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| 氏名 = 平成輔<br>(烏丸成輔) |
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| 画像 = [[File:平平輔の位牌.JPG|thumb|平成輔の位牌]] |
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| 時代 = [[鎌倉時代]]末期 |
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| 生誕 = [[正応]]4年([[1291年]]) |
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| 諡号 = |
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| 神号 = |
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| 戒名 = |
| 戒名 = (伝)昭徳院忠誉義道 |
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| 墓所 = (伝)[[神奈川県]][[小田原市]]南町、報身寺 |
| 墓所 = (伝)[[神奈川県]][[小田原市]]南町、報身寺 |
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| 官位 = [[参議]][[正三位]]、贈[[従二位]] |
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== 経歴 == |
== 経歴 == |
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[[File:Grave of Taira no Narisuke.jpg|thumb|285px|平成輔の墓所]] |
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[[左衛門権佐]]・[[五位蔵人]]・[[兵部省|兵部権少輔]]などを経た後、[[弁官]]として昇進。[[元亨]]4年︵[[1324年]]︶4月[[蔵人頭]]・[[中宮亮]]に任じられる。[[正中の変]]直後の10月に辞職し、所労と称して籠居したが、[[花園上皇]]は﹁実事にあらざるか。諸人不審﹂<ref>﹃[[花園天皇宸記]]﹄元亨4年10月30日条︵原漢文︶</ref>と訝しんでいる。[[嘉暦]]2年︵[[1327年]]︶[[参議]]として[[公卿]]に列し、[[治部卿]]と[[弾正大弼]]を兼任。同3年︵[[1328年]]︶1月[[従三位]]に叙され、3月[[丹波権守]]を兼ねた。[[元徳]]2年︵[[1330年]]︶1月[[正三位]]に叙されるも、間もなく父惟輔の[[喪]]に遭って参議を辞している。
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[[File:平平輔の位牌.JPG|thumb|200px|平成輔の位牌(報身寺安置)]] |
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[[左衛門権佐]]・[[五位蔵人]]・[[兵部少輔|兵部権少輔]]などを経た後、[[弁官]]として昇進。[[元亨]]4年︵[[1324年]]︶4月[[蔵人頭]]・[[中宮亮]]に任じられる。[[正中の変]]直後の10月に辞職し、所労と称して籠居したが、[[花園上皇]]は﹁実事にあらざるか。諸人不審﹂<ref>﹃[[花園天皇宸記]]﹄元亨4年10月30日条︵原漢文︶</ref>と訝しんでいる。[[嘉暦]]2年︵[[1327年]]︶[[参議]]として[[公卿]]に列し、[[治部卿]]と[[弾正大弼]]を兼任。同3年︵[[1328年]]︶1月[[従三位]]に叙され、3月[[丹波権守]]を兼ねた。[[元徳]]2年︵[[1330年]]︶1月[[正三位]]に叙されるも、間もなく父惟輔の[[喪]]に遭って参議を辞している。
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[[後醍醐天皇]]の討幕の密議には、[[日野資朝]]・[[日野俊基]]・[[四条隆資]]・[[花山院師賢]]とともに参加。同年︵[[1330年]]︶4月[[清水寺]]で[[大判事]][[中原章房]]が[[暗殺]]されたが、これは、章房が討幕について諫奏したため、密議の漏洩を恐れた天皇の密命により、成輔が瀬尾兵衛太郎を[[刺客]]として殺害させたものという<ref>島津家本・今川家本﹃[[太平記]]﹄</ref>。[[元弘]]元年/[[元徳]]3年︵[[1331年]]︶討幕計画が露見したため︵[[元弘の変]]︶、[[8月24日 (旧暦)|8月24日]]天皇は[[京都]]を脱出して[[奈良]]に潜幸。これに供奉しなかった成輔は、翌[[8月25日 (旧暦)|25日]][[六波羅探題]]により拘束され、[[丹後国|丹後前司]]︵[[長井宗衡]]か︶の許へ預けられる。元弘2年/[[正慶]]元年︵[[1332年]]︶4月幕府から[[斬罪]]の処分が伝えられると、翌月[[河越高重|河越円重]]に従って[[鎌倉]]へ護送され、その途次の[[相模国|相模]][[早川 (小田原市)|早川]]尻︵[[伊豆国|伊豆]][[早川宿]]とも︶で[[梟首]]された。[[享年]]42。
