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体長は5フィート(約1.5m)ほど、ピンク色か薄赤色の甲殻類のような姿だが、性質としては[[菌類]]に近い生物である。渦巻き状の楕円形の頭にはアンテナのような突起物が幾つか生えている。鉤爪のついた手足を多数持ち、全ての足を使って歩行することも、一対の足のみで直立歩行することも出来る。背中には一対の[[コウモリ|蝙蝠]]のような翼を持ち、この翼は、[[エーテル (物理)|エーテル]]に対して作用する特殊な膜で構成され、地球上の大気中より宇宙での使用に適している。 |
体長は5フィート(約1.5m)ほど、ピンク色か薄赤色の甲殻類のような姿だが、性質としては[[菌類]]に近い生物である。渦巻き状の楕円形の頭にはアンテナのような突起物が幾つか生えている。鉤爪のついた手足を多数持ち、全ての足を使って歩行することも、一対の足のみで直立歩行することも出来る。背中には一対の[[コウモリ|蝙蝠]]のような翼を持ち、この翼は、[[エーテル (物理)|エーテル]]に対して作用する特殊な膜で構成され、地球上の大気中より宇宙での使用に適している。 |
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体は地球の生物とは異なる物質によって構成され、直接見たり触れたりすることはできるが写真等には写らない。死亡すると1~2時間あるいは数時間のうちに消滅してしまう。生身の体のまま宇宙空間での活動が可能であり、自身の翼で星々の間を行き来する。一種の[[冬眠]]状態になって生命活動を中断できる。元来の生活環境に光が存在しなかったため、光を苦手としている。仲間同士では、頭部 |
体は地球の生物とは異なる物質によって構成され、直接見たり触れたりすることはできるが写真等には写らない。死亡すると1~2時間あるいは数時間のうちに消滅してしまう。生身の体のまま宇宙空間での活動が可能であり、自身の翼で星々の間を行き来する。一種の[[冬眠]]状態になって生命活動を中断できる。元来の生活環境に光が存在しなかったため、光を苦手としている。仲間同士では、頭部を変色させたり、[[電子音|ブザー音]]のような鳴き声か[[テレパシー]]で意思の疎通を行うが人間の発声も可能である。﹃闇に囁くもの﹄では彼らの鳴き声が録音されている。
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== 活動 == |
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2020年8月22日 (土) 19:35時点における版
ミ=ゴ︵Mi-go︶とはクトゥルフ神話作品に登場する地球外生命体である。
概要
宇宙人︵エイリアン︶の一種。地球の生物でたとえるなら、容姿は甲殻類風、性質は菌類風。暗黒星ユゴスから地球を訪れる。 初出は、ハワード・フィリップス・ラヴクラフトの小説﹃闇に囁くもの︵執筆1930年2〜9月、発表1931年8月︶﹄で、この時は雪男、﹁ユゴスよりのもの︵Fungi from Yuggoth︶﹂と呼ばれていた。後発作品の﹃狂気山脈にて︵執筆1931年2月~3月、発表1936年2月︶﹄でも登場した。 ラヴクラフト代作の﹃永劫より﹄にはユゴス星人への言及があり、ムー大陸のヤディス=ゴー山頂に城塞を築いたと﹃無名祭祀書﹄に仮託して述べられている。﹁ユゴス星人﹂がミ=ゴを指すのかは定かでないが、たとえばダニエル・ハームズはThe Cthulhu Mythos Encyclopediaのガタノトーアの項で﹁ユゴスの菌類が置き去りにしていった﹂と記述し、両者を同一視している[1]。生物的特徴
体長は5フィート︵約1.5m︶ほど、ピンク色か薄赤色の甲殻類のような姿だが、性質としては菌類に近い生物である。渦巻き状の楕円形の頭にはアンテナのような突起物が幾つか生えている。鉤爪のついた手足を多数持ち、全ての足を使って歩行することも、一対の足のみで直立歩行することも出来る。背中には一対の蝙蝠のような翼を持ち、この翼は、エーテルに対して作用する特殊な膜で構成され、地球上の大気中より宇宙での使用に適している。 体は地球の生物とは異なる物質によって構成され、直接見たり触れたりすることはできるが写真等には写らない。死亡すると1~2時間あるいは数時間のうちに消滅してしまう。生身の体のまま宇宙空間での活動が可能であり、自身の翼で星々の間を行き来する。一種の冬眠状態になって生命活動を中断できる。元来の生活環境に光が存在しなかったため、光を苦手としている。仲間同士では、頭部を変色させたり、ブザー音のような鳴き声かテレパシーで意思の疎通を行うが人間の発声も可能である。﹃闇に囁くもの﹄では彼らの鳴き声が録音されている。活動
