アングル人
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アングル人︵英:Angle ; 羅:Angli︶またはアンゲルン人、アンゲル人︵独:Angeln / Angel ; 蘭:Angelen︶は、西方系ゲルマン人の一種族であり、ユトランド半島南部に位置するアンゲルン半島︵ドイツのシュレースヴィヒ=ホルシュタイン州の一部︶の一帯に住んでいた人々を指す。その一部は6世紀頃にイングランド北東部に移住して幾つもの王国を建国し、後のアングロサクソン人の祖先となった。
西暦400年代のユトランド半島からブリテン諸島への移住。
Jutes: ジュート人
Angles:アングル人
Saxons: サクソン人
アングル人の名は、イングランド(England)およびイングランド人(English)の名前の語源となったことが分かっている。
中世初期を通じてアングル人がブリテン島に定着するに伴い、ブリテン島の中部以南、現在のイングランドに相当する地を主に指してラテン語で"Anglia"︵アングリア="Angli"の土地︶と呼ぶようになったが、この"アングリア"は古英語の時代以降、様々な文献においてイングランド人の居住地やイングランド人、或いは時としてブリテン島全体を表す単語を使用する際に、翻訳・転用された。例を挙げれば、9世紀のアルフレッド大王はOrosius' history of the worldの翻訳に際してイングランド(人)を表すために "Angelcynn (-kin)"を用い、同時代のベーダ・ヴェネラビリスは"Angelfolc (-folk)"や"Engla Londe"を用いた。これら以外にも、Engel、Englan (イングランド人)、Englaland、Engliscなど、様々な派生形が用いられた。オックスフォード英語辞典によると、Englandの綴りが最初に使用されたのは1538年、またEnglishの語はEngliscから綴りが変化して定着したものとの事である。
なおフランス語では現在でも、﹁アングル人の土地﹂という意味の'Angleterre'という言葉がイングランドを指す際に使われる。
近世以降の宗教改革期のイングランド国教会のカトリック教会からの離脱に起源を持つ聖公会の英語での名称は、その歴史的な起源を反映して﹁アングリカン・チャーチ︵アングル人の教会︶﹂あるいは﹁アングリカニズム︵アングル流の信仰︶﹂となっている。また、近世以降に北アメリカ大陸にイングランドから多くの人が移民し、イングランドと歴史的・文化的な繋がりを長く持ち続けることとなったことから、ラテンアメリカと対比して同大陸をアングロアメリカ︵アングル人の住むアメリカ︶と呼ぶことがある。