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古英語

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
古英語
Englisce sprǣc
言語系統

インド・ヨーロッパ語族

表記体系 ラテン文字アングロサクソンルーン文字
言語コード
ISO 639-2 ang
ISO 639-3 ang
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10世紀初頭における、古ノルド語および近縁の言語が話されていた地域の概略図。
   古西ノルド語
   古東ノルド語
   古英語
   その他のゲルマン諸語のうち、古ノルド語との相互理解可能性 (Mutual intelligibility)を保っているもの

: Englisce sprǣc: Old English: Engle-Seaxisce sprǣc: Anglo-Saxon4501150[1]使

西 OE︿



1517使4使11066使

[]


NorthumbrianMercianKentishWest Saxon49

8789

[]


y

ð/þeththorn[ð][θ] ƿ, wynn [w] c, g ċ, ġ

アルファベットと発音[編集]

アルファベット 発音
a [ɑ] 舌が後ろよりのア、当時の表記ではaとoがときおり混同した。
ā [ɑː] 上記 a の長音
æ [æ]
ǣ [æː] 上記 æ の長音
b [b]
c [tʃ] あるいは [k] と発音する。現代の表記では [tʃ] の音を表すときに上にドットをつけて ċ とすることもある。
cg [dʒ]
d [d]
ð/þ [θ] 有声音の間に挟まれたときは [ð] と発音する。二者は別の字だが区別なく使われる。
e [e]
ē [eː] 上記 e の長音
ea [æɑ] 後母音の前の c, g, sc[tʃ], [j], [ʃ]と発音されるのを表す e と混同しないように注意。
ēa [æːɑ] 上記 ea の長音
eo [eo] ea に同じ
ēo [eːo] 上記 eo の長音
f [f] 有声音の間に挟まれたときは [v] と発音する。
g [g] 異音に[ɣ], [j], [dʒ] がある。[j][dʒ] の音を表すときに上にドットをつけて ġ とすることがある。またアイルランドに由来する ȝ の字体(yogh、音は同じ)が使われることがある。
h [h] [ç, x]の異音がある。
i [i]
ī [iː] 上記 i の長音
ie [ie]
īe [iːe] 上記 ie の長音
k [k] あまり使われない
l [l]
m [m]
n [n] 後ろに g が来て Template:-ng となったときは [ŋg] と発音する。
o [o]
ō [oː] 上記 o の長音
oe [ø] 合字の œ も使われる
ōe [øː] 同上
p [p]
q [k] 直後に来る u と一組で [kw] の音を表すがあまり使われない。 古英語では cƿ あるいは cw と書く。
r [r] 詳しい音価は確定していないが現代の英語と同じ [ɹ] か、ふるえ音の [r] とされる。
s [s] 有声音に挟まれたときは [z] と発音する。
sc [ʃ] 異音に [sk] がある。
t [t]
u [u]
ū [uː] 上記 u の長音
ƿ [w] 現代の表記では代わりに w を用いる。
x [ks] [xs ~ çs] と発音されたという説もある
y [y]
ȳ [yː] 上記 y の長音
z [ts] まれに ts と音が並んだときに使われる(beztbetst、ともに [betst] と発音する。意味は best)。

二重子音の ðð/þþ、ff、ss は有声音に挟まれても有声音にならない。

音韻[編集]

子音[編集]

両唇音 唇歯音 歯音 歯茎音 後部歯茎音 硬口蓋音 軟口蓋音 声門音
閉鎖音 [p  b]     [t  d]   [k  g]  
破擦音 [tʃ  (dʒ)]
鼻音 [m] [n] [(ŋ)]
摩擦音 [f  (v)] [θ  (ð)] [s  (z)] [ʃ] [(ç)] [(x)  (ɣ)] [h]
接近音       [r]   [j] [w]  
側音 [l]



[dʒ][j][n]

[ŋ][n][k][g] 

[v, ð, z][f, θ, s]

[ç, x][h]

[ɣ][g]

[]

単母音 短母音 長母音
前母音 後母音 前母音 後母音
閉母音 [i  y] [u] [iː  yː] [uː]
中央母音 [e  (ø)] [o] [eː  (øː)] [oː]
開母音 [æ] [ɑ] [æː] [ɑː]
二重母音 短音(1モーラ 長音(2モーラ)
第一単音閉音 [iy] [iːy]
両単音とも中音 [eo] [eːo]
両単音とも開音 [æɑ] [æːɑ]

文法[編集]




324




[]


Beowulf



Juliana

Cynnewulf4

The Anglo-Saxon Chronicle

11154

De Consolatione Philosophae



The Nine Herbs CharmNigon Wyrta Galdor

10

[]

  1. ^ デジタル大辞泉 - オー‐イー【OE】[Old English]. コトバンク. 2019年3月13日閲覧。

参考書籍[編集]

  • Peter S. Baker, Introduction to Old English, Oxford 2003, ISBN 0-631-23454-3.
  • A. Campbell, Old English Grammar, Oxford 1959.
  • Fausto Cercignani, The Development of */k/ and */sk/ in Old English, Journal of English and Germanic Philology 82 (1983), 313–323.
  • J. R. Clark Hall and H. D. Merritt, A Concise Anglo-Saxon Dictionary, Cambridge 1969.
  • Charles F. Hockett, The stressed syllabics of Old English, Language 35 (1959), 575–597.
  • Sherman M. Kuhn, On the Syllabic Phonemes of Old English, Language 37 (1961), 522–538.
  • Roger Lass, Old English: A historical linguistic companion, Cambridge 1994, ISBN 0-521-43087-9.
  • Bruce Mitchell and Fred C. Robinson, A Guide to Old English, Oxford 2001, ISBN 0-631-22636-2.

関連項目[編集]