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2019年~2020年に発生した新型コロナウイルス時に小中高であった世代が[[2001年]][[4月2日]]~[[2014年]][[4月1日]]生まれ。この世代は、3か月程度の休校の影響を受けている<ref>但し、2001年4月2日~2002年4月1日生まれで全日制高校に通っていた者は、2020年2月末の時点で高校の履修課程を既に終えている者も多く、さらに2月中に卒業式が開催された学校もあるので、2020年3月の休校による影響を受けていない者もいる。</ref>。
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2019年~2020年に発生した新型コロナウイルス時に小中高であった世代が[[2001年]][[4月2日]]~[[2014年]][[4月1日]]生まれ。この世代は、3か月程度の休校の影響を受けている<ref>但し、2001年4月2日~2002年4月1日生まれで全日制高校に通っていた者は、2020年2月末の時点で高校の履修課程を既に終えている者も多く、さらに2月中に卒業式が開催された学校もあるので、2020年3月の休校による影響を受けていない者もいる。</ref>。
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マスコミ等は、2011年度施行の学習指導要領も2020年度施行の学習指導要領も脱ゆとり教育と呼ぶが、[[文部科学省]]の意向は、ゆとりでも詰め込みでもない教育としており、2016年には文部科学大臣︵馳文部科学大臣︶のメッセージとして、ゆとり教育か詰め込み教育かといった二項対立的な議論は行わないと強調している。
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マスコミ等は、2011年度施行の学習指導要領も2020年度施行の学習指導要領も脱ゆとり教育と呼ぶが、[[文部科学省]]の意向は、ゆとりでも詰め込みでもない教育としており、2016年には文部科学大臣︵馳文部科学大臣︶のメッセージとして、ゆとり教育か詰め込み教育かといった二項対立的な議論は行わないと強調している。
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2011年度施行の学習指導要領の理念は、「確かな学力」「豊かな人間性」「健康・体力」を兼ね備えた「[[生きる力]]」を |
2011年度施行の学習指導要領の理念は、「確かな学力」「豊かな人間性」「健康・体力」を兼ね備えた「[[生きる力]]」をはぐくむための教育とし、勉強面では (1) 基礎的な知識・技能の習得、(2) 知識・技能を活用し、自ら考え、判断し、表現する力の育成、(3) 学習に取り組む意欲の養育を育成しようとしている<ref>{{PDFlink|[http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/pamphlet/__icsFiles/afieldfile/2011/03/30/1304395_001.pdf 新学習指導要領・生きる力 保護者用リーフレット]}} - 文部科学省</ref>。 |
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2020年度施行の学習指導要領は、主体的・対話的で深い学び(アクティブラニング)とカリキュラム・マネジメントの観点から、教育の改善と学習の効果の最大化を図り、 (1) 学びに向かう力、人間性など、(2)知識及び技能 、(3) 思考力、判断力、表現力など、の三つの力をバランスよく育むことを目指している<ref>{{PDFlink|[http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2019/02/14/1413516_001_1.pdf 学習指導要領「生きる力」 リーフレット一括版]}} - 文部科学省</ref>。 |
2020年度施行の学習指導要領は、主体的・対話的で深い学び(アクティブラニング)とカリキュラム・マネジメントの観点から、教育の改善と学習の効果の最大化を図り、 (1) 学びに向かう力、人間性など、(2)知識及び技能 、(3) 思考力、判断力、表現力など、の三つの力をバランスよく育むことを目指している<ref>{{PDFlink|[http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2019/02/14/1413516_001_1.pdf 学習指導要領「生きる力」 リーフレット一括版]}} - 文部科学省</ref>。 |
2020年12月5日 (土) 09:42時点における版
脱ゆとり教育(だつゆとりきょういく)とは、日本でゆとり教育による学習量の削減から一転し、学習量の増加の方向へ進んだ教育のことを指す[1]。
概要
コロナ世代
2004年度生まれ以降︵平成時代後半生まれ、2019年現在18歳以下︶を指し、ちょうど氷河期世代︵団塊ジュニア・ポスト団塊ジュニア︶の子ども世代、団塊の世代・ポスト団塊の世代の孫世代に相当する。 2019年~2020年に発生した新型コロナウイルス時に小中高であった世代が2001年4月2日~2014年4月1日生まれ。この世代は、3か月程度の休校の影響を受けている[19]。 休校による学力低下が懸念される他、この時期の卒業生は卒業式や入学式が出来ないなどの影響が及んでいる。 2020年~2022年に施行される学習指導要領を受ける年代は、2006年度生まれ以降であり、小学1年生から受ける年代は、2013年度生まれ以降である。︵脱ゆとり教育を受ける年代を参照︶ 脱ゆとり教育を受けた年代は、1997年4月2日以降であり、小学1年生から脱ゆとり教育であったのは、2004年4月2日以降となる。小学校では2020年4月から新しい学習指導要領が実施されるので、2011年~2013年施行の指導要領を受ける最後の世代は2019年に小学校に入学した2013年4月1日生まれまでである︵2004年4月2日〜2013年4月1日生まれを指す︶。文部科学省の主旨