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[[後醍醐天皇]]の討幕の密議には、[[日野資朝]]・[[日野俊基]]・[[四条隆資]]・[[花山院師賢]]とともに参加。同年︵[[1330年]]︶4月[[清水寺]]で[[大判事]][[中原章房]]が[[暗殺]]されたが、これは、章房が討幕について諫奏したため、密議の漏洩を恐れた天皇の密命により、成輔が瀬尾兵衛太郎を[[刺客]]として殺害させたものという<ref>島津家本・今川家本﹃[[太平記]]﹄</ref>。[[元弘]]元年/[[元徳]]3年︵[[1331年]]︶討幕計画が露見したため︵[[元弘の変]]︶、[[8月24日 (旧暦)|8月24日]]天皇は[[京都]]を脱出して[[奈良]]に潜幸。これに供奉しなかった成輔は、翌[[8月25日 (旧暦)|25日]][[六波羅探題]]により拘束され、[[丹後国|丹後前司]]︵[[長井宗衡]]か︶の許へ預けられる。元弘2年/[[正慶]]元年︵[[1332年]]︶4月幕府から[[斬罪]]の処分が伝えられると、翌月[[河越高重|河越円重]]に従って[[鎌倉]]へ護送され、その途次の[[相模国|相模]][[早川 (小田原市)|早川]]尻︵[[伊豆国|伊豆]][[早川宿]]とも︶で[[梟首]]された。[[享年]]42。
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子の行輔は[[南朝 (日本)|南朝]]に仕えたと思われるが<ref>﹃[[吉野拾遺]]﹄下に﹁平三位行輔卿﹂と見える。</ref>、明確な史料がないため、経歴など詳しいことは不明である。
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現在、早川尻に近い[[神奈川県]][[小田原市]]南町の報身寺に墓と伝承される石祠が建つ。初め潮音寺境内にあり、[[明治]]41年︵[[1908年]]︶の廃寺によって報身寺が相続。[[大正]]5年︵[[1916年]]︶に改葬した際、[[後頭骨]]・[[胸骨]]・[[大腿骨]]などを検出したという。[[昭和]]6年︵[[1931年]]︶[[12月21日]]に[[従二位]]を[[贈位|追贈]]され、没後600年に当たる同7年︵[[1932年]]︶4月には、県神職会・[[小田原町]]の主催による記念式典が同町[[高等女学校]]で開かれている。同32年︵[[1957年]]︶墓が市史跡に指定された。小田原市市制50周年記念﹁[[ときめき小田原夢まつり]]﹂の開催期間中の5月22日には、当時の市長ら市関係者も出席し慰霊祭が行われた。墓所には樹齢500年以上の古松があったが、付近の開発に伴い、市が根を切ったことが原因で枯れてしまった。切り株は報身寺にある。
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== 墓所 == |
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子の行輔は[[南朝 (日本)|南朝]]に仕えたと思われるが<ref>﹃[[吉野拾遺]]﹄下﹁行輔卿の妾歌の事﹂に﹁平三位行輔卿﹂と見える。</ref>、明確な史料がないため、経歴など詳しいことは不明である。
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現在、早川尻に近い[[神奈川県]][[小田原市]]南町の報身寺に墓と伝承される石祠が建つ。初め潮音寺境内にあり、[[明治]]41年︵[[1908年]]︶の廃寺によって報身寺が相続。[[大正]]5年︵[[1916年]]︶に改葬した際、[[後頭骨]]・[[胸骨]]・[[大腿骨]]などを検出したという。[[昭和]]6年︵[[1931年]]︶[[12月21日]]に[[従二位]]を[[贈位|追贈]]され、没後600年に当たる同7年︵[[1932年]]︶4月には、県神職会・[[小田原町]]の主催による記念式典が同町[[高等女学校]]で開かれている。同32年︵[[1957年]]︶墓が市史跡に指定された。
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小田原市市制50周年記念「[[ときめき小田原夢まつり]]」の開催期間中の[[平成]]3年([[1991年]])[[5月22日]]には、当時の市長ら市関係者も出席し慰霊祭が行われた。かつて墓所の傍らには樹齢500年を超す松の巨木があったが、付近の開発に伴い、市が根を切ったことが原因で枯れてしまった。切り株は報身寺に残されている。 |
