「吹田隆道」の版間の差分
Amitayus1955 (会話 | 投稿記録) 編集の要約なし |
Tanaka0519 (会話 | 投稿記録) Twitterの記述は出典となりえないと思われます。また、アマゾンの書評に関しても出典となり得ないと思われます。学術誌等の書評を待ち、それに基づくべきと思われます。 |
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'''吹田 隆道'''︵ふきた たかみち、FUKITA Takamichi、[[1955年]][[1月18日]] - ︶は、日本の[[仏教学者]]、専門分野は梵文[[阿含経典]]の原典批判、[[初期仏教]]思想、インド[[大乗仏教]]思想、[[ガンダーラ語]]仏典等、多岐にわたる。そのなかでも、中央アジア出土の梵文写本に基づく阿含経典研究については、古典サンスクリットのみならず[[仏教混淆梵語]]や[[ガンダーラ語]]なども考慮した |
'''吹田 隆道'''︵ふきた たかみち、FUKITA Takamichi、[[1955年]][[1月18日]] - ︶は、日本の[[仏教学者]]、専門分野は梵文[[阿含経典]]の原典批判、[[初期仏教]]思想、インド[[大乗仏教]]思想、[[ガンダーラ語]]仏典等、多岐にわたる。そのなかでも、中央アジア出土の梵文写本に基づく阿含経典研究については、古典サンスクリットのみならず[[仏教混淆梵語]]や[[ガンダーラ語]]なども考慮した業績が存在する。また、最先端の科学知識にも精通しており、脳科学と[[仏陀]]の悟りを比較するなどの学際的研究も手掛ける。[[大乗仏教]]研究及び[[仏教論理学]]の大家・[[梶山雄一]]の高弟であり、自らも多くの優秀な門下生を輩出している。
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==来歴== |
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===先学から後学への架け橋=== |
===先学から後学への架け橋=== |
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大正大学在籍中の1974年に、[[辻直四郎]]による『[https://www.iwanami.co.jp/.BOOKS/02/7/0202220.html サンスクリット文法]』(以下『辻文法』)が[[岩波書店]]より出版され、それまで初学者向けと定評のあった[[荻原雲来]]『[http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/942682 実習梵語学]』(以下『荻原文法』)は文語体で書かれていたため、実用的でなくなった。しかし、『辻文法』は、中級文法故に、結果的に初学者には向かなかった。この事情を憂い2015年に[[春秋社]]より出版された吹田隆道『[http://www.shunjusha.co.jp/detail/isbn/978-4-393-10172-8/ 実習サンスクリット文法]』(以下『吹田文法』)は、この『荻原文法』を現代語化させ、さらに現在のインド学を専攻する後学の使用に耐えるための増補という目的のもとに発刊されたものである<ref>[http://www.shunjusha.co.jp/detail/isbn/978-4-393-10172-8/ 吹田隆道『実習サンスクリット文法』序文]</ref>。 |
大正大学在籍中の1974年に、[[辻直四郎]]による『[https://www.iwanami.co.jp/.BOOKS/02/7/0202220.html サンスクリット文法]』(以下『辻文法』)が[[岩波書店]]より出版され、それまで初学者向けと定評のあった[[荻原雲来]]『[http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/942682 実習梵語学]』(以下『荻原文法』)は文語体で書かれていたため、実用的でなくなった。しかし、『辻文法』は、中級文法故に、結果的に初学者には向かなかった。この事情を憂い2015年に[[春秋社]]より出版された吹田隆道『[http://www.shunjusha.co.jp/detail/isbn/978-4-393-10172-8/ 実習サンスクリット文法]』(以下『吹田文法』)は、この『荻原文法』を現代語化させ、さらに現在のインド学を専攻する後学の使用に耐えるための増補という目的のもとに発刊されたものである<ref>[http://www.shunjusha.co.jp/detail/isbn/978-4-393-10172-8/ 吹田隆道『実習サンスクリット文法』序文]</ref>。 |