マスコミ等は、2011年度施行の学習指導要領も2020年度施行の学習指導要領も脱ゆとり教育と呼ぶが、文部科学省の意向は、ゆとりでも詰め込みでもない教育としており、2016年には文部科学大臣︵馳文部科学大臣︶のメッセージとして、ゆとり教育か詰め込み教育かといった二項対立的な議論は行わないと強調している。 2011年度施行の学習指導要領の理念は、﹁確かな学力﹂﹁豊かな人間性﹂﹁健康・体力﹂を兼ね備えた﹁生きる力﹂をはぐくむための教育とし、勉強面では (1) 基礎的な知識・技能の習得、(2) 知識・技能を活用し、自ら考え、判断し、表現する力の育成、(3) 学習に取り組む意欲の養育を育成しようとしている[20]。 2020年度施行の学習指導要領は、主体的・対話的で深い学び︵アクティブラニング︶とカリキュラム・マネジメントの観点から、教育の改善と学習の効果の最大化を図り、 (1) 学びに向かう力、人間性など、(2)知識及び技能 、(3) 思考力、判断力、表現力など、の三つの力をバランスよく育むことを目指している[21]。移行期間
移行措置中の変更点の概要
2011年度~施行学習指導要領 移行期間での変更点の概要は以下のとおりである[26]。 ●学習指導要領の総則や、道徳、総合的な学習の時間、特別活動については移行措置期間から先行実施。 ●数学︵小学校では算数︶と理科に関しては、一部前倒しで実施。それに関する必要な教材は配布される。 ●それ以外の科目では、学校の判断に任せられる。 ●ただし、47都道府県の名称と位置、指導する曲数の増加、体育の授業時間数増加︵小学校低学年︶は先行実施される。 ●外国語活動︵主に英語、小学校5,6年生︶は各学校の裁量で授業可︵一部は総合的な学習の時間からの転用可︶。 ●小学校の総授業時間数は増加される。 ●5時間授業→6時間授業の増加、総合学習を減らしたのみで授業実数に変化 ●授業時間の変更 2020年度~施行学習指導要領 移行期間での変更点の概要は以下のとおりである[27]。変更点
変更内容の概要
2011年度~施行学習指導要領 ●言語活動と理数教育の充実。 ●伝統や文化に関する教育の充実。 ●小・中学校ともに総合的な学習の時間を削減。 ●中学校の選択教科の廃止 ●総授業時数が小学校6年間で278時間増加。 ●小学5・6年に﹁外国語活動﹂の時間を新設。 ●総授業時数が中学校3年間で105時間増加。 ●教科書のページ数が増量された(反復学習の増加)[28][29][30]。ただしページ数が増加した一方、学習内容については2002年以前の水準に完全に戻っているわけではない。 ●教科書・ランドセルが2011年〜A4サイズに授業時数の推移
学年 | ゆとり教育 | 移行期間 | 脱ゆとり教育 (2011年度~) |
移行期間 | 脱ゆとり教育 (2020年度~) |
---|---|---|---|---|---|
小学1年生 | 782 (23) | 816 (24) | 850 (25) | 850 | 850 |
小学2年生 | 840 (24) | 875 (25) | 910 (26) | 910 | 910 |
小学3年生 | 910 (26) | 945 (27) | 945 (27) | 960 | 980 |
小学4年生 | 945 (27) | 980 (28) | 980 (28) | 995 | 1015 |
小学5年生 | 945 (27) | 980 (28) | 980 (28) | 995 | 1015 |
小学6年生 | 945 (27) | 980 (28) | 980 (28) | 995 | 1015 |
中学1年生 | 980 (28) | 980 (28) | 1015 (29) | 1015 | 1015 |
中学2年生 | 980 (28) | 980 (28) | 1015 (29) | 1015 | 1015 |
中学3年生 | 980 (28) | 980 (28) | 1015 (29) | 1015 | 1015 |
- ()内は週時間あたりの授業時数
学年 | ゆとり教育 | 移行期間 | 脱ゆとり教育(2011年度~) |
---|---|---|---|
国語 | 1377 | 1377 | 1461 |
社会 | 345 | 345 | 365 |
数学 | 869 | 1011 | 1011 |
理科 | 350 | 405 | 405 |
生活 | 207 | 207 | 207 |
音楽 | 358 | 358 | 358 |
図画工作 | 358 | 358 | 358 |
家庭 | 115 | 115 | 115 |
体育 | 540 | 567 | 597 |
道徳 | 209 | 209 | 209 |
特別授業 | 209 | 209 | 209 |
総合的な学習の時間 | 430 | 345 - 415 | 280 |
外国語活動 | 0 | 0 - 70 | 70 |
学年 | ゆとり教育 | 移行期間1年目 | 移行期間2年目 | 移行期間3年目 | 脱ゆとり教育(2011年度~) |
---|---|---|---|---|---|
国語 | 350 | 350 | 350 | 350 | 385 |
社会 | 295 | 295 | 295 | 295 | 350 |
