ランボー
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ランボー | |
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First Blood | |
監督 | テッド・コッチェフ |
脚本 |
マイケル・コゾル ウィリアム・サックハイム シルヴェスター・スタローン |
原作 |
ディヴィッド・マレル 『一人だけの軍隊』 |
製作 | バズ・フェイシャンズ |
製作総指揮 |
マリオ・カサール アンドリュー・G・ヴァイナ |
出演者 |
シルヴェスター・スタローン リチャード・クレンナ ブライアン・デネヒー |
音楽 | ジェリー・ゴールドスミス |
主題歌 |
「It's a Long Road」 ダン・ヒル |
撮影 | アンドリュー・ラズロ |
編集 | ジョアン・E・チャップマン |
製作会社 | カロルコ・ピクチャーズ |
配給 |
オライオン・ピクチャーズ 東宝東和 |
公開 |
1982年10月22日 1982年12月18日 |
上映時間 | 97分 |
製作国 | アメリカ合衆国 |
言語 | 英語 |
製作費 | $15,000,000[1] |
興行収入 |
$47,212,904[1] $125,212,904[1] |
配給収入 | 12億円[2] |
次作 | ランボー/怒りの脱出 |
﹃ランボー﹄︵原題: First Blood︶は、1982年のアメリカのアクション映画で、﹃ランボー﹄シリーズの第1作である。
ディヴィッド・マレルのデビュー小説﹃一人だけの軍隊﹄の映画化作品であり、社会から孤立したベトナム帰還兵ランボーと、たまたま街を訪れた流れ者というだけでランボーを排除しようとした保安官との戦いや、ランボー自身の独白を通して、﹁ベトナム戦争によって負ったアメリカの傷﹂が描かれている。
本作によりスタローンは当たり役の一つを得て、﹃ロッキー﹄に続くキャラクターイメージを獲得し、アクションスターとしての地位を不動のものとした。本作は単なる娯楽追求のアクション映画と異なり、現実のアメリカのベトナム帰還兵の姿と重ね合わせたストーリー[3]となっており、非常に重いテーマの作品となっている。
あらすじ
プロローグ 1981年12月のワシントン州。ベトナム帰還兵ジョン・ランボーは、ベトナム時代の戦友を訪ねて山間の田舎町を訪れる。しかし戦友は、戦争で浴びた化学兵器の後遺症で癌を患い、既にこの世を去っていた。戦友宅を辞去し、食事をとるため街へ入ったランボーに、保安官ティーズルが声を掛ける。ティーズルはランボーがトラブルを起こしそうな身なりや顔つきだと判断し、偏見から街を素通りして出ていけと高圧的な態度で告げ、ランボーをパトカーに乗せて市街地の外れへと追い出す。それでも来た道を戻り街へ入ろうとするランボーを、ティーズルは公務執行妨害とサバイバルナイフ所持で逮捕し保安官事務所へと連行する。 保安官達との戦闘 事務所の取調室に入れられたランボーに、ベトナム時代に囚われの身になった時の体験がフラッシュバックする。取調べにあたる保安官達はフラッシュバックにより沈黙するランボーに対し、取り調べに協力的でないとして高圧的に接し、小突いたり消防ホースからの噴流を浴びせるなど拷問じみた嫌がらせを行う。そしてランボーの髭を剃ろうと羽交い絞めにし、シェービングクリームも付けずにその顔へ剃刀を近付けた瞬間、ランボーの脳裏に、かつてベトナムで受けた拷問の様子が鮮烈に蘇ってくる。その場にいた保安官助手全員を素手で叩きのめし、ランボーは没収されたナイフを奪い返して山中へと逃走する。 ティーズルは部下を率いて山狩りを開始し、絶壁まで追い詰める。しかしヘリに乗っていた保安官助手が独断でランボーの射殺を図り、身を守ろうとしたランボーが投げた石によって動揺したヘリから転落し、命を落とす。