で、副首相も置かれる[8]。 英国議会には﹁スコットランド﹂として59人の国会議員を擁し、英国・アイルランド評議会のメンバーとして[9]、スコットランド議会の5人の議員を派遣している[10]。 教育、社会サービス、道路、交通などの事項をカバーする限定的な自治権は、スコットランド政府から32の行政区画または地方自治体︵スコットランド特有の﹁カウンシルエリア(council area)﹂[11]︶に委譲されている[11]。人口ではグラスゴー市が、面積ではハイランド州が最大である。地名[編集]
スコットランドの名称は、この地を統一したスコット人 (Scots) に由来する。スコットランド・ゲール語では﹁アルバ (Alba)﹂と呼ぶ。ラテン語では﹁カレドニア (Caledonia)﹂と呼ばれる。 語源については、スコットは古アイルランド語で﹁荒らす﹂を指した﹁スコティ (Scoti)﹂に由来するとされ、﹁アルバ﹂と﹁カレドニア﹂は古代に有力だったクランの名に由来するとされる。地理・地質[編集]
気候[編集]
首都と都市[編集]
首都のエディンバラは、スコットランド第2の人口を有する都市であり、ヨーロッパの主要な金融センターの一つである。人口最大の都市であるグラスゴーは大グラスゴーの中心であり、都市圏人口は約150万人に及ぶ。スコットランドの沿岸部は北大西洋および北海に接し、その中心都市であるアバディーンは北海油田の基地となっている。歴史[編集]
古代[編集]
中世[編集]
近世[編集]
1707年には、イングランド王国と合同して、グレートブリテン王国(略称:GB)(又はグレートブリテン連合王国(略称:UK))となる。
現代[編集]
政治[編集]
1707年の合同法 (Act of Union) によって、それまで同じ君主を冠してきたものの別々の王国であったイングランド王国とスコットランド王国は合邦し、グレートブリテン王国が成立した。この合邦は形式的には対等とされていたが、新国家の議会や王宮など主な機関は旧イングランド王国に座することになり、イングランドによる不公平な併合であったと考えるスコットランド人が少なくない。
スコットランドは伝統的に労働党の支持者が多く、トニー・ブレア、ゴードン・ブラウンと2代続けてスコットランド出身の党首・連合王国首相を輩出しているが、先述の経緯からスコットランド独立を掲げる民族主義的なスコットランド国民党(SNP)も多くの支持を集めている。
2014年スコットランド独立住民投票[編集]
ウェストミンスター議会[編集]
2005年総選挙[編集]
2005年5月現在、スコットランドに割り当てられているイギリス議会︵ウェストミンスター議会︶下院の議席数は59である。2005年総選挙で各政党が獲得した議席数は次のようになった。 ●労働党 - 41議席 ●自由民主党 - 11議席 ●スコットランド国民党 - 6議席 ●保守党 - 1議席2015年総選挙[編集]
2015年5月現在、スコットランドに割り当てられているイギリス議会︵ウェストミンスター議会︶下院の議席数は59である。2015年総選挙で各政党が獲得した議席数は次のようになった。- 保守党 - 2議席
- 労働党 - 1議席
- スコットランド国民党 - 56議席
スコットランド議会[編集]
1707年の合同法でスコットランド議会は閉鎖され事実上廃止となったが、1998年スコットランド法の制定により1999年5月6日に1999年スコットランド議会総選挙を行い、再開された。スコットランド議会は一定範囲で所得税率を変更することができる他、スコットランド法でウェストミンスター議会留保事項と規定されている事柄以外について、独自の法令を成立させることができる。これまでに、福祉政策や狐狩り規制、公共施設内での禁煙などに関して、スコットランド独自の法令が施行されている。ウェストミンスター議会留保事項には、外交、軍事、財政・金融、麻薬取締り、移民の規制など、全国的に取り組む必要がある事柄が規定されている。
2003年の選挙結果[編集]
2003年5月1日に開催され、圧倒的な労働党支持の中、スコットランド労働党党首ジャック・マコンネルが首相に任命された。
- 労働党 - 50議席
- スコットランド国民党 (SNP) - 27議席
- 保守党 - 18議席
- 自由民主党 - 17議席
- 緑の党 - 7議席
- スコットランド社会党 - 6議席
- その他 - 4議席
2007年の選挙結果[編集]
2007年5月3日に開催され、スコットランド国民党が第一党の座を獲得。5月16日にはスコットランド国民党党首のアレックス・サモンドが首相に選出された。
- スコットランド国民党 (SNP) - 47議席
- 労働党 - 46議席
- 保守党 - 17議席
- 自由民主党 - 16議席
- 緑の党 - 2議席
- その他 - 1議席
2011年の選挙結果[編集]
- スコットランド国民党 (SNP) - 69議席
- 労働党 - 37議席
- 保守党 - 15議席
- 自由民主党 - 5議席
- 緑の党 - 2議席
- その他 - 1議席