本拠地は遥か彼方の外宇宙あるいは異次元にある。太陽系では未知の惑星ユゴス︵冥王星あるいは、別の惑星︶を前哨拠点としている。人間や鉱物資源を採取するために度々地球を訪れている。初めて地球を訪れたのは人類誕生以前ジュラ紀のことで、この時、先住種族である﹁古のもの﹂を北半球から駆逐している[2]。現在の地球上では、南北米大陸やヒマラヤ、ネパールなどで活動している。 姿を隠し人間と距離を置いているが、それでも幾つかの目撃例がある。ヒマラヤの雪男の正体はミ=ゴだともいわれている。また1927年11月3日のアメリカ合衆国バーモント州の記録的な大洪水の際には、氾濫する河川の中に奇妙な生物の死骸が浮かんでいるのが目撃されている。この地方の山岳部には、それ以前から奇妙な足跡や気味の悪い声についての噂があり、ミ=ゴに関するものと思われる古い伝承も残っている。ペナクック族︵Pennacook︶によれば、大熊座の方角から彼らがやって来て山から鉱物を採取していったという。 人間に手出しないのは単に採掘作業を優先しているからであり、必要以上に自分達に近づくものに容赦しない。しかし時には信頼できる人間を仲間に引き入れることもあるらしい。彼らに協力する人間は見返りに様々な技術や知識の恩恵を受けることができるという。現在、アメリカ合衆国は、リトルグレイと密約を交わし、人類の拉致などを容認する見返りとして様々な技術提供を受けているが、このリトルグレイはミ=ゴが対人インターフェースとして創りだしたロボットであるとされている[3]。 月にもコロニーがあり、彼らと協力関係にある人間たちが地下都市で生活している。ここにはシュブ=ニグラスの祭壇がある。社会・科学技術
﹃闇に囁くもの﹄では、ニャルラトホテプとシュブ=ニグラスを信仰している描写があり、この点がクトゥルフ神話との関連性として挙げられる。 科学や医学が非常に発達しており、外科手術は頻繁に行われる。通常、テレパシーを使用するため発声器官はあまり発達していないが、他の種族との会話に対応するための手術も存在する。また生きたまま人間の脳を摘出し、特殊な円筒に入れて持ち運ぶということも行う。この時、体は処理が施され、脳が戻るまで老化することもなく生き続ける。円筒を専用の装置に接続すれば、人工的に視覚・聴覚を再現し、会話も可能である。ミ=ゴはこの円筒を自らの最も気に入った個体、あるいは最も軽蔑する相手に対して使用されるとされている[4]。 TTRPG﹃Delta Green﹄では科学者、兵士、労働者の3つの階級社会に別れていると設定された。個体としてはヌガー=クトゥン︵N'gha-Kthun︶という指揮官が存在するらしい[5]。基本的に彼らは、5対の手足を持ち、科学者は最初の1対を手として使用する。兵士は必要に応じて翼などを増やすとされる。逆に労働者は翼や手足を減らす外科手術を受ける。 邪神の崇拝、身体改造を忌避しない点に代表される精神構造が人間と相容れない思想面であるとされている。このため利己的で人間と敵対的な種族として扱われる。 一方、﹃アーカムそして星の世界へ﹄では、﹃ダンウィッチの怪﹄の裏側でヨグ=ソトースを召喚しようと目論んだウェイトリー兄弟の野望に対する知恵を人類側に提供する、死の間際の若い紳士から脳髄を抜き取って海蛇座と北極星の間を飛ぶコースで宇宙旅行に送り出すなど、ある程度の一線と利害の一致さえあれば人類側に一定の恩恵をもたらす存在としても扱われている。解説
ラブクラフトはチベット語の﹁Migou﹂を想像のアイディアにしたとしている。この語は現地で雪男、山岳部に現れる謎の類人猿のような妖怪という意味で使われる。ラブクラフトは﹃闇に囁くもの﹄の中でネパールの﹁Migou﹂とミ=ゴは、同一の存在であると設定している。ミ=ゴが一般に想像される雪男と全く違う姿でありながら作中でそう呼ばれるのはこのためである[6]。脚注・出典
- ^ Harms, Daniel (2008). The Cthulhu Mythos Encyclopedia (3rd ed.). Elder Signs Press. p. 108
- ^ 『ラヴクラフト全集 4』(大瀧啓裕訳、東京創元社、1985年)収録「狂気の山脈にて」248 - 249頁。
- ^ 『Delta Green』(Pagan Publishing社)より。
- ^ 新紀元社『エンサイクロペディア・クトゥルフ』254 - 255頁。
- ^ 新紀元社『エンサイクロペディア・クトゥルフ』254 - 255, 293頁。
- ^ ミ=ゴという名前が”雪男”を意味する、というラブクラフトの言葉遊び。[要出典]