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[[File: CarmélitesComp02.jpg|thumb|upright=1.2|ルイ・ダビドによるコンピエーニュの16人のカルメル派修道女]] |
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﹃'''カルメル会修道女の対話'''﹄︵カルメルかいしゅうどうじょのたいわ、''Dialogues des carmélites''︶は、[[フランシス・プーランク]]作曲の[[オペラ]]。[[フランス革命]]前後のコンピエーニュ |
﹃'''カルメル会修道女の対話'''﹄︵カルメルかいしゅうどうじょのたいわ、''Dialogues des carmélites''︶は、[[フランシス・プーランク]]作曲の[[オペラ]]。[[フランス革命]]前後の[[コンピエーニュ]]における[[カルメル会]][[修道女]]の処刑を題材とする。全3幕。
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== 概要 == |
== 概要 == |
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[[1957年]][[1月26日]]に、[[ミラノ]]・[[スカラ座]]にて初演され、成功をおさめた。[[ニーノ・サンツォーニョ]]が指揮を担当し、この時はイタリア語で歌われた。フランス語版初演は同年[[6月21日]]に、[[パリ国立オペラ|パリ・オペラ座]]にて行われ、指揮は[[ピエール・デルヴォー]]であった。本作が最初にイタリアでイタリア語によって上演された理由は、このオペラの依頼者である[[楽譜]]出版会社[[リコルディ]]との契約によるものである<ref name="#1">『ラルース世界音楽事典』P435</ref>。プーランクの他のオペラはコミカルな『[[ティレジアスの乳房]]』(1947年)、ソプラノ一人によるモノオペラ『[[人間の声]]』(1958年)の2作がある。このオペラは19世紀に多く作られた恋愛を中心としたロマンティックな愛憎劇とは全く異なり、シリアスな内容となっている。既に世界的に高い評価を得ているが、『オペラ名曲百科』の著者[[永竹由幸]]は「恐ろしいほど冴えきった名曲。現代フランス・オペラでは最高峰であろう」と評している<ref>『オペラ名曲百科 上 増補版 イタリア・フランス・スペイン・ブラジル編』P498</ref>。 |
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20世紀のドイツのカトリック文学を代表する女流作家{{仮リンク|ゲルトルート・フォン・ル・フォール|en|Gertrud von Le Fort}}が[[1931年]]に発表した小説『{{仮リンク|断頭台下の最後の女|de|Die Letzte am Schafott}}』を、[[ジョルジュ・ベルナノス]]が台本化した。[[1957年]][[1月26日]]に、[[ミラノ]]・[[スカラ座]]にて初演された。[[ニーノ・サンツォーニョ]]が指揮を担当。この時はイタリア語で歌われた。フランス語版初演は同年[[6月21日]]に、[[パリ国立オペラ|パリ・オペラ座]]にて行われた([[ピエール・デルヴォー]]指揮)。 |
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== リブレット == |
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[[File:Gertrud v Le Fort c1935.jpg|thumb|upright=0.8|ゲルトルート・フォン・ル・フォール ]] [[File:Georges-Bernanos.jpg|thumb|upright=0.7|left| [[ジョルジュ・ベルナノス|ベルナノス]]]] |
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20世紀のドイツのカトリック文学を代表する女流作家{{仮リンク|ゲルトルート・フォン・ル・フォール|en|Gertrud von Le Fort}}が[[1931年]]に発表した小説『{{仮リンク|断頭台下の最後の女|de|Die Letzte am Schafott}}』を、[[ジョルジュ・ベルナノス]]が台本化した<ref>『オペラ鑑賞辞典』P364</ref>。[[リブレット (音楽)|リブレット]]の起源は「[[コンピエーニュ]]の16修道女殉教者」([[:en: Martyrs of Compiègne |英語]])というカルメル会修道女の処刑という史実のなかで、生き残ったマザー・マリーが書き残した『証言(報告)』が[[1906年]]に出版され、ル・フォールがこの実話に基づいて小説化した。