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この『吹田文法』は、その内容について「'''日本のサンスクリット学習界に革命が起きた'''」と激賞されるだけではなく <ref>[https://twitter.com/k4t15odfuke/status/646334449550909440 吹田隆道『実習サンスクリット文法』書評参照]。「'''これは日本のサンスクリット学習界に革命が起きたといってよいのではないか'''」と評価される。[http://megalodon.jp/2015-1103-0514-38/https://twitter.com:443/k4t15odfuke/status/646334449550909440 ウェブ魚拓]</ref>、出版に対する歴史的意義についても「'''自身は先学から後進への学問のリレーの中継者に過ぎないのだ、という謙虚な心持ちの現われであると同時に、この学統の継承者としての強烈な自負心の現われでもあるように思う。'''」と絶賛されているなど、第三者複数人による極めて異例ともいえる高い評価が得られている<ref>[http://www.amazon.co.jp/gp/cdp/member-reviews/A1C9HBLJBYOS08/ref=pdp_new_read_full_review_link?ie=UTF8&page=1&sort_by=MostRecentReview#R2QR2GJGZQNN0R 吹田隆道『実習サンスクリット文法』書評参照] [http://megalodon.jp/2015-1103-0512-13/www.amazon.co.jp/gp/cdp/member-reviews/A1C9HBLJBYOS08/ref=pdp_new_read_full_review_link?ie=UTF8&page=1 ウェブ魚拓]</ref>。 |
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===後学への指導について=== |
===後学への指導について=== |
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===市井の学者として=== |
===市井の学者として=== |
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このように、学者としても教育者としても一線で活躍し続けたために、必然的に、自ずから世間の栄達とは離れることを望んだ |
このように、学者としても教育者としても一線で活躍し続けたために、必然的に、自ずから世間の栄達とは離れることを望んだ。自らは仏教を広く世間に広げる'''市井の学者'''としての道を歩んだという。これをうけて大学関係のみならず、一般人向けの講演会も手掛けている<ref>[http://www.zaikebukkyo.com/event/osaka.html 在家仏教協会平成27年度定期講演会﹁ブッダの覚りがもたらす宗教性 −仏教はなぜ原理主義に陥らないのか−﹂︵2015年4月24日︶]</ref>。
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==著書== |
==著書== |
2015年11月4日 (水) 09:32時点における版
吹田 隆道 (ふきた たかみち) | |
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生誕 |
吹田 隆道 (ふきた たかみち) 1955年1月18日生まれ ![]() |
研究分野 | 仏教学 |
研究機関 |
佛教大学仏教学部 |
出身校 |
大正大学文学部 大正大学文学研究科修士課程(梵文学専攻)修了 佛教大学大学院文学研究科(仏教学専攻)満期退学 |
主な業績 | 梵文阿含経典の研究、「大本経」の研究 |
影響を 受けた人物 | 梶山雄一、荻原雲来、石上善應 |
プロジェクト:人物伝 |
来歴
京都府生まれ。大正大学文学研究科修士課程︵梵文学専攻︶修了。佛教大学大学院文学研究科博士課程︵仏教学専攻︶満期退学。現在、ゲッティンゲン科学アカデミーのサンスクリット辞書編纂プロジェクトにも関与している。京都洛北の名刹・浄土宗招善寺住職[1]。佛教大学大学院非常勤講師[2]。エピソード
先学から後学への架け橋
大正大学在籍中の1974年に、辻直四郎による﹃サンスクリット文法﹄︵以下﹃辻文法﹄︶が岩波書店より出版され、それまで初学者向けと定評のあった荻原雲来﹃実習梵語学﹄︵以下﹃荻原文法﹄︶は文語体で書かれていたため、実用的でなくなった。しかし、﹃辻文法﹄は、中級文法故に、結果的に初学者には向かなかった。この事情を憂い2015年に春秋社より出版された吹田隆道﹃実習サンスクリット文法﹄︵以下﹃吹田文法﹄︶は、この﹃荻原文法﹄を現代語化させ、さらに現在のインド学を専攻する後学の使用に耐えるための増補という目的のもとに発刊されたものである[3]。後学への指導について
大学卒業後、佛教大学のサンスクリット講座を長く受け持つ一方で、学内外の有志を自坊招善寺に招いて、勉強会を定期的に開催し、後進の育成に努めている。市井の学者として
このように、学者としても教育者としても一線で活躍し続けたために、必然的に、自ずから世間の栄達とは離れることを望んだ。自らは仏教を広く世間に広げる市井の学者としての道を歩んだという。これをうけて大学関係のみならず、一般人向けの講演会も手掛けている[4]。著書
単著
- The Mahāvadānasūtra, A New Edition Based on Manuscripts Discovered in Northern Turkestan, Göttingen 2003[5]
- 『ブッダとは誰か』春秋社 2013年2月[6]
