富永惣一
富永 惣一︵とみなが そういち、1902年9月18日[1] - 1980年6月4日[1]︶は、日本の美術史家、美術評論家。男爵・安場末喜の孫。
略歴[編集]
東京市生まれ[1]。学習院初等科、中等科、高等科を経て、1923年東京帝国大学文学部フランス文学科に進学する[1]。翌年美学美術史学科に転科し[1]、1926年同学科を卒業[1]。1927年学習院講師[1]、1929年学習院教授[1]。1931年から1933年にかけて、宮内省在外研究員として欧米に留学[1]。1949年、学習院大学文学部教授[1]。1954年、美術評論家連盟会長[1]。1959年、国立西洋美術館初代館長に就任するが[1]、1968年に購入作品の真贋問題が追及された責任をとって辞任した[1]。1968年大阪万国博覧会美術館館長[1]、共立女子大学教授[1]。1973年定年退任。 1969年シュヴァリエ・ド・ラ・レジォン・ドヌール勲章[1]、1974年勲二等瑞宝章[1]をそれぞれ受章。家族[編集]
●父の富永敏麿は秋田鉄道、日本郵船の重役。大審院判事富永冬樹の長男で、東京帝国大学工科大学機械工学科卒。冬樹の実弟に矢野二郎。
●母のワキは男爵安場末喜の長女で女子学習院出身[2]。
●父方叔母の夫に小田切万寿之助。
●妻の芳子は鹿子木小五郎の二女。
著書[編集]
●﹃希臘彫刻﹄アトリヱ社 1939 ●﹃美術随想﹄創芸社 1948 ●﹃ロダン﹄雄山閣 1949 ●﹃セザンヌ﹄1949 (アルス美術文庫) ●﹃ギリシアの彫刻﹄美術出版社 1951 (少年美術文庫) ●﹃美術の歴史と見方﹄至文堂 1952 (学生教養新書) ●﹃ギリシア彫刻﹄人文書院 1954 ●﹃ピカソ 現代絵画論﹄1954 (岩波新書) ●﹃美と感覚 フランス美術をめぐりて﹄朝日新聞社 1956 ●﹃西洋美術館﹄修道社 1956 ●﹃ミケランジェロ﹄講談社 1959 (世界伝記全集) ●﹃世界の美術・絵画と彫刻﹄偕成社 1961 (目で見る学習百科) ●﹃近代絵画﹄保育社 1963 (カラーブックス) ●﹃美術の図鑑﹄小学館の学習図鑑シリーズ 1966 ●﹃ヨーロッパの美術館案内︵編著︶﹄鹿島出版会 1975編纂[編集]
●﹃西洋美術文庫﹄第11巻 セザンヌ アトリエ社 1939 ●﹃ドラクロアの素描﹄創芸社 1944 ●﹃セザンヌ﹄弘文堂 1952 (アテネびじゅつぶんこ) ●﹃原色版美術ライブラリー 第29マチス﹄みすず書房 1955 ●﹃ピカソ﹄大日本雄弁会講談社 1955 (講談社版アート・ブックス) ●﹃セザンヌ﹄大日本雄弁会講談社 1955 (講談社版アート・ブックス) ●﹃ブラック ジョルジュ・ブラック﹄大日本雄弁会講談社 1955 (講談社版アート・ブックス) ●﹃原色版美術ライブラリー 第13十九世紀の絵画﹄みすず書房 1956 ●﹃現代色彩講座 第5巻 芸術と色彩﹄修道社 1958 ●﹃図説世界文化史大系 第5ギリシア﹄村川堅太郎共編 角川書店 1960 ●﹃図説世界文化史大系 第6ローマ﹄村川堅太郎共編 角川書店 1960 ●﹃日本美術大系﹄第10巻 現代美術 講談社 1960 ●﹃世界美術全集 第35-36巻 西洋(近代)﹄角川書店 1961-63 ●﹃印象派 第1-2﹄みすず書房 1961 ●﹃講談社版日本近代絵画全集 第13巻 梅原龍三郎﹄1962 ●﹃世界美術大系 第24巻 現代美術﹄講談社 1963 ●﹃世界の美術 第17ルノワール﹄河出書房新社 1963 ●﹃世界の文化 第5ギリシア﹄田中美知太郎共編 河出書房新社 1964 ●﹃世界の名画 第4セザンヌ・モジリアニ﹄学習研究社 1965 ●﹃世界の美術 第1原始・古代の美術﹄河出書房新社 1966 ●﹃世界美術全集 第19ルオー﹄河出書房新社 1969 ●﹃ファブリ世界名画集31ポール・セザンヌ﹄平凡社 1969 ●﹃現代世界美術全集4ルノワール﹄集英社 1969 ●﹃ファブリ世界名画集26エドゥアール・マネ﹄平凡社 1970 ●﹃世界の美術館 第31イスタンブール美術館﹄講談社 1971 ●﹃現代世界美術全集5ロダン ブールデル﹄武者小路実篤共著 集英社 1971 ●﹃ファブリ世界名画集41ピエール・ボナール﹄平凡社 1971 ●﹃ファブリ世界名画集86テオドール・ジェリコー﹄平凡社 1972 ●﹃ファブリ世界名画集93モーリス・ド・ヴラマンク﹄平凡社 1972 ●﹃現代世界美術全集24アングル・ドラクロワ﹄集英社 1972 ●﹃グランド世界美術20ルノワールとドガ﹄講談社 1974 ●﹃新潮美術文庫20ドラクロワ﹄1975 ●﹃世界彫刻美術全集9ミケランジェロ﹄小学館 1975 ●﹃現代日本の美術12棟方志功﹄集英社 1975 ●﹃グランド世界美術19モネと印象派﹄講談社 1975翻訳[編集]
●﹃パルテノォン / コリニョン﹄岩波書店 1929 (美術叢書) ●﹃エチュード﹄ジャック・リヴィエール 佐藤正彰、河上徹太郎、小林秀雄共訳中の﹁畫家論﹂、芝書店、1933 ●﹃ヴァザリ美術家伝 第1﹄隈元謙次郎共訳 青木書店 1943 ●﹃イタリア絵画史 第1巻﹄スタンダール 吉川逸治共訳 河出書房 1943 ●﹃美は終らず 美学について﹄ポオル・ヴアレリイ全集 第14巻 筑摩書房 1947 ●﹃イタリア絵画史 第1-3巻﹄吉川逸治共訳 スタンダール全集 河出書房 1948 ●﹃パンプロナの祭﹄インゲ・モラート 平凡社 1957 (世界写真作家シリーズ) ●﹃ルオーの手紙 ルオー=シュアレス往復書簡﹄安藤玲子共訳 河出書房新社 1971 ●﹃現代の絵画3セザンヌと後期印象派﹄アルベルト・マルティーニ、レナータ・ネグリ 平凡社 1974記念論集[編集]
●﹃富永惣一先生古稀記念論文集﹄天心社刊行会 1972.12脚注[編集]
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