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井上 荒野︵いのうえ あれの、1961年2月4日 - ︶は、日本の小説家。本名同じ。東京都出身。
小説家井上光晴の長女として東京都中野区に生まれる[2]。12歳のとき調布市に転居[2]。調布市立第三中学校[2]、玉川学園高等部[3][2]、成蹊大学文学部英米文学科卒業[3]。大学卒業後は小学館の近代文学全集編集部に3年間勤めていた[4][2]。退職後はフリーで記事を書いたりコピーライターのような仕事をし、たまに同人誌に小説を発表していたという[4]。
1989年、﹁わたしのヌレエフ﹂で第1回フェミナ賞︵学習研究社﹃季刊フェミナ﹄によるもの。江國香織と同時受賞[2]。︶を受賞するが、その後体調不良などで小説を書けなくなる[4]。絵本の翻訳などをしていたが、2001年に﹃もう切るわ﹄で再起。2004年、﹃潤一﹄で第11回島清恋愛文学賞、2008年、﹃切羽へ﹄で第139回直木賞受賞。2011年、﹃そこへ行くな﹄で第6回中央公論文芸賞受賞。2016年、﹃赤へ﹄で第29回柴田錬三郎賞受賞。2018年、﹃その話は今日はやめておきましょう﹄で第35回織田作之助賞受賞[5]。
実父、光晴は尼・文筆家の瀬戸内寂聴と不倫関係にあったが、瀬戸内と井上の間には長く親交があった。
36歳のときに父と同じ大腸がんに見舞われ、入院生活を送るも寛解[2]。退院後にインターネットで古書を探しているなかで知り合った古書店主と40歳のときに結婚[6][2]。2019年より長野県八ヶ岳の麓に暮らす[7][8][9]。
作品リスト[編集]
1990年代[編集]
●グラジオラスの耳︵1991年5月 福武書店 / 2003年1月 光文社文庫︶
●収録作品‥グラジオラスの耳 / 暗い花柄 / わたしのヌレエフ / 楽天ちゃん追悼 / ビストロ・チェリイの蟹
2000年代[編集]
●もう切るわ︵2001年10月 光文社 / 2004年10月 光文社文庫︶
●ヌルイコイ︵2002年10月 光文社 / 2005年10月 光文社文庫︶
●潤一︵2003年11月 マガジンハウス / 2006年12月 新潮文庫︶
●収録作品‥映子・三十歳 / 環・二十八歳 / あゆ子・六十二歳 / 美雪・二十六歳 / 千尋・二十九歳 / 瑠依・十四歳 / 香子・四十三歳 / 希・三十八歳 / 美夏・二十歳 / 潤一・二十六歳
●森のなかのママ︵2004年3月 集英社 / 2007年5月 集英社文庫︶
●だりや荘︵2004年7月 文藝春秋 / 2007年8月 文春文庫︶
●しかたのない水︵2005年1月 新潮社 / 2008年2月 新潮文庫︶
●収録作品‥手紙とカルピス / オリビアと赤い花 / 運動靴と処女小説 / サモワールの薔薇とオニオングラタン / クラプトンと骨壺 / フラメンコとべつの名前
●誰よりも美しい妻︵2005年12月 マガジンハウス / 2009年2月 新潮文庫︶
●不恰好な朝の馬︵2006年10月 講談社 / 2011年3月 講談社文庫︶
●収録作品‥不恰好な朝の馬 / クリームソーダ / 額縁の犬 / 鹿田温泉 / スケッチ / 虫 / 初夏のペリメニ
●学園のパーシモン︵2007年1月 文藝春秋 / 2009年9月 文春文庫︶
●ズームーデイズ︵2007年7月 小学館 / 2008年11月 小学館文庫︶
●ベーコン︵2007年10月 集英社 / 2009年6月 集英社文庫︶
●収録作品‥ほうとう / クリスマスのミートパイ / アイリッシュ・シチュー / 大人のカツサンド / 煮こごり / ゆで卵のキーマカレー / 父の水餃子 / 目玉焼き、トーストにのっけて / ベーコン
●夜を着る︵2008年2月 文藝春秋 / 2010年10月 文春文庫︶
●収録作品‥アナーキー / 映画的な子供 / ヒッチハイク / 終電は一時七分 / I島の思い出 / 夜を着る / 三日前の死 / よそのひとの夏
●切羽へ︵2008年5月 新潮社 / 2010年11月 新潮文庫︶
●あなたの獣︵2008年11月 角川書店 / 2012年1月 角川文庫︶
●収録作品‥砂 / 飴 / 桜 / 窓 / 石 / 南 / 祭 / 海 / 声 / 骨
●雉猫心中︵2009年1月 マガジンハウス / 2011年12月 新潮文庫︶
●ひみつのカレーライス︵2009年4月 アリス館︶ - 絵‥田中清代
●静子の日常︵2009年7月 中央公論新社 / 2012年6月 中公文庫︶
2010年代[編集]
●つやのよる︵2010年4月 新潮社 / 2012年12月 新潮文庫︶
●もう二度と食べたくないあまいもの︵2010年4月 祥伝社 / 2013年4月 祥伝社文庫︶
●収録作品‥幽霊 / 手紙 / 奥さん / 自伝 / 犬 / 金 / 朗読会 / オークション / 裸婦 / 古本
●ベッドの下のNADA︵2010年12月 文藝春秋 / 2013年5月 文春文庫︶
●収録作品‥だんまり虫 / ばかぼん / おもいあい / 交換日記 / おしっこ団 / タナベ空
●ハニーズと八つの秘めごと︵2011年3月 小学館︶
●収録作品‥ブーツ / 泣かなくなった物語 / 粉 / 虫歯の薬みたいなもの / 犬と椎茸 / 他人の島 / きっとね。 / ダッチオーブン / ハニーズ
●そこへ行くな︵2011年6月 集英社 / 2014年7月 集英社文庫︶
●収録作品‥遊園地 / ガラスの学校 / ベルモンドハイツ401 / サークル / 団地 / 野球場 / 病院
●キャベツ炒めに捧ぐ︵2011年8月 角川春樹事務所 / 2014年8月 ハルキ文庫︶
●だれかの木琴︵2011年12月 幻冬舎 / 2014年2月 幻冬舎文庫︶
●結婚︵2012年3月 角川書店 / 2016年1月 角川文庫︶
●夜をぶっとばせ︵2012年5月 朝日新聞出版 / 2016年5月 朝日文庫︶
●収録作品‥夜をぶっとばせ / チャカチョンバへの道
●さようなら、猫︵2012年9月 光文社 / 2017年6月 光文社文庫︶
●収録作品‥自分の猫 / わからない猫 / 赤ん坊と猫 / 降りられない猫 / 名前のない猫 / ラッキーじゃなかった猫 / 他人の猫 / 二十二年目の猫 / さようなら、猫
●それを愛とまちがえるから︵2013年1月 中央公論新社 / 2016年3月 中公文庫︶
●あなたにだけわかること︵2013年5月 講談社︶
