分析論前書
アリストテレスの著作 (アリストテレス全集) |
---|
論理学 |
オルガノン: 範疇論 - 命題論 分析論前書 - 分析論後書 トピカ - 詭弁論駁論 |
自然学 |
自然学 - 天体論 生成消滅論 - 気象論 霊魂論 - 自然学小論集 動物誌 動物部分論 - 動物運動論 動物進行論 - 動物発生論 |
形而上学 |
形而上学 |
倫理学 |
ニコマコス倫理学 エウデモス倫理学 |
政治学 |
政治学 アテナイ人の国制 |
制作学 |
弁論術 - 詩学 |
その他 |
断片集 - 著作目録 |
偽書及びその論争がある書 |
宇宙論 - 気息について 小品集 - 問題集 大道徳学 - 徳と悪徳について 経済学 アレクサンドロスに贈る弁論術 |
﹃分析論前書﹄︵ぶんせきろんぜんしょ、希: Αναλυτικων πρότερων、羅: Analytica Priora, 英: Prior Analytics︶とは、アリストテレスの著作であり、﹃オルガノン﹄の中の一冊。
文字通り、﹁分析的推論﹂としての﹁論証﹂︵希: αποδειξις、apodeiksis、アポデイクシス︶、いわゆる﹁三段論法﹂︵希: συλλογισμός, syllogismos、シュロギスモス[1]︶のあり方について述べられている。
Commentaria in Analytica priora Aristotelis, 1549
全2巻から成る。
●第1巻 - 全46章。
●︻1. 推論式の構造︼︵1章-22章︶
●︻1. 序説︼︵1章-3章︶
●︻2. 推論の三格︼︵4章-22章︶
●︻3. 付説︼︵23章-26章︶
●︻2. 推論作成︵﹁中項﹂発見︶の方法︼︵27章-31章︶
●︻3. 推論格型式への分析法︼︵32章-46章︶
●第2巻 - 全27章。
●︻1. 推論の変種︼︵1章-15章︶
●︻2. 誤謬論その他︼︵16章-22章︶
●︻3. 推論類似の方法︼︵23章-27章︶
構成[編集]
概要[編集]
詳細[編集]
第1巻[編集]
●︻1. 推論式の構造︼ ●︻1. 序説︼ ●第1章 - ﹃分析論﹄の主題は﹁論証﹂である。﹁前提﹂﹁項﹂﹁推論﹂の意義。﹁完全な推論﹂と﹁不完全な推論﹂。﹁全体の内においてあること﹂と﹁全てについて述語されること﹂。 ●第2章 - ﹁前提﹂︵命題︶の三様相。﹁単純様相前提﹂の換位。 ●第3章 - ﹁必然様相前提﹂﹁許容様相前提﹂の換位。 ●︻2. 推論の三格︼ ●第4章 - ﹁単純様相推論﹂第一格。 ●第5章 - ﹁単純様相推論﹂第二格。 ●第6章 - ﹁単純様相推論﹂第三格。 ●第7章 - 諸格に共通な諸性格。 ●1. 大・小両項の交換による特殊な推論の成立。 ●2. 全不完全推論の第一格への還元。 ●3. 全推論の第一格全称推論への還元。 ●第8章 - 両前提﹁必然様相﹂の推論。 ●第9章 - 両前提の一方が﹁必然様相﹂、他方が﹁単純様相﹂の推論第一格。 ●第10章 - 両前提の一方が﹁必然様相﹂、他方が﹁単純様相﹂の推論第二格。 ●第11章 - 両前提の一方が﹁必然様相﹂、他方が﹁単純様相﹂の推論第三格。 ●第12章 - ﹁必然様相﹂または﹁単純様相﹂の結論に必要な前提の様相。 ●第13章 - ﹁許容様相推論﹂序説。 ●1. 厳密な意味での﹁許容様相﹂と相補換位。 ●2. その展開の二側面。 ●3.﹁許容様相推論﹂の両前提。 ●第14章 - 両前提﹁許容様相﹂の推論第一格。 ●第15章 - 両前提の一方が﹁許容様相﹂、他方が﹁単純様相﹂の推論第一格。 ●第16章 - 両前提の一方が﹁許容様相﹂、他方が﹁必然様相﹂の推論第一格。 ●第17章 - ●1.﹁許容様相推論﹂第二格序説。 ●2.﹁許容様相﹂全称否定前提の単純換位不可能。 ●3. 両前提﹁許容様相﹂の推論第二格。 ●第18章 - 両前提の一方が﹁許容様相﹂、他方が﹁単純様相﹂の推論第二格。 ●第19章 - 両前提の一方が﹁許容様相﹂、他方が﹁必然様相﹂の推論第二格。 ●第20章 - ●1.﹁許容様相推論﹂第三格序説。 ●2. 両前提﹁許容様相﹂の推論第三格。 ●第21章 - 両前提の一方が﹁許容様相﹂、他方が﹁単純様相﹂の推論第三格。 ●第22章 - 両前提の一方が﹁許容様相﹂、他方が﹁必然様相﹂の推論第三格。 ●︻3. 付説︼ ●第23章 - 全推論は三つの格のいずれかにおいて成立し、かつ全て﹁第一格全称推論﹂へ還元される。 ●第24章 - 前提の﹁量﹂︵特に全称の重要性︶と﹁質﹂︵様相などを含めて︶。 ●第25章 - 推論における﹁項﹂﹁前提﹂﹁結論﹂の数。 ●第26章 - 各﹁格式﹂によって証明・反証される命題の種類 ︵命題の種類別による証明・反証の難易︶。 ●︻2. 推論作成︵﹁中項﹂発見︶の方法︼ ●第27章 - ﹁中項﹂発見のための原則。 ●1. 主述連関による存在の三領域。 ●2. 前提として、すなわち﹁中項﹂として選出されるべき事項の分割。 ●3. 前提の全称の重要性。 ●4. 述語または主語として選出されるべきでない事項。 ●5.﹁たいていは﹂という様相における選出。 ●6. 超越述語は﹁中項﹂となりにくい。 ●第28章 - ﹁中項﹂選出各論。 ●1. 問題分析各論。 ●2. 同上再論。 ●3. 第一にして最も一般普遍な﹁中項﹂。 ●4.﹁中項﹂選出による推論諸格の成立。 ●5. 超越述語は﹁中項﹂と成り得ない。 ●6. 推論不成立に至る﹁中項﹂模索の方式。 ●7. 反対または不両立に基づく﹁中項﹂選出。 ●第29章 - ﹁中項﹂選出余論。 ●1. 帰謬法における﹁中項﹂選出。 ●2. 帰謬法以外の仮定法推論における﹁中項﹂選出。 ●3. 仮定付加による特称推論の全称化。 ●4. 様相推論における﹁中項﹂選出。 ●5. 総括。 ●第30章 - 個別学における﹁中項﹂ないし﹁推論﹂の諸原理選出。﹁経験﹂と﹁論証﹂。 ●第31章 - ﹁分割法﹂への批判。 ●︻3. 推論格型式への分析法︼ ●第32章 - 既成の推論風議論からの﹁両前提﹂﹁中項﹂の析出と各格への還元。 ●第33章 - 諸項の連関方式の類似による錯誤。 ●第34章 - 項抽出にまつわる誤謬。 ●第35章 - 一語によって表現されない項に基づく錯誤。 ●第36章 - 項の主郭・斜格による﹁~である﹂の多義性。 ●第37章 - 述語類型をめぐる﹁~である﹂及び﹁真とされる﹂の多様性。 ●第38章 - 増複項を持つ推論の分析。そのための﹁中項﹂析出。 ●第39章 - 語と説明方式の代置。 ●第40章 - 大項の限定・不限定。 ●第41章 - ●1.﹁Aが~であるものの全てにBが~である﹂と﹁Aがその全てに~であるものの全てにBが~である﹂の差異。 ●2. 諸項の﹁抽出挙示﹂は解説のために過ぎない。 ●第42章 - ﹁複合推論﹂の分析。 ●第43章 - 定義を目指す推論は定義項の内の問題点を項とせよ。 ●第44章 - ●1. 仮定からの諸推論一般の還元不可能性。 ●2. 帰謬法推論の還元不可能性。 ●3. その他の仮定からの諸推論も還元不可能。 ●第45章 - 諸格相互への還元分析。 ●第46章 - 否定をめぐる諸考察。 ●1.﹁これではない﹂と﹁これではないものである﹂。 ●2.﹁これである﹂﹁これでない﹂﹁これではないものである﹂﹁これでないものではない﹂の相互連関。 ●3. 欠如態も﹁これではないものである﹂と同様。 ●4. 部分否定。 ●5.﹁これではない﹂と﹁これではないものである﹂の証明方式。 ●6.﹁強選言命題﹂二組の連関方式。 ●7.﹁矛盾﹂をめぐる錯誤。第2巻[編集]
●︻1. 推論の変種︼ ●第1章 - 同一前提からの多結論。 ●第2章 - 偽前提からの真結論︵偽装推論︶第一格。 ●第3章 - 偽前提からの真結論︵偽装推論︶第二格。 ●第4章 - 偽前提からの真結論︵偽装推論︶第三格。 ●第5章 - 第一格推論の循環証明。 ●第6章 - 第二格推論の循環証明。 ●第7章 - 第三格推論の循環証明。 ●第8章 - 第一格推論の変換。 ●第9章 - 第二格推論の変換。 ●第10章 - 第三格推論の変換。 ●第11章 - 帰謬推論第一格。 ●第12章 - 帰謬推論第二格。 ●第13章 - 帰謬推論第三格。 ●第14章 - 帰謬法と直截証示法との連関。 ●第15章 - 矛盾対立する両前提からの推論。 ●︻2. 誤謬論その他︼ ●第16章 - ﹁論点先取﹂の誤謬。 ●第17章 - 偽結論の原因の認定とその誤謬。 ●第18章 - 偽結論の原因の所在。 ●第19章 - ﹁論争法﹂1 - 防衛と攻撃の手法。 ●第20章 - ﹁論争法﹂2 - 論駁。 ●第21章 - 錯誤と知識の共存。 ●第22章 - ●1. 項転換を含む諸項連関の問題。 ●2. 望ましいことと望ましくないことの比較量刑。 ●︻3. 推論類似の方法︼ ●第23章 - ﹁帰納法﹂ ●第24章 - ﹁例証法﹂ ●第25章 - ﹁還元法﹂︵帰着法︶ ●第26章 - ﹁異義﹂ ●第27章 - ﹁徴標法﹂内容[編集]
この節の加筆が望まれています。 |
訳書[編集]
- 『アリストテレス全集 1 分析論前書 分析論後書 ほか』 山本光雄、井上忠、加藤信朗訳 岩波書店、1971年
- 『新版 アリストテレス全集 2 分析論前書 分析論後書』 今井知正、河谷淳、高橋久一郎訳 岩波書店、2014年