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﹃海猫﹄︵うみねこ︶は、谷村志穂が著した小説。またこれを原作とした2004年公開の日本映画。
2002年出版。第10回島清恋愛文学賞受賞。
文庫判 ︵2004年︶
海猫 上巻 ISBN 4-10-113251-8
海猫 下巻 ISBN 4-10-113252-6
蒼い乳房 ︵2007年、ISBN 9784101132532︶
薫の中学生時代を描いた短編。
あらすじ[編集]
函館に住む野田美輝には結婚話が進んでいたが、母親の薫の過去の醜聞が世間に明るみに出て婚約者より一方的に婚約の破棄を申し渡されることになり、母親に不信感を持つようになる。
薫の父親はロシア人と日本人との混血であり、薫は父親の血筋からコーカソイドの特徴である青い瞳孔と白い肌を受けついだのであるが、彼女にとっては美貌は重荷となり周囲の社会関係の中でさびしい幼少時代を過ごしてきた。やがて成人して銀行員になり、漁師の赤木邦一と出会い結婚した。漁村で周囲の理解を得、かつてのように好奇の目を気にしない生活を得て、長女・美輝を出産し幸せな生活を得ることになる。しかし、邦一は仲間の漁師たちとトラブルを起こし大けがを負い入院する。入院中、妻がありながら看護師の啓子を見初めて恋愛に夢中になり、家を空けるようになる。薫は夫に裏切られた怒りと寂しさより義弟の広次︵函館の職工︶に急速に惹かれていき、一度の過ちを犯し、その結果妊娠して次女・美哉を出産する。不倫の事実が判明すると、邦一は不倫の遠因を作ったのは自身にありながら一方的に妻を責め、妻に対し外出禁止を命じる。広次は兄を恨み対立し、駆け落ちの提案を薫に持ちかける。両者の板挟みにあった薫はノイローゼになり、精神的疲労から海猫の舞う太平洋へと投身自殺し、それを知った広次も後追い自殺をする。
美輝は祖母のタミより全ての事情を聞き、母親の生き方に一定の理解を示すようになり、母親へのわだかまりを解くようになった。音信不通だった父親とも再会し、母親と広次の墓に墓参することを決心する。その18年後、成長した娘たちもまたそれぞれ苦しい恋愛を経験することになる。物語には娘たちの祖母と祖父との恋愛も描かれている。
登場人物の多くが人生において出会う困難を冷静に受け止め、理性的な対応をすることが出来ず、衝動にまかせ行動するために次々に連鎖的に不幸を招き寄せてしまうストーリーとなっているが、美輝については賢明な選択により人生を前向きに切り開いていくことが可能な聡明な女性として描かれている。
- 海猫(DVD1枚組、2005年5月21日発売)
- 映像特典
- メイキング特番
- 初日舞台挨拶
- キャストインタビュー
- 特報・劇場予告編・TVスポット集
- データファイル
- 「海猫」ロケマップ
- フォトギャラリー
- アートギャラリー
- 初回限定特典
(一)^ ﹁2004年度 日本映画・外国映画 業界総決算 経営/製作/配給/興行のすべて﹂﹃キネマ旬報﹄2005年︵平成17年︶2月下旬号、キネマ旬報社、2005年、152頁。
(二)^ abcd﹁キネマ旬報臨時増刊 映画作家 森田芳光の世界﹂﹃キネマ旬報﹄、キネマ旬報社、2012年5月11日、70–71頁。
(三)^ abcde﹁東映、秋公開﹃海猫﹄クランクイン 森田芳光監督、新しい極限愛の物語﹂﹃映画時報﹄2004年3月号、映画時報社、37頁。 ﹁東映、失楽園の夢いま一度 森田芳光監督で極限の愛﹃海猫﹄﹂﹃映画時報﹄2004年6月号、映画時報社、30–31頁。
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
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