2016年の選挙結果[編集]
エリザベス2世女王の呼称問題[編集]
法[編集]
スコットランド法は大陸法を基調とする。チャンネル諸島を除くブリテン諸島ではアイルランド共和国にいたるまで英米法を採用しており、スコットランドが唯一の大陸法社会である。経済[編集]
国民[編集]
文化[編集]
宗教[編集]
カトリックとプロテスタントがほぼ拮抗している。公立学校も、カトリック校と無宗教校(事実上プロテスタント)に分かれている。これはスポーツの世界にも影響を及ぼしており、カトリック系住民が応援するセルティックFCとプロテスタント系住民が応援するレンジャーズFCと激しいライバル関係となってあらわれている。
スコットランドにおける所属する宗教 | ||||
---|---|---|---|---|
宗教/宗派 | 現在の信仰する宗教 | % | 成長過程で信仰した宗教 | % |
スコットランド国教会 | 2,146,251 | 42.4 | 2,392,601 | 47.3 |
無宗教 | 1,394,460 | 27.5 | 887,221 | 17.5 |
カトリック | 803,732 | 15.9 | 859,503 | 17.5 |
キリスト教その他宗派 | 344,562 | 6.8 | 424,221 | 8.4 |
宗教を明記せず | 278,061 | 5.5 | 422,862 | 8.4 |
イスラム教 | 42,557 | 0.8 | 42,264 | 0.8 |
その他宗教 | 26,974 | 0.6 | 8,447 | 0.2 |
仏教 | 6,830 | 0.1 | 4,704 | 0.1 |
シク教 | 6,572 | 0.1 | 6,821 | 0.1 |
ユダヤ教 | 6,448 | 0.1 | 7,446 | 0.1 |
ヒンドゥー教 | 5,564 | 0.1 | 5,921 | 0.1 |
Base/Total | 5,062,011 | 100 | 5,062,011 | 100 |
スポーツ[編集]
サッカー[編集]
ラグビー[編集]
行政区画[編集]
リージョン︵地方︶[編集]
1973年~1996年までは、9つの地方と3つの島嶼部のリージョンに分けられていた。また、一部カウンシル・エリアと同地域もある。 現在も警察・消防など行政機関の中には、かつてのリージョンの区画を管轄区分に用いるものがある。地図上のNo. | 地方・島嶼部 | 中心都市[16] | 面積 (ヘクタール)[16] |
人口(人)[16] |
---|---|---|---|---|
01 | ストラスクライド地方 | グラスゴー | 1,350,283 | 2,286,800 |
02 | ダンフリーズ・アンド・ガロウェイ地方 | ダンフリーズ | 639,561 | 147,900 |
03 | ボーダーズ地方 | ニュータウン・セント・ボスウェルズ | 471,253 | 105,300 |
04 | ロージアン地方 | エディンバラ | 171,595 | 750,600 |
05 | セントラル地方 | スターリング | 263,455 | 272,900 |
06 | ファイフ地方 | グレンロセス | 131,201 | 351,200 |
07 | テイサイド地方 | ダンディー | 749,650 | 395,200 |
08 | グランピアン地方 | アバディーン | 869,772 | 528,100 |
09 | ハイランド地方 | インヴァネス | 2,539,759 | 206,900 |
10 | ウェスタンアイランズ地方 (島嶼部) | ストーノーウェイ | 289,798 | 29,600 |
未表示 | シェトランド地方 (島嶼部) | ラーウィック | 143,268 | 22,522 |
未表示 | オークニー地方 (島嶼部) | カークウォール | 97,581 | 19,600 |
カウンシル(州)[編集]
32のカウンシル・エリア (council area) に区分される。
No. | カウンシル・エリア名 | 行政中心地 | 人口(2011年) | 面積(km²) | 人口密度 |
---|---|---|---|---|---|
1 | インヴァークライド | グリーノック | 81,500 | 160 | 509 |
2 | レンフルーシャー | ペイズリー | 174,900 | 261 | 670 |
3 | ウェスト・ダンバートンシャー | ダンバートン | 90,700 | 159 | 570 |
4 | イースト・ダンバートンシャー | カーキンティロッホ | 105,000 | 175 | 600 |
5 | グラスゴー | - | 593,200 | 175 | 3,389 |
6 | イースト・レンフルーシャー | ギフノック | 90,600 | 174 | 520 |
7 | ノース・ラナークシャー | マザーウェル | 156,000 | 297 | 525 |
