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ドラキュラ伯爵

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ドラキュラ伯爵
Count Dracula
吸血鬼ドラキュラ』 (1897年)のキャラクター
1931年公開の映画『魔人ドラキュラ』でドラキュラを演じるベラ・ルゴシ
作者 ブラム・ストーカー
演じた人物」を参照
詳細情報
種族 吸血鬼
性別 男性
肩書き 貴族
テンプレートを表示

Count Dracula1897

1533


[]


[1]

[2]313891526[3]18調Voivode Dracula[ 1][4]

前日譚『ドラキュラの客』[編集]

短編集『 ドラキュラの客』(1914年)の表紙

短編『ドラキュラの客』は、ある人物と会うためトランシルヴァニアに向かう予定の若いイギリス人旅行客を語り手とする物語である[注釈 2]。彼はドイツミュンヘン近郊を馬車で移動していた折、御者の警告を無視して「ワルプルギスの夜」に一人で街道から外れた横道を進み、彷徨うことになる。

青年は、謎の長身痩躯の男の影や不意の吹雪などに見舞われながらも先へと進み、最終的に古い墓地にたどり着く。そこで青年はドリンゲン伯爵夫人と彫られた大理石の一際立派な大きな墓を見つける。その墓は何故か大きな鉄杭が突き刺さっていた。今度は雹の嵐に襲われた青年は避難のため、墓の内部へと入るが、そこでまるで眠っているかのような美しい女性の遺体と対面する。その瞬間、謎の怪力によって青年は墓の外へと放り出される。同時に、大理石に刺さった鉄杭に雷が落ちて墓は崩壊し、炎に包まれた女性の遺体は実は生きていたように苦悶の表情と悲鳴を上げ滅びる。しかし、危機は終わっておらず、再び謎の力に引きずられ意識を失った後、目が覚めると大きなオオカミに伸し掛かられ、首筋を舐められている。しかし、オオカミはそれだけで青年を襲うことはなく、やがて助けが現れ、オオカミは彼を守っていただけだとわかる。

青年がホテルに戻ってくると、ホテルマンよりトランシルヴァニアで待つ相手より電報が届いていると連絡を受ける。それは雪とオオカミと夜の危険を警告するドラキュラ伯爵からのものであった。

本編[編集]


50

2調使

調

3姿

[ 3]

人物[編集]

伯爵の顔は精悍な荒鷲のような顔であった。肉の薄い鼻が反り橋のようにこんもり高くつき出て、左右の小鼻が異様にいかり、額はグッと張り出し、髪の毛は横鬢のあたりがわずかに薄いだけで、あとはふさふさしている。太い眉がくっつきそうに鼻の上に迫り、モジャモジャした口ひげの下の「へ」の字に結んだ、すこし意地の悪そうな口元には、異様に尖った白い犬歯がむきだし、唇は年齢にしては精気がありすぎるくらい、毒々しいほど赤い色をしている。そのくせ耳には血のけが薄く、その先がいやにキュッと尖っている。顎はいかつく角ばり、頬は肉こそ落ちているが、見るからにガッチリとして、顔色は総体にばかに青白い。

『吸血鬼ドラキュラ』第二章(平井呈一訳)[5]

姿 調[6][3]

退[6][3]

使431[7]使使

1[6]

能力と弱点[編集]

魔人ドラキュラ』(1931年)においてドラキュラ伯爵(ベラ・ルゴシ)とヴァン・ヘルシングエドワード・ヴァン・スローン)が対峙するシーン。

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1curse of immortality[4]

2[12]the Vampire's Baptism of Blood[13]退[14]

[15][14]

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[17][4]2退[6]退[12]

[3][4]退[4]使

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[4][6]

[6]the thirst

モデル[編集]

17世紀にエステルハージ家の依頼で描かれたヴラド3世の等身大の肖像画。フォルヒテンシュタイン城英語版所蔵。

ヴラド3世説[編集]


153195819723TIn Search of Dracula[18]

214313[19] 18333

33[20]Voivode Dracula 19983 3  Count Wampyr1880[21]

[]


3 1865Transylvania: Its Products and Its People[22][23]

映像化作品におけるドラキュラ伯爵[編集]