[[レジスタンス]]運動で活躍した[[オーストリア]]の神父{{仮リンク|ブルックベルガー|en| Raymond Leopold Bruckberger }}がこれを映画化しようということで、当時のカトリック文学の重鎮ベルナノスが指名され、映画の[[シナリオ]] が作成された。なお、末期癌と闘っていたベルナノスはこれを書き上げた直後に死亡してしまい、原稿は死後彼の書斎で発見された。このシナリオは当初映画には不向きとされ、戯曲として舞台上演された。映画製作にはさらに時間がかかり、オペラ化のほうが先行することになった。プーランクはこのリブレットを読み、すぐに気に入りオペラ化できる確信を持つに至った。主役には[[ドゥニーズ・デュヴァル]]を想定して作曲を進めた。なお、映画自体は{{仮リンク|フィリップ・アゴスティニ|en|Philippe Agostini}} 監督とブルックベルガーにより[[1960年]]に『[[:en: Dialogue with the Carmelites | Le Dialogue des carmélites(英語)]]』として、[[ジャンヌ・モロー]]、[[アリダ・ヴァリ]]、[[ピエール・ブラッスール]]らの配役で完成している<ref>『新グローヴ オペラ事典』P233</ref>。 |
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== 楽曲 == |
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[[File:Elin Rombo as Sister Blanche in Dialogues of the Carmelites 2011.jpg|thumb|upright=1.2|エリン・ロンボ、2011年のストックホルムでの上演]] |
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『ラルース世界音楽事典』によれば「本作は稀に見る完全に宗教的なオペラであり、基本的には、女声のために書かれているため、男声はたまに補助的にしか出てこない。[[ジャン・コクトー]]の台本による『[[人間の声]]』と同じくオーケストラは旋律線を演奏しないだけに、女声は自由になっている。この作品はプーランクの亡き母の思い出に捧げられており、その声楽様式は[[レシタティーボ]]とアリアの混合である。女声合唱は2度に亘って無伴奏で2曲の宗教曲、第2幕の「[[アヴェ・マリア]]」と殉教者が断頭台に上がるおり「[[サルヴェ・レジーナ]]」を歌う。この2つの歌は、カトリックの伝統音楽からとったものではなく、プーランクによって特に書き直されたものである。このオペラの慎みとスペクタクル的効果の欠如、そして内密さは管弦楽法の透明さと共に高く評価されている」<ref name="#1"/>。プーランクは「ベルナノスの情感あふれる台詞を管弦楽でかき消すことを避けるため、[[クラウディオ・モンテヴェルディ|モンテヴェルディ]]のように器楽を抑制して、歌唱の効果を最大限に生かす方法を心掛け、繊細で抑制の利いたオーケストレーションを実現している」<ref name="#2">『プーランクを探して』P299</ref>。また、ドラマの進行に関しては、全体に内省的な雰囲気を保ち、人物の内面の心理に重点を置いたドラマを構築している点では、明らかに[[クロード・ドビュッシー|ドビュッシー]]の『[[ペレアスとメリザンド (ドビュッシー)|ペレアスとメリザンド]]』の影響が見られる。また、和声進行や[[オスティナート]]の多さには[[モデスト・ムソルグスキー|ムソルグスキー]]の『[[ボリス・ゴドゥノフ]]』の影響が窺える<ref name="#2"/>。このオペラでは「20ほどのモチーフが音楽の基本を作っているが、その表現はベルナノスの宗教観と密接に結びついている。例えば、新修道院長が修道女たちに抱く愛を歌うとき、そこに流れるのはブランシュが兄に向って歌う時の音楽である。こうした音楽素材の共有により、恩寵の転移や苦悩の可換性が感得される素地ができる<ref>『フランス・オペラの魅惑 舞台芸術論のための覚え書き』P232</ref>。『新グローヴ オペラ事典』では「このオペラはプーランクの後期の作品の中でもとりわけ、1930~40年ごろ彼が到達した宗教的、音楽的境地を統合したものになっている。この時期、友人の不慮の死が彼に新たな成熟をもたらし、彼はカトリックの信仰を再発見した。技法的、形式的に高いレベルに達しているにもかかわらず、しばしば調性のある旧式の音楽様式を採用したと弁明していた」と解説している<ref>『新グローヴ オペラ事典』P235</ref>。また、本作はプーランクの音楽の集大成と言える内容となっており、作曲者本人の過去の作品からの部分的引用が多く使われている。具体的には、 |
