倉島節尚
倉島 節尚︵くらしま ときひさ、1935年5月5日 - 2020年4月[1]︶は、日本の国語辞典編集者。三省堂において国語辞典、古語辞典の編集を担当し、﹃大辞林﹄初版刊行時の編集長として知られる。三浦しをんの小説﹃舟を編む﹄の主人公のモデルの1人ともいわれる[1]。大正大学教授、国立国語研究所﹁外来語﹂委員会の委員[2]も務めた。
略歴[編集]
1935年現在の長野県佐久市に生まれる。 1959年に東京大学文学部国語国文学科を卒業し、三省堂に入社、新人研修後三省堂編修所に配属される。初めての担当は、1962年に刊行された﹃明解古語辞典﹄新版のための改訂作業。その後、当時書名の決まっていなかった辞典、企画番号#231︵後の﹃大辞林﹄︶の編集担当となる。 1974年 に三省堂が会社更生法に基づく手続き開始の申し立てを行い、倒産した際には多くの大型企画が廃止と判断されるが、﹃大辞林﹄と﹃時代別国語辞典﹄は継続が認められる。1984年に三省堂が更生計画を達成した後、1988年11月に編集長として﹃大辞林﹄初版刊行に立ち会う。三省堂では出版局長、常務取締役を務めた。 1990年に大正大学文学部教授に就任。1999年﹃新小辞林﹄第五版︵1999年︶編集委員に名を連ねる︵編者は三省堂編修所︶[3]。2008年に大正大学教授を退任。名誉教授となる。 2020年4月没[1]。著書[編集]
●﹁辞書は生きている 国語辞典の最前線﹂1995年 ほるぷ出版 ISBN 9784593535187 ●﹁辞書と日本語 国語辞典を解剖する﹂2002年 光文社新書 ISBN 9784334031763 ●﹁日本語辞書学への序章﹂2008年 大正大学出版会 ●﹃辞林探究 言葉そして辞書﹄おうふう, 2015 ●﹃見て読んでよくわかる!日本語の歴史﹄全4巻 こどもくらぶ 編. 筑摩書房, 2017-18 ●﹃中高生からの日本語の歴史﹄ちくまプリマー新書 2019共編著[編集]
●﹁日本辞書辞典﹂共著 1996年 おうふう ISBN 4273028905 ●﹁幕末の日本語研究 S.R.ブラウン会話日本語 - 複製と翻訳・研究﹂加藤知己共編著 1998年 三省堂 ISBN 4385358273 ●﹁幕末の日本語研究 W.H.メドハースト英和・和英語彙 - 複製と翻訳・研究﹂加藤知己共編著 2000年 三省堂 ISBN 4385359628 ●﹁活字印刷と日本語﹂︵﹁現代日本語講座6文字・表記﹂︶2002年 明治書院 ISBN 9784625413100 ●﹁宝菩提院本 類聚名義抄﹂2002年 大正大学出版会 ISBN 4-924297-11-9 ●﹁宝菩提院本 類聚名義抄和訓索引﹂2006年 大正大学出版会 ISBN 4-924297-38-0 ●﹁日本語辞書学の構築﹂2006年 おうふう ●﹁ことわざ-慣用句・故事成語・四字熟語 ︵ポプラディア情報館︶﹂監修 2008年 ポプラ社 ISBN 978-4-591-10087-5 ●﹁検定クイズ100 ことわざ ︵ポケットポプラディア︶﹂監修 2009年 ポプラ社 ISBN 978-4591118658 ●﹃写真で読み解くことわざ大辞典﹄監修. あかね書房, 2011 ●﹃言葉は大事だ!じてん :あいさつ・マナー・敬語﹄全3巻 監修 新日本出版社, 2014編纂[編集]
●﹁杉楊枝﹂1976年 古典文庫 ●﹁続落久保物語﹂1981年 古典文庫 ●﹁本朝美人鑑﹂ 1985年 古典文庫 ●﹁やうきひ物語﹂1986年 古典文庫 ●﹁近世怪奇談﹂1992年 古典文庫インフォーマントとして[編集]
金田一春彦の論文﹁アクセントから見た日本祖語と字音語﹂に佐久方言アクセントのインフォーマントとして参加している︵﹃金田一春彦著作集﹄第7巻所収︶。脚注[編集]
- ^ a b c 小林肇 (2020年6月29日). “ニュースを読む 新四字熟語辞典 第10回 【聖地巡礼】せいちじゅんれい”. 三省堂. 2020年6月30日閲覧。
- ^ “〔国立国語研究所報告126 公共媒体の外来語 ―「外来語」言い換え提案を支える調査研究―〕あとがき” (PDF) (2007年3月). 2020年6月30日閲覧。
- ^ 新小辞林 第五版(三省堂)