- 『実習サンスクリット文法』春秋社 2015年9月
共著
- A Survey of the Sanskrit Fragments Corresponding to the Chinese Madhyamāgama, The Sankibo press(山喜房仏書林), Tokyo 2011 (Jin-il Chungと共著)[7]
- 『開祖ブッダをどう説くか』四季社 2012年1月[8]
編著
- 『梶山雄一著作集』春秋社 2012~2013年[9]
学術論文
単著
- 「梵本「大本経」縁起説の復元について」『佛教史学研究』24(2), 1982年[10]
- 「梵文「大本経」の復元に関する若干の問題」『印度學佛教學研究』33(2), 1985年[11]
- On and around Hybrid Sanskrit in the Mahāvadānasūtra and the Saṅghabhedavastu, Journal of Indian and Buddhist Studies, vol. 35, no. 1, 1986.[12]
- 「梵本「大本経」写本Cat.-No.498(=MAV82,83)に関する中間報告」『佛教大学仏教文化研究所所報』4, 1987年[13]
- 「東トルキスタン有部の読誦経典 ―Nagaropamavyākaraṇa(=Nagarasūtra)と魔除け―」『三康文化研究所年報』20, 1988年[14]
- 「「大本経類」に見る過去仏思想と二つ展開」『佛教大学仏教文化研究所所報』8, 1990年[15]
- Sanskrit Fragments of a Karmavibhaṅga Corresponding to the Canonical Tibetan and Chinese Translations, The Bukkyo Bunka Kenkyuusho Nenpo (Annual of Buddhist Studies), vol. 7/8, 1990.[16]
- 「『十誦律』に見る「大経」と方広経典 ―パリヤーヤ態を中心に―」『印度學佛教學研究』40(2), 1992年[17]
- 「「大本経」に見る仏陀の共通化と法レベル化」『原始仏教と大乗仏教:渡辺文麿博士追悼記念論集』通号1, 1993年[18]
- 「ガンダーラ語と初期漢訳 ―以前の仮説の再考察―」『佛教大学仏教学会紀要』6, 1998年[19]
- 「それゆえ今、アーナンダよ」『仏教学浄土学研究:香川孝雄博士古稀記念論集』, 2001年[20]
- 「降魔成道と降魔 ―婆沙論が説く「降魔成道」の口伝をめぐって―」『仏教文化の基調と展開:石上善応教授古稀記念論文集』通号1, 2001年[21]
- 「二人のシャーキャムニ仏」『インド文化と仏教思想の基調と展開:佐藤良純教授古稀記念論文集』通号1, 2003年[22]
- 「大智度論に見る三十二相をめぐって」『浄土学仏教学論叢:高橋弘次先生古稀記念論集』通号2, 2004年[23]
- 「『象跡喩大経』に見る自然環境」『佛教大学総合研究所紀要』2005(別冊2), 2005年[24]
- 「二尊のあわれみ ―浄土経典に見る釈迦牟尼讃歎の文学構造―」『仏教文化研究』50, 2006年[25]
- 「『マハー・アヴァダーナ経』から見るアヴァダーナ再考」『佛法僧論集:福原隆善先生古希記念論集』通号1, 2013年[26]
共著
- 「教主としての『城喩経』 ―厄除け機能の考察と付加物語の翻訳―」『佛教大学総合研究所紀要』2, 1995年(ダニエル・ブシューと共著)[27]
- 「MahākarmavibhaṅgaとKarmavibhaṅgasūtra(1) ―ネパール国立古文書館所蔵のサンスクリット写本―」『創価大学国際仏教学高等研究所年報』2, 1998年(辛嶋静志、工藤順之と共著)[28]
- 「『般若心経』は中国偽経か?」『三康文化研究所年報』37, 2006年(原著:ジャン・ナティエ、共訳:工藤順之)[29]
脚注
- ^ 招善寺の風光明媚な境内は時代劇のロケ地としても名高い。
- ^ 春秋社著者紹介ページ
- ^ 吹田隆道『実習サンスクリット文法』序文
- ^ 在家仏教協会平成27年度定期講演会「ブッダの覚りがもたらす宗教性 −仏教はなぜ原理主義に陥らないのか−」(2015年4月24日)
- ^ CiNii図書データ
- ^ 『ブッダとは誰か』春秋社
- ^ 国立国会図書館サーチ
- ^ 国立国会図書館サーチ
- ^ 春秋社HP
- ^ 国立国会図書館サーチ
- ^ J-Stage
- ^ J-Stage
- ^ INBUDS
- ^ INBUDS
- ^ INBUDS
- ^ INBUDS
- ^ J-Stage
- ^ INBUDS
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- ^ 国立国会図書館サーチ INBUDS
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- ^ 国立国会図書館サーチ INBUDS
- ^ CiNii
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- ^ 国立国会図書館サーチ
- ^ INBUDS CiNii
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