﹁これは事故だ、彼を殺す意志はなかった﹂と戦闘の停止を呼びかけるランボーに対し、死んだ保安官助手の独走を知らないティーズル達は仇討ちとばかりに発砲。これをきっかけにランボーは反撃へと転じ、グリーンベレー仕込みのゲリラ戦で保安官助手達を1人ずつ無力化し、最後に残ったティーズルの喉元にナイフを突き付けて﹁この山では俺が法律だ﹂と言い残し、山奥へと姿を消す。 州兵による追撃 ティーズルが麓へ戻ると、州警察と州兵によって組まれた対策本部へ、国防総省からサミュエル・トラウトマン大佐が派遣されてくる。ランボーのベトナム時代の上官である大佐は、ゲリラ戦においてランボーがどれだけ優秀な兵士であるかを語り、被害を最小限に抑えるため、一旦ランボーから手を引いて山から下ろし、別の街へ移動したところを改めて逮捕することを提案する。しかしティーズルは自分の手でランボーを捕えることに固執し、大佐の案を聞き入れない。ランボーを説得するため、大佐はベトナム時代のコールサインを使って無線で呼び掛ける。応答したランボーは、ベトナム時代の戦友たちが彼を除いて全員死んだことを伝えつつ、先に仕掛けてきたのは保安官達だと告げ、投降の意思がないことを明確に表す。 夜が明け、追っ手に見付かったランボーはねぐらにしていた廃坑に駆け込むが、州兵によって包囲される。戦闘慣れしていない州兵たちはランボーの戦闘力に恐怖し、ティーズルが生け捕りにしろと言うのも聞かず、坑道にロケット弾を撃ちこんでランボーを生き埋めにする。跡形もなく崩れ落ちた廃坑を見て、州兵、州警察、ティーズルは、ランボーの死を確信する。しかし間一髪で坑道に跳び込んで生きていたランボーは坑道の中をひたすら進み、ついに出口を見つけて地上へと脱出する。 街へと逆襲へ ランボーは通りかかった州兵のトラックを強奪。荷台にあったM60機関銃と弾薬を携え、夜陰に乗じて再び街へと姿を現す。彼はガソリンスタンドを爆破して街の注意をそちらに向けた後、保安官事務所の電源を断って近所の銃砲店を破壊し、保安官事務所に連射の銃弾を撃ち込む。ティーズルは屋上の天窓に潜んで待ち伏せていたが、踏み込んできたランボーに返り討ちにされ、重傷を負って屋内に転落する。彼にとどめを刺そうとするランボーの前に、大佐が現れる。﹁周囲は完全に包囲され200丁のM16がお前を狙ってる、もう助かる見込みはない、投降しろ、戦いは終わった﹂と告げる大佐に、ランボーは﹁まだ終わっちゃいない!戦争は続いている!﹂と絶叫する。そしてその口から、戦争終結から7年経った現在でも続くトラウマと悲劇が語られる。 戦争に負けて帰還した直後に空港で戦争を知らない一般人から浴びせられた反戦デモの罵声。ベトナムの戦場には助け合える友人がたくさんいたのに、祖国アメリカでは誰も助けてくれない。100万ドルの兵器を使いこなした歴戦の勇士でも、祖国アメリカでは駐車場の警備員の仕事にすら就けない。博打好きだった戦友が靴磨きを装って近づいた子供の自爆テロによって無惨に爆死した瞬間も、今なお悪夢として自分を苛む。戦友とは、この戦争が終わったらラスベガスでスポーツカー︵原語ではシェビー︶を乗り回そうと楽しそうに語って、約束していたが、もう永遠に果たせない。ランボーは走馬灯のようにベトナム戦争を回顧しながら、まるで子供のように泣きじゃくり、凄惨な事件の背後にある悲劇を知った大佐は、ただランボーをその胸に抱きとめることしかできなかった。 そしてランボーは投降。救急車で搬送されるティーズルを横目に大佐の手で連行されていき、事件は終結する。登場人物
