三八式機関銃
三年式機関銃用の銃架に装着された三八式機関銃 | |
概要 | |
---|---|
種類 | 重機関銃 |
製造国 | 大日本帝国 |
設計・製造 |
設計:南部麒次郎 製造:東京砲兵工廠 |
性能 | |
口径 | 6.5 mm |
ライフリング | 右転6条 |
使用弾薬 | 三八式実包 |
装弾数 | 30発(保弾板) |
作動方式 |
ガス圧作動方式 ロッキングブロック式 |
全長 | 1448 mm |
重量 | 銃本体28 kg、全備55.5 kg |
発射速度 | 600から450発/分 |
銃口初速 | 762 m/s |
有効射程 | 2000 m |
三八式機関銃は、保式機関砲を改良し日本陸軍が制定した機関銃である。
三八式機関銃の構造図
6.5 mm口径の三八式実包を使用する、ガス圧利用の空冷式機関砲である。前方に放熱筒のはめ込まれた銃身と、その下部に発射ガスを送るガス喞筒︵そくとう。ガスシリンダー︶が配置される。銃身の外部は黒色に錆染されており、ライフリングは右転6条、前端に照星座と照星がついている。銃身の背後に黒色に錆染された尾筒がつけられており、尾筒に設けられた準孔には保弾板を装填する装填架がつけられている。装填架上部に油槽が設けられ、また送弾歯輪がつけられている。これは活塞︵ピストン︶と連動して保弾板を右へ送る。
尾筒内部には遊底、活塞、復座ばね、引き金が内蔵される。遊底は円筒、撃茎︵ストライカー︶、抽筒子︵エキストラクター︶から構成される。これらは後部で活塞と連絡する。尾筒のさらに後方には床尾︵銃床︶がつけられた。
単発発射サイクルは次のように行われる。遊底を開いた後に装填架へ左方から保弾板を入れる。引き金を引くと復座ばねの反発力で遊底が前進を開始し、実包を保弾板から外して薬室内へ送り込む。薬室内への装填完了が終わると遊底が閉鎖され、弾丸が発射される。発射のガスが一部ガス喞筒内に入り、活塞の頭部を押して後退させる。遊底は活塞と連動して後退し、薬室から空薬莢を抜き出す。同時に活塞は逆鉤︵シアー︶を動かして引き金をロックする。同時に活塞に従動して送弾歯輪が送られ、保弾板の穴と噛み合って保弾板を右へ送る。
引き金を引き続ければ実包が尽きるまでサイクルが復行される。全弾発射すると保弾板は自動的に右方へ放出される。機関部に連発機という自動連射装置がついており、銃手が指を引き続けなくとも連射ができた。また引き金を引き続けた状態で新たに保弾板を装填すると自動的に連射が開始された。安全装置を垂直状態に回すと射撃できなくなり、水平状態に回すと撃発状態となった。
弾薬箱は甲種、乙種があり、それぞれ全備で18.803 kg、25.418 kgの重量があった。保弾板重量は120 g、弾薬は30発で630 g、紙箱は75 g、全備で825 gである。ほか、属品箱、器具箱が用意された。こうした荷物は駄載により輸送された。