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「池田菊苗」の版間の差分

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== 概要 ==

== 概要 ==

現在、世界中で広く普及している[[うま味]][[調味料]]の発見者で、その成分はL-[[グルタミン酸ナトリウム]]であることを解明した。幼少期より[[昆布]]の[[出汁|だし]]に関心を持ち、[[湯豆腐]]のだし汁昆布の研究に着手。妻である貞を夜、昆布を乾物屋に買いに走らせ[[1907年]]に約38 kgの昆布から煮汁をとり(菊苗は昆布を茹でるだけで昆布を刻んでいたのは妻の貞であった)、うま味の素であるL-グルタミン酸ナトリウム約30 gを得ることに成功。[[1908年]][[4月24日]]には「[[グルタミン酸]]を主要成分とする調味料製造法」に関する[[特許]]を出願し、3か月後の[[7月25日]]に特許登録された。池田から事業経営を任された[[鈴木三郎助]](当時鈴木製薬所代表)により、「[[味の素]]」という商品名を付けられ、製造販売。その後、味の素株式会社へと発展した<ref name="tokyodaigaku"></ref>。

現在、世界中で広く普及している[[うま味]][[調味料]]の発見者で、その成分はL-[[グルタミン酸ナトリウム]]であることを解明した。幼少期より[[昆布]]の[[出汁|だし]]に関心を持ち、[[湯豆腐]]のだし汁昆布の研究に着手。妻である貞を夜、昆布を乾物屋に買いに走らせ[[1907年]]([[1908年]]<ref name=":0">{{Cite book|title=Kagaku.|url=https://www.worldcat.org/oclc/843012071|date=2013.1|publisher=Sūkenshuppan|isbn=9784410811371|location=Tōkyō|others=Tatsumi, Takashi, 1948-, 辰巳 敬, 1948-|oclc=843012071}}</ref>)に約38 kgの昆布(約12kgの乾燥昆布<ref name=":0" />)から煮汁をとり(菊苗は昆布を茹でるだけで昆布を刻んでいたのは妻の貞であった)、うま味の素であるL-グルタミン酸ナトリウム約30 gを得ることに成功。[[1908年]][[4月24日]]には「[[グルタミン酸]]を主要成分とする調味料製造法」に関する[[特許]]を出願し、3か月後の[[7月25日]]に特許登録された。池田から事業経営を任された[[鈴木三郎助]](当時鈴木製薬所代表)により、「[[味の素]]」という商品名を付けられ、製造販売。その後、味の素株式会社へと発展した<ref name="tokyodaigaku"></ref>。



[[甘味]]、[[酸味]]、塩味、[[苦味]]に次ぐ第五の[[味]]とされる「うま味」の存在に関しては長く学界で議論されてきたが、その後、舌の味蕾に存在する感覚細胞に[[グルタミン酸受容体]]が発見されたことから[[味覚]]のひとつとして認められるようになり、日本語の'''UMAMI'''のままで世界に通用するようになった。その後さらに、消化器官にも受容体があることが明らかにされ、[[胃]]にうま味が入ると、[[消化]]を促進する効果があるとする生理学的学説が示されている<ref name="tokyodaigaku"></ref>。

[[甘味]]、[[酸味]]、塩味、[[苦味]]に次ぐ第五の[[味]]とされる「うま味」の存在に関しては長く学界で議論されてきたが、その後、舌の味蕾に存在する感覚細胞に[[グルタミン酸受容体]]が発見されたことから[[味覚]]のひとつとして認められるようになり、日本語の'''UMAMI'''のままで世界に通用するようになった。その後さらに、消化器官にも受容体があることが明らかにされ、[[胃]]にうま味が入ると、[[消化]]を促進する効果があるとする生理学的学説が示されている<ref name="tokyodaigaku"></ref>。

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*[[1901年]]5月から10月まで[[ロンドン]]に滞在。[[夏目漱石]]と同じ下宿に住み、以降親交を持つ。帰国後、東京帝国大学教授に昇進。

*[[1901年]]5月から10月まで[[ロンドン]]に滞在。[[夏目漱石]]と同じ下宿に住み、以降親交を持つ。帰国後、東京帝国大学教授に昇進。

*[[1902年]]、[[理学博士]]の学位を取得。

*[[1902年]]、[[理学博士]]の学位を取得。


*[[1907]]4[[]][[|]][[]]1908調19095[[調]][[#調|]][[|]]

*[[1907年]]、酸甘塩苦の4基本味以外の味成分を「[[うま味]]」と名づけ、単離研究に着手。

*[[1908年]]、[[コンブ|昆布]]の旨み成分が[[グルタミン酸ナトリウム]]であることを発見グルタミン酸ナトリウムを主成分とする調味料の製造方法を発明し特許を取得<ref name=":0" />

*[[1909年]]5月、[[うまみ調味料]]「[[味の素#調味料「味の素」|味の素]]」が鈴木製薬所(現[[味の素|味の素株式会社]])から発売された。本人はグルタミン酸を、「具留多味酸」と表記した。

*[[1913年]]、[[日本化学会]]会長。

*[[1913年]]、[[日本化学会]]会長。

*[[1917年]]、[[理化学研究所]]の創立に参加(同化学部長)。

*[[1917年]]、[[理化学研究所]]の創立に参加(同化学部長)。

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== その他 ==

== その他 ==

*1907年に約38kgの煮汁を取り出した際に、昆布を煮詰めるために用いられた英国製の大蒸発皿は、当時の貴重な資料として、その後も池田教授から鮫島教授、赤松教授、黒田教授、太田教授へと受け継がれ、現在も東京大学大学院・理学系研究科研究室にある<ref name="tokyodaigaku"></ref>。

*1907年(1908年<ref name=":0" />)に約38kg(約12kg<ref name=":0" />)の煮汁を取り出した際に、昆布を煮詰めるために用いられた英国製の大蒸発皿は、当時の貴重な資料として、その後も池田教授から鮫島教授、赤松教授、黒田教授、太田教授へと受け継がれ、現在も東京大学大学院・理学系研究科研究室にある<ref name="tokyodaigaku"></ref>。



==脚注==

==脚注==

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== 参考文献 ==

== 参考文献 ==

*『[[「うま味」を発見した男]]―小説・池田菊苗』[[上山明博]]、[https://www.amazon.co.jp/dp/B00J4RM2KG Kindle版]、2014年

*『[[「うま味」を発見した男]]―小説・池田菊苗』[[上山明博]]、[https://www.amazon.co.jp/dp/B00J4RM2KG Kindle版]、2014年

*『化学 /Kagaku.』[[辰巳敬]] ほか著、2013年 [[ISBN]] 978-4-4-410-81137-1



== 関連項目 ==

== 関連項目 ==


2018年10月9日 (火) 03:36時点における版

池田菊苗

  186410898 - 193653L-[1]


調L-1907(1908[2])38 kg(12kg[2])L-30 g1908424調3725[1]

UMAMI[1]


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1902

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1908調[2]

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1913

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1923退

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1891241221 - [3]

1903361226 - [4]

190437210 - [5]

19121218 - [6]


1907(1908[2])38kg(12kg[2])[1]



(一)^ abcd 

(二)^ abcde Kagaku.. Tatsumi, Takashi, 1948-,  , 1948-. Tōkyō: Sūkenshuppan. (2013.1). ISBN 9784410811371. OCLC 843012071. https://www.worldcat.org/oclc/843012071 

(三)^ 254518911222

(四)^ 614819031228

(五)^ 61811904212

(六)^ 12419121227


Kindle2014

 /Kagaku. 2013 ISBN 978-4-4-410-81137-1










 

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