数学 | 315 | 350 | 385 | 385 | 385 |
理科 | 290 | 315 | 350 | 385 | 385 |
音楽 | 115 | 115 | 115 | 115 | 115 |
美術 | 115 | 115 | 115 | 115 | 115 |
保健体育 | 270 | 270 | 270 | 270 | 315 |
技術家庭 | 175 | 175 | 175 | 175 | 175 |
外国語 | 315 | 315 | 315 | 315 | 420 |
道徳 | 105 | 105 | 105 | 105 | 105 |
特別活動 | 105 | 105 | 105 | 105 | 105 |
選択教科等 | 155 - 280 | 130 - 240 | 60 - 170 | 25 - 135 | 0 |
総合的な学習の時間 | 210 - 335 | 190 - 300 | 190 - 300 | 190 - 300 | 190 |
脱ゆとり教育を受ける年代
以下に脱ゆとり教育(2011年度~2013年度施行の教育、2020年度~2022年度施行の教育)を受ける年代の推移を表にしめす。
色 | 示している教育 |
---|---|
白 | ゆとり教育よりも前の教育[注 1] |
赤 | ゆとり教育 |
黄色 | 2011年度~2013年度施行の教育の移行措置 |
黄緑 | 一部2013年度施行の教育[注 2] |
青 | 2011年度~2013年度施行の教育 |
水色 | 2020年度~2022年度施行の教育の移行措置 |
紫 | 2020年度~2022年度施行の教育 |
ゆとり教育を受けた世代と関係する各教育制度が実施された時期を次の表にしめす。
年度生まれ | 小1 | 小2 | 小3 | 小4 | 小5 | 小6 | 中1 | 中2 | 中3 | 高校・大学入試 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1993 (H5) | 850 | 910 | 910 | 945 | 945 | 945 | 980 | 980 | 980 | ゆとり教育[注 3] |
1994 (H6) | 850 | 840 | 910 | 945 | 945 | 945 | 980 | 980 | 980 | |
1995 (H7) | 782 | 840 | 910 | 945 | 945 | 945 | 980 | 980 | 980 | |
1996 (H8) | 782 | 840 | 910 | 945 | 945 | 945 | 980 | 980 | 980 | 一部脱ゆとり教育[注 2][注 4] |
1997 (H9) | 782 | 840 | 910 | 945 | 945 | 980 | 980 | 980 | 1015 | 2013年度(学年進行) 施行指導要領[注 5] |
1998 (H10) | 782 | 840 | 910 | 945 | 980 | 980 | 980 | 1015 | 1015 | |
1999 (H11) | 782 | 840 | 910 | 980 | 980 | 980 | 1015 | 1015 | 1015 | |
2000 (H12) | 782 | 840 | 945 | 980 | 980 | 980 | 1015 | 1015 | 1015 | |
2001 (H13) | 782 | 875 | 945 | 980 | 980 | 980 | 1015 | 1015 | 1015 | |
2002 (H14) | 816 | 875 | 945 | 980 | 980 | 980 | 1015 | 1015 | 1015 | |
2003 (H15) | 816 | 910 | 945 | 980 | 980 | 980 | 1015 | 1015 | 1015 | |
2004 (H16) | 850 | 910 | 945 | 980 | 980 | 980 | 1015 | 1015 | 1015 | |
2005 (H17) | 850 | 910 | 945 | 980 | 980 | 980 | 1015 | 1015 | 1015 | |
2006 (H18) | 850 | 910 | 945 | 980 | 980 | 980~995 | 1015 | 1015 | 1015 | 2022年度(学年進行) 施行指導要領 |
2007 (H19) | 850 | 910 | 945 | 980 | 980~995 | 980~995 | 1015 | 1015 | 1015 | |
2008 (H20) | 850 | 910 | 945 | 980~995 | 980~995 | 1015 | 1015 | 1015 | 1015 | |
2009 (H21) | 850 | 910 | 945~960 | 980~995 | 1015 | 1015 | 1015 | 1015 | 1015 | |
2010 (H22) | 850 | 910 | 945~960 | 1015 | 1015 | 1015 | 1015 | 1015 | 1015 | |
2011 (H23) | 850 | 910 | 980 | 1015 | 1015 | 1015 | 1015 | 1015 | 1015 | |
2012 (H24) | 850 | 910 | 980 | 1015 | 1015 | 1015 | 1015 | 1015 | 1015 | |
2013 (H25) | 850 | 910 | 980 | 1015 | 1015 | 1015 | 1015 | 1015 | 1015 |