太平洋の奇跡 -フォックスと呼ばれた男-
表示
太平洋の奇跡 -フォックスと呼ばれた男- | |
---|---|
監督 | 平山秀幸 |
脚本 |
西岡琢也 グレゴリー・マークェット チェリン・グラック |
原作 | ドン・ジョーンズ |
製作総指揮 | 奥田誠治 |
出演者 | 竹野内豊 |
音楽 | 加古隆 |
撮影 | 柴崎幸三 |
編集 | 洲崎千恵子 |
製作会社 | 「太平洋の奇跡」製作委員会 |
配給 | 東宝 |
公開 |
![]() |
上映時間 | 128分 |
製作国 |
![]() |
言語 | 日本語 |
興行収入 | 15.7億円[1] |
﹃太平洋の奇跡−フォックスと呼ばれた男−﹄︵たいへいようのきせき フォックスとよばれたおとこ︶は、ドン・ジョーンズの長編実録小説﹃タッポーチョ﹁敵ながら天晴﹂大場隊の勇戦512日﹄を原作とした 2011年2月11日公開の日本映画。
厚生労働省社会保障審議会が推薦する児童福祉文化財の1つに選ばれている[2]。
概要
太平洋戦争において激戦が繰り広げられたサイパン島で、わずか47人の兵で45,000人もの米軍を巧みな戦略で翻弄し、米兵らから畏敬の念を込めて﹁フォックス﹂と呼ばれた実在の大場栄・陸軍大尉。タッポーチョ山を拠点とした大場とその部隊が、1945年8月のポツダム宣言受諾以降も、その事実を知らずに戦い続けた実話を日米双方から描く︵詳細はサイパンの戦いを参照︶。 全国300スクリーンで公開され、2011年2月12、13日土日2日間で興収は2億5,510万700円、動員は21万6,495人︵初日からの3日間では興収は3億9,044万8,500円、動員は33万1,967人︶になり映画観客動員ランキング︵興行通信社調べ︶で初登場第1位となった[3]。イギリス、アイルランド、ドイツ、オーストリア、スイスの5カ国での配給が決定しているほか、ほかの国でも配給交渉が行なわれている。 また、ぴあ初日満足度ランキング︵ぴあ映画生活調べ︶では第1位と50代を中心に世代に高評価されている。ストーリー
昭和19年7月、サイパンの戦いにおいて、圧倒的な数のアメリカ軍に斬り込む総攻撃に生き残った日本陸軍の大場栄大尉。生き残りの兵士たちとジャングルに後退した彼は﹁玉砕﹂のみを考えていたが、次第に民間人や残された兵士のため、生き残って最後まで戦おうと決意する[4]。![]() | この節の加筆が望まれています。 |
キャスト
- 大場栄 大尉(別名:フォックス) - 竹野内豊
- 堀内今朝松 一等兵(別名:サイパンタイガー) - 唐沢寿明
- 青野千恵子 - 井上真央
- 木谷敏男 曹長 - 山田孝之
- 奥野春子 - 中嶋朋子
- 尾藤三郎 軍曹 - 岡田義徳
- 元木末吉 - 阿部サダヲ
- ハーマン・ルイス大尉 - ショーン・マクゴーウァン
- ポラード大佐 - ダニエル・ボールドウィン
- ウェシンガー大佐 - トリート・ウィリアムズ
- 金原 少尉 - 板尾創路
- 永田 少尉 - 光石研
- 池上 上等兵 - 柄本時生
- 伴野 少尉 - 近藤芳正
- 馬場明夫 - 酒井敏也
- 大城一雄 - ベンガル
- 馬場エミ子 - 山口愛
- 馬場昭 - 小柴亮太
- 斎藤義次陸軍中将 - 浜田晃
- 南雲忠一海軍中将 - 側見民雄
- 井桁敬治陸軍少将 - 外波山文明
- 矢野英雄海軍少将 - 三田村周三
- 佐官 - 福田転球
スタッフ
- 監督:平山秀幸
- 脚本:西岡琢也、Gregory Marquette、Cellin Gluck
- 原作:ドン・ジョーンズ『タッポーチョ「敵ながら天晴」大場隊の勇戦512日(英題[5]:Oba, the Last Samurai: Saipan 1944-45)』(中村定訳、祥伝社刊)
- 音楽:加古隆
- ヴァイオリン演奏:宮本笑里
- 製作指揮:宮崎洋
- 製作:大山昌作、平井文宏、島谷能成、阿佐美弘恭、村上博保、服部洋、大橋善光
- エグゼクティブプロデューサー:奥田誠治
- シニアプロデューサー:菅沼直樹
- プロデューサー:飯沼伸之、伊藤卓哉、甘木モリオ、田中敏雄
- US Unit Director:Cellin Gluck
- 2nd Unit Director/特撮監督:尾上克郎
- VFXスーパーバイザー:道木伸隆
- US Unit Producer:Thomas Nelson
- Thai Unit Producer:Michael Sarun Srisomsub
