沈既済
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人物と作品[編集]
﹃新唐書﹄の巻132に伝記がある[1]。
楊炎が吏部侍郎の時に史家として認められ、徳宗の建中元年︵780年︶に楊炎が宰相となった時に左拾遺︵中国語版︶・史館修撰︵中国語版︶に任じられた。翌年に楊炎が罷免されると、連座して処州に左遷される。数年後に楊炎の政敵の盧杞︵中国語版︶︵ろき、? - 785年︶の失脚により都に戻り、礼部員外郎となる。子は沈伝師︵769年 - 827年︶[2][3]。
伝奇小説として﹃枕中記[4]﹄﹃任氏伝[5]﹄︵781年︶がある。
﹃枕中記﹄は、﹃文苑英華﹄833巻・﹃太平広記﹄82巻、﹃任氏伝﹄は﹃太平広記﹄452巻・﹃類説﹄28巻に収められており、﹃異聞集﹄から採取したとされている[2][3]。いずれも後世の戯曲・小説に広く影響を及ぼした。﹃枕中記﹄の夢の中で立身出世していくという筋は、自身が楊炎の失脚に巻き込まれたことに絡ませたという見方もある。﹃任氏伝﹄では、処州に流される旅の途中でこの話を同輩達と語り合ったことが執筆のきっかけであると、文中に記されている。
脚注・出典[編集]
- ^ 『新唐書』巻一百三十二 列伝第五十七 劉呉韋蒋柳沈(沈既済の条)
- ^ a b 中国古典文学大系24 六朝・唐・宋小説選 1968年 平凡社 ISBN 978-4582312249、『九 枕の中の世界の話』『一〇 任氏の物語』解題 前野直彬 p.474上
- ^ a b 唐宋伝奇集 上 1988年 岩波文庫 ISBN 978-4003203811、『3 邯鄲夢の枕―枕中記』『4 妖女任氏の物語―任氏伝』訳注 今村与志雄 p.206-207、p.214
- ^ 日本語訳は前野直彬訳と今村与志雄訳がある:中国古典文学大系24 六朝・唐・宋小説選 『九 枕の中の世界の話』 前野直彬 訳 1968年 平凡社 p.160-163 ; 唐宋伝奇集 上『3 邯鄲夢の枕―枕中記』 今村与志雄 訳、1988年 岩波文庫 ISBN 978-4003203811、p.25-32
- ^ 日本語訳は前野直彬訳と今村与志雄訳がある:中国古典文学大系24 六朝・唐・宋小説選 『一〇 任氏の物語』 p.164-171 ;唐宋伝奇集 上『4 妖女任氏の物語―任氏伝』p.33-53