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クラング (シュトックハウゼン)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

クラング、正確には音―1日の24時間:Klang—Die 24 Stunden des Tages)は、最晩年のカールハインツ・シュトックハウゼンが作曲した連作音楽。2004年から2007年にかけて作曲された。

概説

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19772724212007125[1]6060

1使2246[2]

初演

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完成された21作品の連続演奏は、2010年5月8日と9日の「ケルントリエンナーレ」にて、初日は8箇所、最終日は9箇所の会場で各昼の12時から午前0時まで分散して行われた。各平均数回のチクルスが組まれたが、都合によって1回から23回までいろいろなオルガニゼーションがなされた。

演奏時間

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通算11時間28分 (各楽曲の演奏時間は個別に記す。公式サイトで公開されている作品リストに記載の表記に従った)

楽器編成

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217

各曲の解説

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1時間目「昇天 HIMMELFAHRT」(2004/2005)

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[2]37

52241624[3]

2時間目「喜び FREUDE」(2005)

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1[4]2[5]41

24242

3時間目「自然の持続時間 NATÜRLICHE DAUERN」(2005/2006)

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2ピアノ曲XIV」以来となる独奏ピアノのための作品で、4曲からなるピアノ曲集[6]。タイトルは音の減衰時間や演奏者の呼吸などの自然現象で各楽曲の持続時間が決定されることによる。一部の楽曲には内部奏法や演奏者の発声、補助楽器が登場する。演奏時間は作品の性質上不確定だが、約140分である。

4時間目「天国への扉 HIMMELS-TÜR」(2005)

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[7]28

6

 24 TÜRIN(2006)TürRin

5時間目「ハーモニー HARMONIEN」(2006)

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15

24125

Lob sei Gott

6時間目「美 SCHÖNHEIT」(2006)

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3Lob sei Gott28

7時間目「バランス BALANCE」(2007)

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7126

Gloria in excelsis Deo et in terra pax hominibus bonae voluntatis32

8時間目「至福 GLÜCK」(2007)

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Noten zu Klängen zu Kreislauf zu Glück / GOTT ist Glück30

9時間目「希望 HOFFNUNG」(2007)

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Dank sei Gott / Danke Gott für das werk HOFFNUNG3230

10時間目「輝き GLANZ」(2007)

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Gloria in excelsis Deo et in terra pax hominibus bonae voluntatis40

763

11時間目「忠誠 TREUE」(2007)

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Treue zu Gott30

12時間目「目覚め ERWACHEN」(2007)

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CErwachen in Gott30

13時間目「宇宙の脈動 COSMIC PULSES」(2006/2007)

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85122432

2412424

3241

24402322152024242420241242

6

14時間目「ハヴォナ HAVONA」(2007)

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14218243

242322141518192410

(Paradies)

15時間目「オルヴォントン ORVONTON」(2007)

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212019246

7(superuniverse)1

16時間目「ウヴェルサ UVERSA」(2007)

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181716161720212240


17時間目「ネバドン NEBADON」(2007)

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1514132142

10(local universe)1(Urantia)

18時間目「イェルセム JERUSEM」(2007)

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12111021

(system)(Satania)

19時間目「ウランティア URANTIA」(2007)

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987261121945


20時間目「エデンティア EDENTIA」(2007)

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6541844

(constellation)(Norlatiadek)


21時間目「楽園 PARADIES」(2007)

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321182



2224

脚注

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  1. ^ 松平 2019, p. 294.
  2. ^ a b 松平 2019, p. 296.
  3. ^ 松平 2019, p. 296-297.
  4. ^ 松平 2019, p. 299.
  5. ^ 松平 2019, p. 299-300.
  6. ^ 松平 2019, p. 300-301.
  7. ^ 松平 2019, p. 307.

参考文献

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  • 初演時のプログラムとCD解説
  • 松平敬「シュトックハウゼン《宇宙の脈動》について」(『ベルク年報』〔13〕所収)
  • 松平敬『シュトックハウゼンのすべて』アルテスパブリッシング、2019年。