ジョン・ランボー 演 - シルヴェスター・スタローン ベトナム帰還兵。グリーンベレーの元隊員。戦闘のプロフェッショナルだが、作中では相手を殺さないように手加減するなど冷酷ではない。戦争で功績を残した優秀な兵士。しかし、帰国後は国民から疎まれ、仕事に就けていない。また戦争での悲惨な記憶がフラッシュバックして苦しんでいる。 サミュエル・トラウトマン 演 - リチャード・クレンナ 大佐。ランボーの上官。ランボーの理解者として捜査に加わる。 ティーズル 演 - ブライアン・デネヒー 保安官。流れ者のランボーを目の敵にして不当な理由で逮捕したが逃げられ、追跡する。ランボーに対してトラブルを起こしたことが事件の発端となる。 カーン 演 - ビル・マッキニー 州警察長。 クリント・モーガン 演 - パトリック・スタック 中尉。 ガルト 演 - ジャック・スターレット 保安官。ランボーを追ったが闘いのもつれによる不慮の事故で死亡する。 ミッチ 演 - デヴィッド・カルーソ 保安官。 ウォード 演 - クリス・マルケイ ティーズルの部下。 バルフォード 演 - マイケル・タルボット ティーズルの部下。 レスター 演 - アルフ・ハンフリーズ ティーズルの部下。 オーヴァル 演 - ジョン・マクリアム 保安官。 シングルトン 演 - デヴィッド・L・クローリー ティーズルの部下。 プレストン 演 - ドン・マッケイ ティーズルの部下。キャスト
役名 | 俳優 | 日本語吹替 | ||||
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日本テレビ旧版 | TBS版 | フジテレビ版 | テレビ朝日版 | 日本テレビ新版 | ||
ジョン・ランボー | シルヴェスター・スタローン | 渡辺謙 | 羽佐間道夫 | 銀河万丈 | 佐々木功 | 玄田哲章 |
サミュエル・トラウトマン大佐 | リチャード・クレンナ | 内田稔 | 小林昭二 | 阪脩 | 内田稔 | 小林修[4] |
ティーズル保安官 | ブライアン・デネヒー | 石田弦太郎 | 石田太郎 | 池田勝 | 石田太郎 | 内海賢二 |
カーン州警察長 | ビル・マッキニー | 平野稔 | 千田光男 | 梅津秀行 | 千田光男 | 糸博 |
ガルト | ジャック・スターレット | 小林修 | 筈見純 | 中庸助 | 村松康雄 | 橋本功 |
バルフォード | マイケル・タルボット | 西川幾雄 | 秋元羊介 | 小野健一 | 城山堅 | 大滝寛 |
ウォード | クリス・マルケイ | 南清貴 | 高宮俊介 | 小室正幸 | 成田剣 | 入江崇史 |
オーヴァル | ジョン・マクリアム | 宮沢元 | 石森達幸 | 伊井篤史 | 名取幸政 | 三木敏彦 |
レスター | アルフ・ハンフリーズ | 仁内建之 | 小島敏彦 | 高宮俊介 | 田中正彦 | 立木文彦 |
ミッチ | デヴィッド・カルーソ | 安原義人 | 塩沢兼人 | 荒川太郎 | 宮本充 | 佐藤淳 |
シングルトン | デヴィッド・L・クローリー | 平林尚三 | 塚田正昭 | 田口昂 | 益富信孝 | 納谷六朗 |
プレストン | ドン・マッケイ | |||||
クリント・モーガン中尉 | パトリック・スタック | 小島敏彦 | 喜多川拓郎 | 小野健一 | 家中宏 | 檀臣幸 |
ヘリパイロット | チャールズ・A・タンブロ | 千田光男 | 郷里大輔 | 天田益男 | 楠見尚己 | |
州兵ブルース | ブルース・グリーンウッド | |||||
役不明またはその他 | 鹿島信哉 円谷文彦 伊井篤史 小室正幸 広瀬淳 麻生美衣 鈴木勝美 立木文彦 中村紀子子 |
幹本雄之 | 亀井芳子 竹口安芸子 藤本譲 |
峰恵研 幹本雄之 島香裕 大黒和広 磯辺万沙子 湯屋敦子 鳥海勝美 |
佐々木敏 吉見一豊 小形満 上杉陽一 伊藤昌一 定岡小百合 大橋世津 村井かずさ 藤原美央子 | |
日本語版制作スタッフ | ||||||
演出 | 松川陸 | 蕨南勝之 | 左近允洋 | 松川陸 | 佐藤敏夫 | |
翻訳 | 戸田奈津子(字幕) | 額田やえ子 | 鈴木導 | 平田勝茂 | ||
調整 | 遠西勝三 | 高橋久義 | 南部満治 | 山本洋平 | ||
録音 | スタジオザウルス | |||||
