イソップ (ベラスケスの絵画)
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スペイン語: Esopo 英語: Aesop | |
作者 | ディエゴ・ベラスケス |
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製作年 | 1639-1640年 |
種類 | キャンバス、油彩 |
寸法 | 179 cm × 94 cm (70 in × 37 in) |
所蔵 | プラド美術館、マドリード |
﹃イソップ﹄︵西: Esopo、英: Aesop︶は、スペインのバロック絵画の巨匠ディエゴ・ベラスケスが1639-1640年にキャンバス上に油彩で制作した絵画である。現在、マドリードのプラド美術館に所蔵されている[1][2][3][4][5][6]。ほぼ同じ大きさの﹃メニッポス﹄[4] (プラド美術館) 同様に狩猟休憩塔 (トッレ・デ・ラ・パラーダ) のために描かれた作品で、古代ギリシアの哲学者であるイソップを表している[1][2][3][4][5][6]。狩猟休憩塔には、フランドルの画家たちが手がけた動物の寓話にもとづく作品が多数飾られていたことから、ベラスケスは動物の寓話作者イソップを描いたと想像できる[4][6]。
ディエゴ・ベラスケス﹃メニッポス﹄ (1639-1640年ごろ) 、プラド美術館
ベラスケスが﹃イソップ﹄を描く以前に、ピーテル・パウル・ルーベンスと彼の工房は、狩猟休憩塔のために古代ギリシアの哲学者である﹃デモクリトス﹄と﹃ヘラクレイトス﹄ (ともにプラド美術館) を納めていた[1][2][3][4][5]。ルーベンスは、ベラスケスが最も深く尊敬していた同時代の画家であり、﹁ロールモデル﹂であった[4]。ベラスケスは、本作﹃イソップ﹄と対作品﹃メニッポス﹄を描く際にルーベンスの2作品との対比を念頭に置いていたと考えられる[1][2][4][6]。ベラスケスの2作品はルーベンスの2作品とは別の部屋に飾られたが、キャンバスの高さはほぼ180センチで同じである[1][4]。また、ルーベンスもベラスケスも、2人の人物を﹁涙﹂と﹁笑い﹂を表す対照的な人物として描いている[1]。
ルーベンス作品のヘラクレイトス (﹁涙﹂を表す) [7]とデモクリトス (﹁笑い﹂を表す)[8] は、古代彫刻にもとづいた古代の偉人としての風貌を与えられ、屋外に裸足で、典型的な古代風の長衣を着て座っている[1][4]。また、彼らはルーベンスならではの逞しく、筋肉質の体型をしており[1]、表情は確立された図像にもとづく[1][4]。しかし、ベラスケスは、ルーベンスとは対照的にメニッポス (﹁涙﹂に相当する﹁自身の欠如﹂を表す) とイソップ (﹁笑い﹂に相当する﹁開放性﹂を表す) に民衆的で理想化の施されていないリアルな風貌を与えている。彼らはまた、室内に靴を履いて立っている[1][4]。