- Main Unit
- 撮影:柴崎幸三
- 美術:中澤克巳
- 照明:上田なりゆき
- 録音:小松将人
- 編集:洲崎千恵子
- ポストプロダクションスーパーバイザー:大屋哲男
- 監督補:蝶野博
- 助監督:吉田和弘
- 製作担当:吉崎秀一
- US Unit
- Director of Photography:Garry Waller
- Production Designer:Richard Lowe
- Sound Mixer:Paul Marshall
- Editor:James Munro
- 1st AD:Stephen Buck
- 企画製作:日本テレビ放送網
- 製作:日本テレビ放送網、バップ、東宝、D.N.ドリームパートナーズ、読売テレビ放送、電通、読売新聞 / STV、MMT、SDT、CTV、HTV、FBS
- 製作プロダクション:シネバザール
- 製作協力:Protean Image Group、Alpha Beta Films Production
- 配給:東宝
作品解説
撮影は平山秀幸監督率いる日本ユニットとチェリン・グラック監督率いる米国ユニット、尾上克郎監督率いる特撮ユニットの3隊で進められ、両軍それぞれの目線で描かれる[6]。
ロケ地
ロケ地はタイで2010年5月20日に撮入。なお、タイ南部だけでなく、サイパン島でもロケ撮影が行なわれた[6]。原作との違い
●原作の冒頭にある昭和57年にハーマン・ルイスが大場の家を訪れるエピソードがない。 ●原作では﹁フォックス﹂という呼び名は登場しない。 ●原作ではハーマン・ルイスの階級は少佐︵終盤で中佐に昇進︶だが、映画では大場と同じく大尉。 ●原作には登場しない穏健派のウェシンガー大佐が登場する。 ●原作では木谷の青野への恋愛感情がはっきりと描かれているが、映画では匂わす程度である。 ●医薬品を盗みに入るエピソードが違う。原作では、撃たれた青野のもとに木谷が駆けつけ、木谷の腕の中で青野が息絶える。それを嘆き悲しむ木谷が米兵に銃剣で刺し殺される。映画ではそもそも木谷はその場におらず、代わりに堀内が銃撃戦の末に死ぬ。青野は撃たれるが病院に収容されて助かる。 ●堀内の死のエピソードが違う。 ●木谷が日本人通訳を︵裏切り者と思い︶射殺するエピソードが加えられている。 ●木谷が死ぬことなく、投降を拒否して1人で山に籠る。 ●大場隊が投降した後のエピソード︵青野や以前救った赤ん坊との再会など︶が加えられている。プロモーション
初期のTVCMでは、音楽を担当した加古隆が作曲した﹃パリは燃えているか﹄︵NHKスペシャル﹁映像の世紀﹂メインテーマ曲、1995年︶が使用されていた。書籍
原作
●映画公開に合わせ、原作本が﹃タッポーチョ 太平洋の奇跡﹁敵ながら天晴﹂玉砕の島サイパンで本当にあった感動の物語﹄のタイトルで復刊・文庫化︵ISBN 4396315368︶され、2011年2月4日に発売された。ノベライズ
●2011年1月6日に小学館より文庫本︵ISBN 4094085602︶が出版された。大石直紀著。逸話
●米国ユニットのチェリン・グラック監督は和歌山県出身で日本育ちのアメリカ人である。 ●日本に留学経験があるという設定のハーマン・ルイス大尉を演じたショーン・マクゴーウァンは、父親がアメリカ海軍のパイロットだったことから11歳から15歳までの約4年間、青森県三沢市に住んでいた[7]。脚注
(一)^ 2011年度(平成23年)興収10億円以上番組︵平成24年1月発表︶一般社団法人 日本映画製作者連盟 2012年1月26日発表
(二)^ “2011年3月22日 第30回社会保障審議会福祉文化分科会議事要旨”. 厚生労働省. 2012年7月17日閲覧。
(三)^ ﹃太平洋の奇跡﹄が首位を飾り﹃あしたのジョー﹄も女性・若者層を中心にヒット!東宝の作品がベスト3にシネマトゥディ 2011年2月16日
(四)^ 原作の﹁訳者あとがき﹂において翻訳者の中村定は﹁当時、大場さんは“玉砕”のみを考えていた、と言うのに対し、ジョーンズ氏は、それを“生き残って最後まで戦う”とした﹂と原作者によるフィクショナイズであると明記している。
(五)^ 日本語版の方が先に出版されたため、﹁原題﹂ではない。
(六)^ ab“竹野内、丸刈り兵!灼熱ジャングルで役者魂”. SANSPO.COM (2010年6月29日付). 2010年8月30日閲覧。
(七)^ “映画﹃太平洋の奇跡‐フォックスと呼ばれた男-﹄特集”. テレビドガッチ. 2011年6月19日閲覧。