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{{仮リンク|ミサ曲ト長調|en|Mass in G major (Poulenc) }}、[[オルガン協奏曲 (プーランク)|オルガン、弦楽とティンパニのための協奏曲 ト短調]]、[[ピアノ協奏曲 (プーランク)|ピアノ協奏曲 嬰ハ短調]]、『夜想曲』第1番、歌曲集『冷気と火』(第3曲 全ては消え去り)、『[[小象ババールの物語]]』、『[[2つのクラリネットのためのソナタ]]』などである<ref>『プーランクを探して』P300</ref>。 |
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== 初演後 == |
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1957年の初演の後、同年[[9月20日]]に[[アメリカ]]初演は[[サンフランシスコ歌劇場]]にて行われた。英語で歌われ、出演は[[ドロシー・カーステン]]、[[レオンティン・プライス]]、[[クララメイ・ターナー]]ら、指揮は[[エーリヒ・ラインスドルフ]]であった<ref>[http://archive.sfopera.com/reports/rptOpera-id1705.pdf September 20 1957, San Francisco Opera Association]</ref>。[[イギリス]]初演は[[1958年]][[1月16日]]に[[ロンドン]]の[[コヴェント・ガーデン]][[ロイヤル・オペラ・ハウス]]にて行われた。出演はモリソン、[[ジョーン・サザーランド]]、ワトソンら、指揮は[[ラファエル・クーベリック]]であった<ref>『オックスフォードオペラ大事典』P178</ref>。日本初演は[[1990年]]に[[日本オペラ振興会]]オペラ歌手育成部により[[日本都市センターホール]]にて行われた<ref>[http://tc5810.fc2web.com/operat/100.htm 外国オペラ作品322の日本初演記録]</ref>。 |
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==登場人物== |
==登場人物== |
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!人物名!! 声域 !! 役!!ミラノ世界初演時の配役<br>(1957年1月26日) <br>指揮:[[ニーノ・サンツォーニョ]]!!フランス初演時の配役<br>(1957年6月21日) <br>指揮:<br> [[ピエール・デルヴォー]] |
!人物名!! 声域 !! 役!!ミラノ世界初演時の配役<br>(1957年1月26日) <br>指揮:<br>[[ニーノ・サンツォーニョ]]!!フランス初演時の配役<br>(1957年6月21日) <br>指揮:<br> [[ピエール・デルヴォー]] |
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| ブランシュ・ド・ラ・フォルス ||[[ソプラノ]]||架空の侯爵家フォルス家の令嬢<br> |
| ブランシュ・ド・ラ・フォルス ||[[ソプラノ]]||架空の侯爵家フォルス家の令嬢<br>カルメル会修道院に入る。||[[ヴィルジニア・ゼアーニ]]|| [[ドゥニーズ・デュヴァル]]
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|ド・ラ・フォルス侯爵|| [[バリトン]] ||ブランシュの父 |
|ド・ラ・フォルス侯爵|| [[バリトン]] ||ブランシュの父<br>妻が民衆の暴動に巻き込まれ<br>命を落とした。||スキーピオ・コロンボ||グザヴィエ・ドプラ |
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|騎士フォルス|| [[テノール]] || ブランシュの兄 |
|騎士フォルス|| [[テノール]] || ブランシュの兄<br>ブランシュの身を案じる。||ニコラ・フィラクリーディ||ジャン・ジロドー
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|コンスタンス|| [[ソプラノ]]||明るい性格の修道女<br>ブランシュの友人|| |
|コンスタンス|| [[ソプラノ]]||明るい性格の修道女<br>ブランシュの友人||エウジェニア・ラティ||リリアーヌ・ベルトン |
