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「仮面舞踏会 (ヴェルディ)」の版間の差分

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初演の時は[[イタリア統一運動]]全盛期であり、初演に熱狂した人々は街のいたるところに ''Viva VERDI!''(ヴェルディ万歳!)と落書きした。もちろんこれには素晴らしい作品を作曲したヴェルディを賞賛するのと同時に、VERDIが偶然にも「イタリア国王ヴィットリオ・エマヌエーレ」('''V'''ittorio '''E'''manuele, '''R'''e '''D'I'''talia)の頭文字を取ったものでもあり、イタリア統一を目指す[[サルデーニャ王国|サルデーニャ国王]][[ヴィットーリオ・エマヌエーレ2世]]と重ね合わせられ、それによってヴェルディは愛国のシンボルとなったのである。

初演の時は[[イタリア統一運動]]全盛期であり、初演に熱狂した人々は街のいたるところに ''Viva VERDI!''(ヴェルディ万歳!)と落書きした。もちろんこれには素晴らしい作品を作曲したヴェルディを賞賛するのと同時に、VERDIが偶然にも「イタリア国王ヴィットリオ・エマヌエーレ」('''V'''ittorio '''E'''manuele, '''R'''e '''D'I'''talia)の頭文字を取ったものでもあり、イタリア統一を目指す[[サルデーニャ王国|サルデーニャ国王]][[ヴィットーリオ・エマヌエーレ2世]]と重ね合わせられ、それによってヴェルディは愛国のシンボルとなったのである。


== 原作と台本 ==


1833

「仮面舞踏会」に描かれたリッカルドとアメーリアの道ならぬ恋、またアメーリアの夫レナートはリッカルドに最も忠実な側近であるとの設定は共にもともと史実ではなく、スクリーブの完全な創作になる脚色である。また、グスタフ3世がウルリカ・アルヴィドソンから暗殺について警告を受けたのは事実とされているが、その警告は暗殺の数年前のことであった。スクリーブはその逸話を暗殺直前の時期にずらして取り入れることで物語の緊迫感を高めている。これら作中のスクリーブによる脚色については、史実でない以上、別の描き方をヴェルディとソンマで検討することも可能であったろうと思われるが、おそらくヴェルディはあえてこれらの脚色をそのままにしていることから、彼がスクリーブの筆力に一定の評価を置いていたのは確かだと思われる(ヴェルディは1854年の「[[シチリアの晩鐘 (ヴェルディ)|シチリアの晩鐘]] 」作曲の際にスクリーブの台本に作曲する共同作業も経験している)。


ヴェルディがもともとスクリーブの戯曲から強い印象を受けていたのは、「国王という公的な地位にある人間の、それ故にこそ一層劇的な形の矛盾となって迫る友情と信頼と恋の相克の悲劇」という内容だったのでは、と指摘されており、この点を考えるなら上記の脚色をヴェルディが改変することはなかったのも頷ける。そのようにヴェルディがスクリーブを評価し、オペラ化の際損ないたくない本質があったにも関わらず、ソンマにあえて台本の再構成を依頼したのは、オーベール版より上質な作品を作りあげるための布石であったと考えられる。既にオペラ化された題材を再びオペラ化すること自体はそれ以前からごく一般的に行われていたことであったが、作曲家としてあえて先行作品のあるものに取り組む以上、先行作を上回るものに仕上げたいと考えるであろうことは想像に難くなく、ヴェルディもオーベール版を上回るものを、と作曲を思い立った時、同じ台本を用いるより、戯曲の本質を損なわずに再構成することで、より自分の音楽的意図に沿った台本を得て、総合的にオーベール版より上質の作品を作りあげたいと意図してのことだったと思われる。



== 構成 ==

== 構成 ==


2018年6月3日 (日) 15:30時点における版


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Un ballo in maschera

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聴きどころ

第1幕

  • ロマンツァ「恍惚とした喜びの中で」(リッカルド)
    テノールの美しさを堪能できる
  • アリア「希望と喜びに満ちて」(レナート)
    レナートのリッカルドへの思いが切々と伝わる
  • アリア「地獄の王よ」(ウルリカ)
    出番が少ないウルリカの出来を左右する曲。メゾ・ソプラノの腕の見せ所

第2幕

  • アリア「あの草を摘みとって」(アメリア)
  • 二重唱「ああ、何と心地よいときめきが」(リッカルド&アメリア)
    愛の陶酔の極致ともいうべき情熱的な二重唱

第3幕

  • アリア「私の最後の願い」(アメリア)
  • アリア「おまえこそ心を汚すもの」(レナート)
    リッカルドへの怒りと妻への思いを歌い綴るバリトンの名アリア。
  • ロマンツァ「もしも、私が永遠に」(リッカルド)
    アメリアへの思いを諦める決心を歌う。切々とした思いが伝わる

参考文献

  • 『イタリア・オペラ〈下〉 スタンダード・オペラ鑑賞ブック〈2〉』 音楽之友社 1998年
  • 『200CD アリアで聴くイタリア・オペラ―ベルカントの魅力』 立風書房  2002年
  • 『仮面舞踏会 オペラ対訳シリーズ (13)』 音楽之友社 1967年
  • 『歌劇大事典』大田黒元雄 音楽之友社 1952年