制作 | ニュージャパンフィルム | ニュージャパンフィルム TBS |
グロービジョン | ニュージャパンフィルム | ||
プロデューサー | 奥田誠治 | 上田正人 | 山形淳二 | 大塚恭司 阿部真一郎 | ||
解説 | 水野晴郎 | 高島忠夫 | 淀川長治 | |||
初回放送 | 1985年10月25日 『金曜ロードショー』 |
1990年10月17日 『水曜ロードショー』 |
1993年3月27日 『G洋画劇場』 |
1995年3月26日 『日曜洋画劇場』 ノーカット放送 |
1999年11月5日 『金曜ロードショー』 |
- テレビ朝日版がDVD・BD収録。
- 2020年2月14日発売の 「ランボー 4Kレストア版 Blu-ray」「ランボー 4K Ultra HD Blu-ray (Ultra HD Blu-ray +Blu-ray 2枚組)」には5種類全ての日本語吹替が収録。
スタッフ
- 監督 - テッド・コッチェフ
- 製作 - バズ・フェイシャンズ、シルヴェスター・スタローン
- 製作総指揮 - マリオ・カサール、アンドリュー・G・ヴァイナ
- 原作 - デイヴィッド・マレル
- 脚色 - シルヴェスター・スタローン、マイケル・コゾル
- 撮影 - アンドリュー・ラズロ
- 音楽 - ジェリー・ゴールドスミス
- 主題歌 - ダン・ヒル「It's a long road」
- 提供 - カロルコ・ピクチャーズ
地上波放送履歴
回数 | テレビ局 | 番組名 | 放送日 | 吹替版 |
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初回 | 日本テレビ | 金曜ロードショー | 1985年10月25日 | 日本テレビ旧版 |
2回目 | 1988年4月8日 | |||
3回目 | 1989年12月1日 | |||
4回目 | TBS | 水曜ロードショー | 1990年10月17日 | TBS版 |
5回目 | フジテレビ | ゴールデン洋画劇場 | 1993年3月27日 | フジテレビ版 |
6回目 | テレビ朝日 | 日曜洋画劇場 | 1995年3月26日 | テレビ朝日版 |
7回目 | フジテレビ | ゴールデン洋画劇場 | 1996年6月26日 | フジテレビ版 |
8回目 | 日本テレビ | 金曜ロードショー | 1999年11月5日 | 日本テレビ新版 |
9回目 | フジテレビ | ゴールデン洋画劇場 | 2001年6月9日 | フジテレビ版 |
10回目 | テレビ東京 | 午後のロードショー | 2004年11月29日 | テレビ朝日版 |
11回目 | 木曜洋画劇場 | 2008年5月22日 | ||
12回目 | 午後のロードショー | 2012年8月21日[5] | ||
13回目 | 2014年11月6日[6] | |||
14回目 | 2017年1月26日[7] | |||
15回目 | 2019年12月6日[8] |
作品解説
映画化権の変動
原作小説が発表されたところ、当時のアメリカで問題となっていたベトナム帰還兵にスポットを当て、その心の病を描いたストーリーは評判となり、ワーナー・ブラザースが映画化権を取得、ランボー役としてクリント・イーストウッドとジェームズ・ガーナーの二人に二股交渉をしたところ、双方からオファーを断られてしまい、特にガーナーの方は﹁アメリカの警官を殺すような役はしたくない﹂とまで言われる始末であった。その後、当時注目を浴びていた若手俳優アル・パチーノにもオファーを出すも、これもまた断られてしまった。 しばらくして、マイク・ニコルズが企画に興味を示し、主演にダスティン・ホフマンを推すも、﹁暴力的すぎる﹂と断られてしまった事から企画は頓挫し、映画化権は当時新鋭のプロデューサーだったマリオ・カサール、アンドリュー・G・ヴァイナが設立したカロルコ・ピクチャーズに売却された。