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|クロワシー夫人||[[コントラルト]]|| 現修道院長<br>ブランシュに修道院の<br>何たるかを教える。||ジアンナ・ペデルチーニ||ドゥニーズ・シャ |
|クロワシー夫人||[[コントラルト]]|| 現修道院長<br>ブランシュに修道院の<br>何たるかを教える。||ジアンナ・ペデルチーニ||ドゥニーズ・シャルレィ |
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|リドワーヌ夫人|| [[ソプラノ]] ||次期修道院長|| [[レイラ・ジェンチェル]]||{{仮リンク|レジーヌ・クレスパン|en|Régine Crespin }} |
|リドワーヌ夫人|| [[ソプラノ]] ||次期修道院長|| [[レイラ・ジェンチェル]]||{{仮リンク|レジーヌ・クレスパン|en|Régine Crespin }} |
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|マザー・マリー|| [[メゾソプラノ]] ||副修道院長||ジリオラ・フラッツォーニ||リタ・ゴール |
|マザー・マリー|| [[メゾソプラノ]] ||副修道院長||[[ジリオーラ・フラッツォーニ]]||リタ・ゴール |
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|マザー・ジャンヌ|| [[コントラルト]] ||修道女長||ヴィットリア・パロンビーニ||ジャニーヌ・フーリエ |
|マザー・ジャンヌ|| [[コントラルト]] ||修道女長||ヴィットリア・パロンビーニ||ジャニーヌ・フーリエ |
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|将校|| [[バリトン]]||-||ミケーレ・カッツァート||ジャック・マルス |
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*合唱:その他の修道女たち、将校、囚人、民衆、教徒、その他 |
*合唱:その他の修道女たち、将校、囚人、民衆、教徒、その他 |
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==楽器編成== |
==楽器編成== |
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⚫ |
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*木管楽器:[[フルート]]2、[[ピッコロ]]、[[オーボエ]]2、[[コーラングレ]]、[[クラリネット]]2、[[バスクラリネット|バス・クラリネット]]、[[ファゴット]]2、[[コントラファゴット]] |
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*金管楽器:[[ホルン]]4、[[トランペット]]3、[[トロンボーン]]3、[[チューバ]]、 |
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⚫ | *打楽器:[[ティンパニ]](4個)、[[小太鼓]]、[[ムチ]]、[[ウッドブロック]]、[[クロテイル]]、[[トライアングル]]、[[シンバル]]、[[タムタム]]、[[大太鼓]]、[[シロフォン]]、[[チェレスタ]]、[[グロッケンシュピール]]、[[鐘]]) |
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*その他:弦5部、[[ハープ]]2、[[ピアノ]] |
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==演奏時間== |
==演奏時間== |
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=== 第2幕 === |
=== 第2幕 === |
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[[File:MartyrinnenComp-HJSb.jpg|thumb|upright=1.1|コンピエーニュの殉教者(1907年)]] |
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; 第1場 |
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礼拝堂。 |