8 | フォルカーク | フォルカーク | 156,000 | 297 | 525 |
9 | ウェスト・ロージアン | リヴィングストン | 175,100 | 427 | 410 |
10 | エディンバラ | - | 476,600 | 259 | 1,840 |
11 | ミッドロージアン | ダルキース | 83,200 | 354 | 235 |
12 | イースト・ロージアン | ハッディントン | 99,700 | 679 | 146 |
13 | クラックマナンシャー | アロア | 51,400 | 159 | 323 |
14 | ファイフ | グレンロス | 365,200 | 1,325 | 275 |
15 | ダンディー | - | 147,300 | 67 | 2,198 |
16 | アンガス | フォーファー | 116,000 | 2,082 | 55 |
17 | アバディーンシャー | アバディーン | 253,000 | 6,313 | 40 |
18 | アバディーン | - | 222,800 | 186 | 1,197 |
19 | マレー | エルギン | 93,300 | 2,238 | 41 |
20 | ハイランド | インヴァネス | 232,100 | 30,659 | 7 |
21 | アウター・ヘブリディーズ (西部島嶼) |
ストーノーウェイ | 27,700 | 3,071 | 9 |
22 | アーガイル・アンド・ビュート | ロッホギルフェッド | 88,200 | 6,909 | 12 |
23 | パース・アンド・キンロス | パース | 146,700 | 5,286 | 27 |
24 | スターリング | スターリング | 90,200 | 2,187 | 41 |
25 | ノース・エアシャー (ノース・エアーシア) |
アーバイン | 138,200 | 885 | 156 |
26 | イースト・エアシャー (イースト・エアーシア) |
キルマーノック | 122,700 | 1,262 | 97 |
27 | サウス・エアシャー (サウス・エアーシア) |
エア | 112,800 | 1,222 | 92 |
28 | ダンフリーズ・アンド・ガロウェイ | ダンフリーズ | 151,300 | 6,426 | 23 |
29 | サウス・ラナークシャー | ハミルトン | 313,800 | 1,772 | 177 |
30 | スコティッシュ・ボーダーズ | ニュータウン・セント・ボスウェルズ | 113,900 | 4,732 | 24 |
31 | オークニー | カークウォール | 21,400 | 990 | 21 |
32 | シェトランド | ラーウィック | 23,200 | 1,468 | 15 |
主要都市[編集]
順位 | 都市名 | カウンシルエリア | 人口 | 順位 | 都市名 | カウンシルエリア | 人口 | |||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | グラスゴー | 590,507人 | 6 | イースト・キルブライド | サウス・ラナークシャー | 74,395人 | ||||
2 | エディンバラ | 459,366人 | 7 | インヴァネス | ハイランド | 62,470人 | ||||
3 | アバディーン | 195,021人 | 8 | リヴィングストン | ウェスト・ロージアン | 56,269人 | ||||
4 | ダンディー | 147,285人 | 9 | ハミルトン | サウス・ラナークシャー | 53,188人 | ||||
5 | ペイズリー | レンフルーシャー | 76,834人 | 10 | カンバーノールド | ノース・ラナークシャー | 52,270人 | |||
- その他の主な都市
教育[編集]
日本との関係[編集]
姉妹自治体・提携自治体[編集]
姉妹都市[編集]
- 日本 - 都市名・自治体名
- 新潟県 - グラスゴー(ストラスクライド地方)
- 京都府 - エディンバラ(ロージアン地方)
- 北海道 余市町 - イースト・ダンバートンシャー州(ストラスクライド地方)
- 長崎県長崎市 - アバディーン(ハイランド地方)
著名な出身者[編集]
脚注[編集]
出典[編集]
参考文献[編集]
- 富田理恵『世界歴史の旅 スコットランド』山川出版社、2002。ISBN 4-634-63270-5
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
- スコットランド政府 (英語)
- Scotland.org (英語)
- 在エディンバラ日本国総領事館 (日本語)
- スコットランド観光庁 (英語)
- 英国政府観光庁 - スコットランド (日本語)
- The St. Andrew Society of Yokohama and Tokyo (英語)
- 日本スコットランド協会
- 『スコットランド』 - コトバンク