ドラキュラ伯爵を演じたことで有名なベラ・ルゴシ(上段)とクリストファー・リー(下段)。

[] 2003AFI100100193133[24] 20137[25]

1922193119581992

[]


en:Count Dracula#Screen portrayals
作品名 演じた人物 備考
1921年 ドラキュラの死英語版 Erik Vanko 失われた映画
1922年 吸血鬼ノスフェラトゥ マックス・シュレック英語版 この作品ではオルロック伯爵英語版という名前になっている
1931年 魔人ドラキュラ ベラ・ルゴシ
1958年 吸血鬼ドラキュラ クリストファー・リー
1979年 ドラキュラ フランク・ランジェラ
1979年 ノスフェラトゥ クラウス・キンスキー 1922年の『吸血鬼ノスフェラトゥ』のリメイクだが名前はドラキュラ伯爵である。
1992年 ドラキュラ ゲイリー・オールドマン
2012年 ダリオ・アルジェントのドラキュラ トーマス・クレッチマン
2023年 ドラキュラ/デメテル号最期の航海 ハビエル・ボテット

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ ヘルマンシュタットはシビウのことである。ただし、「ヘルマンシュタット湖」ないし「シビウ湖」は架空のもので実在しない。
  2. ^ もともとこの短編は『吸血鬼ドラキュラ』の第1章として執筆されたもののため、このイギリス人はジョナサン・ハーカーだと考えられている。
  3. ^ ドラキュラの最期としては心臓に杭を打たれる、日光を浴びて消滅するなどが一般に知られているが、これらは後の翻案作品でのラストである。

出典[編集]



(一)^ Senf, Carol N. (1979-09). Dracula: The Unseen Face in the Mirror. Journal of Narrative Technique (Ypsilanti, Michigan: Eastern Michigan University) 9 (3): 16070. 

(二)^  The Cambridge Companion to 'Dracula'. Cambridge University Press. (2018). p. 101. ISBN 9781107153172. https://books.google.com/books?id=-sg-DwAAQBAJ&pg=PA101 

(三)^ abcd, 3.

(四)^ abcdefghijklmnopqr, 18.

(五)^  & 1971.

(六)^ abcdefg, 2.

(七)^ abcd, 4.

(八)^ , 17.

(九)^ , 7.

(十)^ , 19.

(11)^ .

(12)^ ab, 21.

(13)^ , 24.

(14)^ abc, 27.

(15)^ , 23.

(16)^ , 22.

(17)^ , 11.

(18)^ Dearden, Lizzie (2014520). Radu Florescu dead: Legacy of the Romanian 'Dracula professor' remembered. The Independent (London, England). https://www.independent.co.uk/news/people/radu-florescu-dead-legacy-of-the-romanian-dracula-professor-remembered-9401744.html 2017914 

(19)^ Vlad III. Encyclopædia Britannica.  Chicago, Illinois:  Encyclopædia Britannica, Inc.. 2019413

(20)^ Cain, Jimmie E. (2006). Notes  Chapter Four. Bram Stoker and Russophobia: Evidence of the British Fear of Russia in Dracula and The Lady of the Shroud. Jefferson, North Carolina: McFarland & Co.. p. 182. ISBN 0-7864-2407-9. https://books.google.com/books?id=VomtVOkkPDwC&pg=PA182 

(21)^ Davis, Lauren (20141021). No, Bram Stoker Did Not Model Dracula on Vlad The Impaler. Gizmodo.  New York City:  Univision Communications. 2019413

(22)^ Boner, Charles (1865). Transylvania: Its Products and Its People. London, England: Longmans. ISBN 978-1146490337. https://archive.org/details/transylvaniaits00bonegoog 

(23)^ Crişan, Marius (2008). The Models for Castle Dracula in Stoker's Sources on Transylvania. Journal of Dracula Studies (Kutztown, Pennsylvania: Kutztown University of Pennsylvania) (10). 

(24)^ AFI's 100 Greatest Heroes & Villains. AFI. http://www.afi.com/100Years/handv.aspx 

(25)^ "The 100 best horror movie characters". Empire. Retrieved 11 March 2019

参考文献[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]

  • ウィキメディア・コモンズには、ドラキュラ伯爵に関するカテゴリがあります。
  • Bram Stoker Online – ストーカーによる『吸血鬼ドラキュラ』の原文が読める。