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== 略譜 == |
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|[[兵部少輔|兵部権少輔]]に遷任。元[[民部少輔]]。 |
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|[[右少弁]]に遷任し、蔵人・少輔を去る。 |
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|[[蔵人頭]]・[[中宮亮]]に補任し、左中弁を去る。 |
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|参議に補任し、治部卿元の如し。 |
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== 脚注 == |
== 脚注 == |
2015年2月11日 (水) 17:00時点における版
平成輔 (烏丸成輔) | |
---|---|
時代 | 鎌倉時代末期 |
生誕 | 正応4年(1291年) |
死没 |
元弘2年/正慶元年5月22日 (1332年6月15日) |
別名 | 平宰相 |
戒名 | (伝)昭徳院忠誉義道 |
墓所 | (伝)神奈川県小田原市南町、報身寺 |
官位 | 参議正三位、贈従二位 |
主君 | 花園天皇→後醍醐天皇 |
氏族 | 桓武平氏高棟流 |
父母 | 父:平惟輔 |
子 | 行輔、女子(左衛門佐局)? |
経歴
墓所
現在、早川尻に近い神奈川県小田原市南町の報身寺に墓と伝承される石祠が建つ。初め潮音寺境内にあり、明治41年︵1908年︶の廃寺によって報身寺が相続。大正5年︵1916年︶に改葬した際、後頭骨・胸骨・大腿骨などを検出したという。昭和6年︵1931年︶12月21日に従二位を追贈され、没後600年に当たる同7年︵1932年︶4月には、県神職会・小田原町の主催による記念式典が同町高等女学校で開かれている。同32年︵1957年︶墓が市史跡に指定された。 小田原市市制50周年記念﹁ときめき小田原夢まつり﹂の開催期間中の平成3年︵1991年︶5月22日には、当時の市長ら市関係者も出席し慰霊祭が行われた。かつて墓所の傍らには樹齢500年を超す松の巨木があったが、付近の開発に伴い、市が根を切ったことが原因で枯れてしまった。切り株は報身寺に残されている。略譜
和暦 | 西暦 | 月日 | 事柄 |
---|---|---|---|
正応4年 | 1291年 | 生誕。 | |
応長元年 | 1311年 | 1月 | 春宮権大進に見任(『公衡公記』別記)。 |
正和4年 | 1315年 | 5月 | 右衛門権佐に見任(『公衡公記』)。 |
文保元年 | 1317年 | 3月4日 | 蔵人に補任。時に正五位下・左衛門権佐。 |
文保2年 | 1318年 | 2月11日 | 兵部権少輔に遷任。元民部少輔。 |
文保3年 | 1319年 | 3月9日 | 右少弁に遷任し、蔵人・少輔を去る。 |
元応2年 | 1320年 | 3月24日 | 右中弁に転任。 |
4月12日 | 従四位下に昇叙、修理右宮城使に補任。 | ||
元亨元年 | 1321年 | 4月6日 | 左中弁に転任。 |
6月6日 | 修理左宮城使に補任。 | ||
12月29日 | 備中介を兼任。 | ||
元亨2年 | 1322年 | 1月9日 | 記録所寄人に補任。 |
元亨4年 | 1324年 | 4月17日 | 正四位下に昇叙。 |
4月27日 | 蔵人頭・中宮亮に補任し、左中弁を去る。 | ||
10月29日 | 蔵人頭・中宮亮を辞す。 | ||
嘉暦2年 | 1327年 | 3月24日 | 蔵人頭に還任し、治部卿に任官。 |
7月16日 | 参議に補任し、治部卿元の如し。 | ||
8月14日 | 弾正大弼を兼任。 | ||
嘉暦3年 | 1328年 | 1月5日 | 従三位に昇叙。 |
3月16日 | 丹波権守を兼任。 | ||
元徳元年 | 1329年 | 1月13日 | 弾正大弼を停任。 |
9月26日 | 治部卿を停任。 | ||
元徳2年 | 1330年 | 1月5日 | 正三位に昇叙。 |
2月11日 | 参議を辞す。 | ||
元弘2年/正慶元年 | 1332年 | 5月22日 | 相模早川尻で梟首、享年42。 |
昭和6年 | 1931年 | 12月21日 | 従二位を追贈。 |
脚注
参考文献
- 『建武之中興』 建武中興六百年記念会神奈川県支部、1934年、NDLJP:1233010
- 岡見正雄校注 『太平記(一)』 角川書店〈角川文庫〉、1975年、ISBN 9784044047016
- 佐藤和彦 「平成輔」(『国史大辞典 第8巻』 吉川弘文館、1987年、ISBN 9784642005081)
- 宮崎康充編 『検非違使補任 別巻』 続群書類従完成会、2006年、ISBN 9784797107241