礼拝堂。 |
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=== 第3幕 === |
=== 第3幕 === |
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[[File:Our Lady of Mount Carmel Church, Quidenham, Norfolk - Windows - geograph.org.uk - 1084822.jpg|thumb|upright=1.2|[[ノーフォーク]]のクイデナムにある教会のステンドグラスに描かれたカルメル山の聖母]] |
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; 第1場 |
; 第1場 |
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廃墟となった礼拝堂。 |
廃墟となった礼拝堂。 |
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|1958 |
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|[[ドゥニーズ・デュヴァル]]<br>リリアーヌ・ベルトン<br>{{仮リンク|レジーヌ・クレスパン|en|Régine Crespin}} <br>ドゥニーズ・シャーリィ<br>リタ・ゴール |
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|[[ピエール・デルヴォー]]<br>[[パリ・オペラ座管弦楽団]]<br>パリ・オペラ座合唱団 |
|[[ピエール・デルヴォー]]<br>[[パリ・オペラ座管弦楽団]]<br>パリ・オペラ座合唱団 |
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| CD: EMI <br> ASIN: B0001O3YBW |
| CD: EMI <br> ASIN: B0001O3YBW |
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|2004 |
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|ダグマー・シェレンベルガー<br>ローラ・エイキン<br>グヴィン・ゲイヤー<br>アニ |
|ダグマー・シェレンベルガー<br>ローラ・エイキン<br>グヴィン・ゲイヤー<br>[[アニャ・シリヤ]]<br>バーバラ・ディヴァー |
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|[[リッカルド・ムーティ]]<br>[[ミラノ・スカラ座管弦楽団]]<br>ミラノ・スカラ座合唱団<br>演出:[[ロバート・カーセン]] |
|[[リッカルド・ムーティ]]<br>[[ミラノ・スカラ座管弦楽団]]<br>ミラノ・スカラ座合唱団<br>演出:[[ロバート・カーセン]] |
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|DVD: ArteHouse<br>ASIN: B000TJBNOE |
|DVD: ArteHouse<br>ASIN: B000TJBNOE |
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|アレクシア・ヴルガリドゥ<br>ヤーナ・ビュヒナー <br>アン・シュヴァネウィルム<br>キャスリン・ハリーズ<br>ガブリエーレ・シュナウト |
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|[[シモーネ・ヤング]]<br>[[ハンブルク国立歌劇場]]管弦楽団<br>ハンブルク国立歌劇場合唱団<br>演出:[[ニコラス・レーンホフ]] |
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|DVD: ArteHouse <br>ASIN: B003RS7QRC |
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|サリー・マシューズ<br>ヘンドリッケ・ファン・ケルクホーフ<br>{{仮リンク|デボラ・ポラスキ|en| |
|サリー・マシューズ<br>ヘンドリッケ・ファン・ケルクホーフ<br>{{仮リンク|デボラ・ポラスキ|en|Deborah Polaski}} <br>ハイディ・ブルンナー<br>ミケーレ・ブリート |
