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岩手県営野球場︵いわてけんえいやきゅうじょう︶は、岩手県盛岡市にある野球場。施設は岩手県が所有し、岩手県スポーツ振興事業団が指定管理者として運営管理を行っている。
歴史・概要[編集]
岩手国体を前にした1970年4月30日完成。以来、全国高等学校野球選手権岩手大会の主会場としての使用をはじめ、硬式・軟式問わず多くのアマチュア野球公式戦が行われている。また、プロ野球公式戦が年間1~2試合程度開催されており、岩手県の代表的な野球場である。
プロ野球公式戦は、完成年にヤクルトアトムズ対大洋ホエールズ戦が開催されている。以降、ヤクルト、大洋・横浜の他、読売ジャイアンツ、広島東洋カープ、阪神タイガース、日本ハムファイターズ、オリックス・ブルーウェーブなどが主催公式戦を開催。2005年からは東北楽天ゴールデンイーグルスの公式戦が年1~2試合開催されている︵2012年は予定されていた1試合が降雨ノーゲームとなった[4]︶。これまで、NPB1軍公式戦は2022年6月22日の楽天対日本ハム戦を含め79試合[5]が開催された。
2012年7月23日には岩手県内初となるオールスターゲーム︵第3戦︶が東日本大震災の被災地の小中高校生約2400人を招待して行われた[6]。
球場は1983年と1993年の2度にわたり、施設の改修工事を行っているが、経年劣化による老朽化のほか、公認野球規則に基づく両翼のサイズが基準値︵99.06m︶よりも狭いことなどが指摘されており[7]、盛岡市営野球場とともに、同じ盛岡市のいわて盛岡ボールパーク︵2023年完成予定︶へ機能が移設されることになった。このため、2022年6月22日の楽天対日本ハム戦が当球場におけるプロ野球の最終試合となり、6‐3で楽天がサヨナラ勝ちを収めた[5]。
新球場のいわて盛岡ボールパークでは2023年︵令和5年︶4月1日の開場初日の記念試合前に岩手県営野球場と盛岡市営野球場の土を新球場に散布する﹁継承式﹂が行われる[8]。岩手県営野球場は盛岡南公園に完成する新球場︵いわて盛岡ボールパーク︶の供用開始から5年以内に用途廃止にすることになっている[9]。
施設概要[編集]
●グラウンド面積‥13,677m2
●両翼‥91.5m、中堅‥122m
●内野‥クレー舗装、外野‥天然芝︵高麗芝︶
●照明設備‥1000w×6基︵最大照度‥投捕間‥2300Lx、内野2200Lx、外野1038Lx︶
●収容人員‥25,000人︵内野‥背もたれ付きセパレート式、外野‥芝︶
●スコアボード‥磁気反転式︵LED式フリーボードあり、ボールカウントは2012年より﹃SBO﹄点灯から﹃BSO﹄点灯に改修︶
●フリーボードはイニングスコア表示部下に設置されている。スコアボードがパネル式だった頃に設置されていた﹁ホームランランプ﹂︵本塁打が出ると点灯する︶に代わる設備として、改修時に設けられたもの。尚、フリーボードは2005年から球速表示にも対応している。また、2009年までは電球式だった。︵色は赤のみ︶
●屋内練習場が1塁・3塁側双方のスタンド下に設置。プロ野球での使用の際には、グラウンド内のブルペンを使用しないで、屋内練習場内のブルペンを使用することがある。
メインスタンド[編集]
メインスタンドはRC造地上2階で、1969年︵昭和44年︶11月に竣工した︵1983年4月増設︶[9]。収容人員25,000人[9]。
ジェット風船について[編集]
この球場でジェット風船を飛ばすことは禁止という説がある。2004年に開催された横浜主催試合︵ヤクルト戦︶では﹁ジェット風船使用禁止﹂の場内アナウンスがあった。
しかし実際には、2005年より開催されている東北楽天の主催試合、それ以前に開催された広島主催試合においては、禁止されることはなく普通に使用することが出来、球場売店でもジェット風船が販売されている︵ジェット風船を販売する売り子が場内を巡回したケースもある︶。このことから、球場ルールとしては禁止されてはいないが、主催球団によって対応が異なる模様である︵横浜は2012年まで本拠地の横浜スタジアムでジェット風船使用が禁止されており、それに則ったものと考えられる︶。