●ほろびぬ姫︵2013年10月 新潮社 / 2016年6月 新潮文庫︶
●虫娘︵2014年8月 小学館 / 2017年2月 小学館文庫︶
●悪い恋人︵2014年12月 朝日新聞出版 / 2018年7月 朝日文庫︶
●リストランテアモーレ︵2015年3月 角川春樹事務所 / 2016年8月 ハルキ文庫︶
●ママがやった︵2016年1月 文藝春秋 / 2019年1月 文春文庫︶
●収録作品‥ママがやった / 五、六回 / ミック・ジャガーごっこ / コネティカットの分譲霊園 / 恥 / はやくうちに帰りたい / 自転車 / 縦覧謝絶
●赤へ︵2016年6月 祥伝社 / 2019年6月 祥伝社文庫︶
●収録作品‥虫の息 / 時計 / 逃げる / ドア / ボトルシップ / 赤へ / どこかの庭で / 十三人目の行方不明者 / 母のこと / 雨
●綴られる愛人︵2016年10月 集英社 / 2019年4月 集英社文庫︶
●あなたならどうする︵2017年6月 文藝春秋 / 2020年7月 文春文庫︶
●収録作品‥人妻ブルース / 時の過ぎゆくままに / 小指の想い出 / 東京砂漠 / ジョニィへの伝言 / あなたならどうする / 古い日記 / 歌いたいの / うそ / サルビアの花
●その話は今日はやめておきましょう︵2018年5月 毎日新聞出版 / 2021年3月 毎日文庫︶
●あちらにいる鬼︵2019年2月 朝日新聞出版 / 2021年11月 朝日文庫︶
●あたしたち、海へ︵2019年11月 新潮社/ 2022年5月 新潮文庫︶
2020年代[編集]
●よその島︵2020年3月 中央公論新社 / 2023年3月 中公文庫︶
●そこにはいない男たちについて︵2020年7月 角川春樹事務所 / 2022年7月 ハルキ文庫︶
●ママナラナイ︵2020年10月 祥伝社 / 2023年10月 祥伝社文庫︶
●百合中毒︵2021年4月 集英社︶
●生皮 あるセクシャルハラスメントの光景︵2022年4月 朝日新聞出版︶
●小説家の一日︵2022年10月 文藝春秋︶
●僕の女を探しているんだ︵2023年2月 新潮社︶
●照子と瑠衣︵2023年10月 祥伝社︶
●ひどい感じ 父・井上光晴︵2002年8月 講談社 / 2005年10月 講談社文庫︶
●夢のなかの魚屋の地図︵2014年1月 幻戯書房 / 2017年3月 集英社文庫︶
●荒野の胃袋︵2014年9月 潮出版社 / 2022年10月 潮文庫︶ - ショート・エッセイ集
共著・対談集[編集]
●あの映画みた?︵2018年6月 新潮社︶ - 江國香織との対談集
アンソロジー・リレー小説[編集]
﹁﹂内が井上荒野の作品
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1930年代 - 1950年代(第1回 - 第42回) |
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1930年代 |
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1940年代 |
- 第11回 堤千代『小指』他/河内仙介『軍事郵便』
- 第12回 村上元三『上総風土記』他
- 第13回 木村荘十『雲南守備兵』
- 第14回 該当作品なし
- 第15回 該当作品なし
- 第16回 田岡典夫『強情いちご』他/神崎武雄『寛容』他
- 第17回 山本周五郎『日本婦道記』(受賞辞退)
- 第18回 森荘已池『山畠』『蛾と笹舟』
- 第19回 岡田誠三『ニューギニヤ山岳戦』
- 第20回 該当作品なし
- 第21回 富田常雄『面』『刺青』他
- 第22回 山田克郎『海の廃園』
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1950年代 |
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1960年代 - 1970年代(第43回 - 第82回) |
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1960年代 |
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1970年代 |
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1980年代 - 1990年代(第83回 - 第122回) |
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1980年代 |
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1990年代 |
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2000年代 - 2010年代(第123回 - 第162回) |
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2000年代 |
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2010年代 |
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2020年代 - 2030年代(第163回 - ) |
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2020年代 |
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カテゴリ |
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第1回 - 第10回 |
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第11回 - 第20回 |
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第21回 - |
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