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|[[ベルトラン・ド・ビリー]]<br>[[ウィーン放送交響楽団]]<br>アルノルト・シェーンベルク合唱団 |
|[[ベルトラン・ド・ビリー]]<br>[[ウィーン放送交響楽団]]<br>アルノルト・シェーンベルク合唱団 |
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|CD: Oehms Classics<br>ASIN: B0069TWD9C |
|CD: Oehms Classics<br>ASIN: B0069TWD9C |
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|DVD: Erato<br>ASIN: B00NT2NFPI |
|DVD: Erato<br>ASIN: B00NT2NFPI |
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== 脚注 == |
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== 参考文献 == |
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*『新グローヴ オペラ事典』 [[白水社]](ISBN 978-4560026632) |
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*『プーランクを探して』[[春秋社]] (ISBN 978-4393935736) |
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*『フランス・オペラの魅惑 舞台芸術論のための覚え書き』澤田 肇 (著)、出版社: [[ぎょうせい]] (ISBN 978-4324094037) |
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*『オペラ鑑賞辞典』([[東京堂出版]])(ISBN: 978-4490102710) |
|||
*『オペラ名曲百科 上 増補版 イタリア・フランス・スペイン・ブラジル編』 [[永竹由幸]] 著、[[音楽之友社]](ISBN 4-276-00311-3) |
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*『ラルース世界音楽事典』[[福武書店]] |
|||
*『オックスフォードオペラ大事典』ジョン・ウォラック、ユアン・ウエスト(編集)、大崎滋生、西原稔(翻訳)、[[平凡社]](ISBN 978-4582125214) |
|||
*『パリ・オペラ座-フランス音楽史を飾る栄光と変遷-』竹原正三 著、芸術現代社(ISBN 978-4874631188) |
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==外部リンク== |
==外部リンク== |
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* {{IMSLP|id= Poulenc, Francis }} |
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{{カルメル会}} |
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[[Category:1957年の音楽]] |
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[[Category:フランス革命を題材とした作品]] |
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[[Category:パリを舞台とした作品]] |
[[Category:パリを舞台とした舞台作品]] |
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[[Category: |
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[[Category:宗教施設を舞台とした作品]] |
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[[Category:カルメル会|作品]] |
[[Category:カルメル会|作品]] |
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[[Category:修道女を主人公にした作品]] |
2023年1月8日 (日) 03:24時点における最新版
概要[編集]
1957年1月26日に、ミラノ・スカラ座にて初演され、成功をおさめた。ニーノ・サンツォーニョが指揮を担当し、この時はイタリア語で歌われた。フランス語版初演は同年6月21日に、パリ・オペラ座にて行われ、指揮はピエール・デルヴォーであった。本作が最初にイタリアでイタリア語によって上演された理由は、このオペラの依頼者である楽譜出版会社リコルディとの契約によるものである[1]。プーランクの他のオペラはコミカルな﹃ティレジアスの乳房﹄︵1947年︶、ソプラノ一人によるモノオペラ﹃人間の声﹄︵1958年︶の2作がある。このオペラは19世紀に多く作られた恋愛を中心としたロマンティックな愛憎劇とは全く異なり、シリアスな内容となっている。既に世界的に高い評価を得ているが、﹃オペラ名曲百科﹄の著者永竹由幸は﹁恐ろしいほど冴えきった名曲。現代フランス・オペラでは最高峰であろう﹂と評している[2]。リブレット[編集]
楽曲[編集]
初演後[編集]
1957年の初演の後、同年9月20日にアメリカ初演はサンフランシスコ歌劇場にて行われた。英語で歌われ、出演はドロシー・カーステン、レオンティン・プライス、クララメイ・ターナーら、指揮はエーリヒ・ラインスドルフであった[9]。イギリス初演は1958年1月16日にロンドンのコヴェント・ガーデンロイヤル・オペラ・ハウスにて行われた。出演はモリソン、ジョーン・サザーランド、ワトソンら、指揮はラファエル・クーベリックであった[10]。日本初演は1990年に日本オペラ振興会オペラ歌手育成部により日本都市センターホールにて行われた[11]。登場人物[編集]
人物名 | 声域 | 役 | ミラノ世界初演時の配役 (1957年1月26日) 指揮: ニーノ・サンツォーニョ |
フランス初演時の配役 (1957年6月21日) 指揮: ピエール・デルヴォー |
---|---|---|---|---|
ブランシュ・ド・ラ・フォルス | ソプラノ | 架空の侯爵家フォルス家の令嬢 カルメル会修道院に入る。 |
ヴィルジニア・ゼアーニ | ドゥニーズ・デュヴァル |
ド・ラ・フォルス侯爵 | バリトン | ブランシュの父 妻が民衆の暴動に巻き込まれ 命を落とした。 |
スキーピオ・コロンボ | グザヴィエ・ドプラ |
騎士フォルス | テノール | ブランシュの兄 ブランシュの身を案じる。 |
ニコラ・フィラクリーディ | ジャン・ジロドー |
コンスタンス | ソプラノ | 明るい性格の修道女 ブランシュの友人 |
エウジェニア・ラティ | リリアーヌ・ベルトン |
クロワシー夫人 | コントラルト | 現修道院長 ブランシュに修道院の 何たるかを教える。 |
ジアンナ・ペデルチーニ | ドゥニーズ・シャルレィ |
リドワーヌ夫人 | ソプラノ | 次期修道院長 | レイラ・ジェンチェル | レジーヌ・クレスパン |
マザー・マリー | メゾソプラノ | 副修道院長 | ジリオーラ・フラッツォーニ | リタ・ゴール |
マザー・ジャンヌ | コントラルト | 修道女長 | ヴィットリア・パロンビーニ | ジャニーヌ・フーリエ |
シスター・マチルド | ソプラノ | 修道女 | フィオレンツァ・コッソット | ジゼル・デムティール |
礼拝堂神父 | テノール | - | アルヴィーノ・マネッリ | ミシェル・フォレル |
将校 | バリトン | - | ミケーレ・カッツァート | ジャック・マルス |
- 合唱:その他の修道女たち、将校、囚人、民衆、教徒、その他
楽器編成[編集]
- 木管楽器:フルート2、ピッコロ、オーボエ2、コーラングレ、クラリネット2、バス・クラリネット、ファゴット2、コントラファゴット
- 金管楽器:ホルン4、トランペット3、トロンボーン3、チューバ、
- 打楽器:ティンパニ(4個)、小太鼓、ムチ、ウッドブロック、クロテイル、トライアングル、シンバル、タムタム、大太鼓、シロフォン、チェレスタ、グロッケンシュピール、鐘)
- その他:弦5部、ハープ2、ピアノ
演奏時間[編集]
あらすじ[編集]
第1幕[編集]
第1場 ド・ラ・フォルス侯爵の書斎。 書斎でうたた寝していたド・ラ・フォルス侯爵は、騎士ド・ラ・フォルスから、ブランシュの乗る馬車が群衆に取り囲まれて身動きできないとの知らせを聞き、ブランシュの身を案じていた。程なくしてブランシュは戻り侯爵は安堵するが、ブランシュはコンピエーニュの修道院へ入りたいと言い出す。 第2場 カルメル会修道院の応接間。 数週間後、ブランシュは、修道院長のクロワシー夫人に修道院へ入れて欲しいと頼む。修道院長は、修道院は世俗の危険から逃れるために入るものではないと咎めるが、ついにはブランシュを受け入れることにした。 第3場 修道院内。 ブランシュは、いつも明るい修道女コンスタンスに対し、修道院長が病身なのに不謹慎だと責める。コンスタンスは、修道院長のためならこの身を捧げても良いと返し、さらに、自分とブランシュが若くして同じ日に死ぬ夢を見たと語った。 第4場 修道院の病室。 死に瀕した修道院長は修道女長マリーを呼び、ブランシュを支えるよう頼んだ。入ってきたブランシュにも直接諭すが、ブランシュが退出した直後、修道院長は病の苦痛に耐えきれず錯乱する。ブランシュが再び入ってきたとき、修道院長は正気を取り戻し、そのまま亡くなっていった。第2幕[編集]
第3幕[編集]
音楽[編集]
劇中で用いられる聖歌 ●墓よりラザロを蘇らせし御方‥第2幕第1場。 ●アヴェ・マリア‥第2幕第2場。 ●アヴェ・ヴェルム・コルプス‥第2幕第4場。 ●サルヴェ・レジーナ‥第3幕第4場。 ●来たり給え、創造主なる聖霊よ︵en:Veni Creator Spiritus︶‥第3幕第4場。主な全曲録音・録画[編集]
年 | 配役 ブランシュ・ド・ラ・フォルス コンスタンス リドワーヌ夫人 クロワシー夫人 マリー |
指揮者、 管弦楽団および合唱団 |
レーベル |
---|---|---|---|
1958 | ドゥニーズ・デュヴァル リリアーヌ・ベルトン レジーヌ・クレスパン ドゥニーズ・シャーリィ リタ・ゴール |
ピエール・デルヴォー パリ・オペラ座管弦楽団 パリ・オペラ座合唱団 |
CD: EMI ASIN: B0001O3YBW |
1990 | カトリーヌ・デュボスク ブリジット・フルニエ ラシェル・ヤカール リタ・ゴール マルティーヌ・デュピュイ |
ケント・ナガノ リヨン歌劇場管弦楽団 リヨン歌劇場合唱団 |
CD: Virgin B000FVR5FW |
1999 | アンヌ=ソフィー・シュミット パトリシア・プティボン ナディーヌ・ドゥニーズ ヴァレリー・ミロー ヘトヴィヒ・ファスベンダー |
ジャン・レイサム=ケーニック ストラスブール・フィルハーモニー管弦楽団 ラン歌劇場合唱団 演出:マルト・ケラー |
DVD: ArteHouse ASIN: B000053GTD |
2004 | ダグマー・シェレンベルガー ローラ・エイキン グヴィン・ゲイヤー アニャ・シリヤ バーバラ・ディヴァー |
リッカルド・ムーティ ミラノ・スカラ座管弦楽団 ミラノ・スカラ座合唱団 演出:ロバート・カーセン |
DVD: ArteHouse ASIN: B000TJBNOE |
2008 | アレクシア・ヴルガリドゥ ヤーナ・ビュヒナー アン・シュヴァネウィルム キャスリン・ハリーズ ガブリエーレ・シュナウト |
シモーネ・ヤング ハンブルク国立歌劇場管弦楽団 ハンブルク国立歌劇場合唱団 演出:ニコラス・レーンホフ |
DVD: ArteHouse ASIN: B003RS7QRC |
2010 | スーザン・グリットン エーレヌ・ギルメット ソイレ・イソコスキ シルヴィー・ブリュネ スサネ・レースマーク |
ケント・ナガノ バイエルン国立管弦楽団 バイエルン国立歌劇場 合唱団 演出:ディミトリ・チェルニャコフ |
DVD: Bel Air ASIN: B01I05LVJ0 |
2011 | サリー・マシューズ ヘンドリッケ・ファン・ケルクホーフ デボラ・ポラスキ ハイディ・ブルンナー ミケーレ・ブリート |
ベルトラン・ド・ビリー ウィーン放送交響楽団 アルノルト・シェーンベルク合唱団 |
CD: Oehms Classics ASIN: B0069TWD9C |
2013 | パトリシア・プティボン サンドリーヌ・ピオー ヴェロニク・ジャンス ロザリンド・プロウライト ソフィー・コッシュ |
ジェレミー・ロレール フィルハーモニア管弦楽団 シャンゼリゼ劇場 合唱団 演出:オリヴィエ・ピィ |
DVD: Erato ASIN: B00NT2NFPI |
脚注[編集]
参考文献[編集]
- 『新グローヴ オペラ事典』 白水社(ISBN 978-4560026632)
- 『プーランクを探して』春秋社 (ISBN 978-4393935736)
- 『フランス・オペラの魅惑 舞台芸術論のための覚え書き』澤田 肇 (著)、出版社: ぎょうせい (ISBN 978-4324094037)
- 『オペラ鑑賞辞典』(東京堂出版)(ISBN: 978-4490102710)
- 『オペラ名曲百科 上 増補版 イタリア・フランス・スペイン・ブラジル編』 永竹由幸 著、音楽之友社(ISBN 4-276-00311-3)
- 『ラルース世界音楽事典』福武書店
- 『オックスフォードオペラ大事典』ジョン・ウォラック、ユアン・ウエスト(編集)、大崎滋生、西原稔(翻訳)、平凡社(ISBN 978-4582125214)
- 『パリ・オペラ座-フランス音楽史を飾る栄光と変遷-』竹原正三 著、芸術現代社(ISBN 978-4874631188)